研究紹介トップへ

群馬大学




群馬大学工学部 生物化学工学科 助教授 大嶋 孝之


 
当研究トップへ
1. はじめに
2. オゾンとは
3. オゾン氷の特性
4. オゾン氷の利用 
5. まとめ
 


4.オゾン氷の利用

  オゾン氷を鮮魚の保存・流通時の氷の代わりに使用することはすでに行われています。そこで私たちは家庭用製氷皿で作ったオゾン氷( 4 〜 6 ppm)100gを100mlの水に溶かして作った冷オゾン水で野菜の鮮度維持に用いることができないかを検討しました。モヤシ、カットレタス、ざく切りキャベツを毎日洗浄し、水道水で同様に洗浄した場合と比較しました。図5にはモヤシの10日目の結果を示しています。3日目位まで水道水と冷オゾン水とでは大きな違いは見られませんでしたが、肉眼では明らかに冷オゾン水の方がみずみずしさ、白さが観察できました。さらに5日以上経つと水道水の方がかなり茶色くなってしまっているのに対し、冷オゾン水はまだみずみずしく、新鮮さが保たれていました。また10日間経つと水道水で洗浄したモヤシは一部腐って異臭がするようになってしまいましたが、冷オゾン水は少し茶色くなってき始めた状態で、まだ白さが残っていた。この結果よりモヤシについては水道水よりもオゾン水で洗ったほうが新鮮さが維持できると考えられます。

図5 モヤシを水道水と冷オゾンで洗浄した時の変化(10日後)