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群馬大学



群馬大学工学研究科
博士後期課程物質工学専攻2年
  浅野 比


 
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1. はじめに
2. 材料を構成する高分子をイメージする
3. 最近の研究
1) 透過電子顕微鏡(TEM)でプラスチック材料の微細結晶をナノスケールで調べる 
2) NMRという方法でプラスチック材料の構造と性質を調べる
3) 種々の機器でプラスチックを調べる
4) 医用高分子材料をつくる
5) 材料を開発する
4. インタビューを終わって
 


群馬大学工学部 材料工学科
  甲本 忠史 教授

3.最近の研究

1) 透過電子顕微鏡(TEM)でプラスチック材料の微細結晶をナノスケールで調べる

 カーボンレプリカ法という手法でプラスチックの摩擦表面をTEMで観察し、トライボロジー挙動(摩擦係数、耐摩耗性)を評価する方法を開発しました。人工関節やスキー板の滑走面に使われている超高分子量ポリエチレンがなぜ自己潤滑性(潤滑剤なしでも滑る性質)を有するかを解明しました。

 一般にビニル袋と呼ばれるものから車のインパネ、バンパー、燃料タンク等まで広く使われているポリエチレン、ポリプロピレンなどの汎用樹脂、さらに、ナイロンやポリエステルなどのエンジニアリング(エンプラ)樹脂等種々のプラスチックの分子構造と物性を学問的に解明する新しい方法をTEMにより開発しました。従来のX線回折による方法よりも詳細に解析する手法で、成形物の極めて小さな部分をTEM観察するとその性質までわかるというものです。遺伝子のDNAを調べればその人の性格がわかるようなものと例えたらいいかもしれません。TEMはプラスチック材料のみならず様々な先端材料の研究に不可欠な装置となっています。

透過電子顕微鏡
(地域共同研究センター)

 
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