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群馬大学工学部 材料工学科
甲本 忠史 教授 |
2.材料を構成する高分子をイメージする
プラスチック材料を構成している高分子の中で、汎用高分子といわれるポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンは、炭素原子が数千から数十万個つながった長い分子(主鎖)ですが、これらが集まって材料ができています。エチレンとプロピレンというモノマーを重合するときの仕方によって、ビニル袋、ビールびんのケース、車のバンパーなどいろいろな物ができるそうです。また、主鎖を構成する原子として炭素のほか、酸素や窒素などが入ったナイロン、ポリエステルなどは、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)といって、ポリオレフィンと異なる優れた性質をもっています。また、もっと耐熱性のあるスーパーエンジニアリングプッラスチック(スーパーエンプラ)などもあるそうです。
基礎研究はもちろん材料開発においても、繊維・フィルム・成形品の中で、ナノスケールの大きさの沢山の長い高分子がどのように存在し、配列し、また、どのような分子運動をしているかをイメージできるようになることが重要だそうです。この高分子をイメージするには、電子顕微鏡がとても良い道具になるほか、高分子の物理化学という学問は、プラスチック・ゴム等の謎解きをする上で極めて重要だとのことです。
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