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群馬大学工学部 材料工学科
甲本 忠史 教授 
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私は、東工大大学院生の頃、重合中に高分子が沈殿するような不均一系で、重合しながら分子鎖の成長する機構を解明する研究を行なうため、桐生に下宿(以前は蚕小屋だった部屋で寝袋と布団で寒さを凌ぎ、鶯の声で目覚める生活)をして、現在の同学科片貝良一教授の研究室に弟子入りしたことがあり、桐生キャンパスあっての今の私があります。その後、東工大助手を経て本学に着任し、平成4年から現職に着いております。この間、透過電子顕微鏡(TEM)を主な手段として、高分子の結晶化・構造・物性(トライボロジーと呼ばれる摩擦摩耗に関する研究、高分子材料を厚さ70nm[ナノメートル]に薄切してTEM観察、医用材料など)の幅広い研究を行なってきました。
また、群馬大学地域共同研究センター長を務めた関係もあって、地元企業をはじめ多くの企業の技術相談にも応じることが多くなりました。私が行なっている学問研究と一見、無関係な開発研究であっても、お話をお聞きすると学問的知見と研究の進め方、発想の仕方によって、全く新たな展開につながることがわかってきました。特に、どの業界でも、その業界での常識にとらわれて決まった技術からブレークスルーすることができずに多くの企業に行き詰まりが見られます。
一方、技術相談を通して、その分野の技術と動向を知ることができ、さらに、新たな学問研究を始めることもできるようになりました。何よりもご相談にお越しになられた企業の方に少しでもお役に立てれば社会へのご恩返しになると思っております。 |
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群馬大学大学院工学研究科
博士後期課程物質工学専攻2年
浅野 比 
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現在私は、工学部応用化学科分子設計化学講座第三研究室に所属しています。私達の研究室は主に環境水中の微量重金属イオンのスペシエーションなどをはじめとする環境に関する研究と、類縁金属のキレート抽出分離、マトリックス成分のスキルフリー分離システムの開発などの分離に関する研究を行なっています。私自身の研究テーマは「鉄鋼中の微量成分の分析」です。鉄鋼中の微量成分は鉄鋼の材料特性を大きく作用するため、鉄鋼中の微量成分を迅速に高感度で分析することが要求されています。そこで、迅速分析が可能な流れ分析法であるフローシステムを用い検討を行なっています。今後、鉄鋼分析に限らず、より簡便で、スキルフリーな分析システムの開発を行ないたいと考えています。 |
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