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群馬大学




群馬大学 医学部 薬理学教室 講師 田中 恒夫


 
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1. 体内のエネルギー通貨ATP、GTP
2. エネルギーの使い手ATPase、GTPase
3. 従来のATPase、GTPase活用測定法とその問題点
4. 測定の原理 
5. 測定の実際
6. 測定法の検証
7. 今後の改良点と展望
 


4.測定の原理

 分子はその構造によって、ある波長領域の光を吸収するという性質(吸光)を持っています。ATP、GTPを構成するアデニン、グアニンは窒素と炭素が環状に並んだ構造を取り、250-260nm波長領域に大きな吸収帯を持っています。この吸収帯は、ADP、GDPに分解された後も変化しません。吸光の大きさは分子数に比例することがわかっていますので、溶液中のATP(またはADP、GTP、GDP)の濃度は吸光の強さで測定することができます。そこで私たちは、反応溶液中のATP(GTP)とADP(GDP)を分離できれば、あとは吸光の大きさによってその量を測定できるということに気づきました。

 溶液中のATP(GTP)やADP(GDP)といった小さな分子の分離は、分子内の電荷の強さや水への溶け安さ(疎水性)の違いによって分けるのが一般的です。疎水性の違いを利用した分離法の一つ、逆相カラムという方法でATP(GTP)とADP(GDP)が分離出来る事が確認できたので、この方法を推し進めることにしました。
 
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