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群馬大学




群馬大学工学部 機械システム工学科    教 授   白井  紘行
 助教授  田部井 勝稲
 助 手  舩津  賢人
 技 官  高草木 文雄


 
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1. はじめに 
2. 有色炎発生用液化ガス燃料とは?
3. 有色炎用液化ガス燃料の問題点
4. 安定的持続燃焼への試み
(1)ノズル及び専用バーナーの開発
(2)発色性の最適化
(3)燃料供給システムの開発
(4)有色炎用液化ガス燃料を用いた「かがり火」の開発
5. 今後の課題
6. おわりに
 


1.はじめに

 「何か新しい高温度計測法はないだろうか?」。ことの発端は、そんなひと言から始まりました。私達の研究室では、以前より高温プラズマや高温燃焼ガスの温度計測技術に関する研究を行ってきました。高温度計測法には種々の方法があります。高温度の気体からは強い光が放射されますが、それを計測して温度を導き出す方法があります。私達の研究室においては、この計測法により温度を測定してきました。

 そんな折、「群馬県桐生市内で面白い火炎を作る会社がある」との新聞記事を見て、早速、その会社に連絡、見学させてもらいました。そこでは、ガス燃料中に金属塩を均一に混入させ、燃焼させることにより、いろいろな鮮やかな色を持つ火炎を作っていました。これを少し難しく言うと、「炎色反応により有色炎を発生させる」となります。

 その会社では、この面白い火炎を携帯用ポケットライターへ応用することを考えていました。私達はその発想を高温計測技術に応用できないものかと考えました。一般に、有色炎の色は金属原子から放出される支配的スペクトル線の波長に依存します。そのスペクトル線の形状や強度は、光を放射する物質の温度と密接な関係にありますので、その測定により温度計測を行うことが可能になります。したがって、この炎色反応を高温度中で生じさせ、そのスペクトル線を測定すれば、温度がより簡単に求められるのではないか、という発想がすべての出発点でした。

 炎色反応により高輝度の有色炎を発生させる液化ガス燃料を開発した会社は、主に屋外広告業を手がけ、桐生市に本社と工場を持つ株式会社 吉美(代表取締役・吉澤裕)です。当初は高温度計測技術への応用研究を行う予定でした。しかし、話を進めて行くにつれ、現状での有色炎用ガス燃料の持つ問題点が話題の中心になり、まずその問題点を改善しようということになり、共同研究を進めました。ここでは、その内容について簡単に紹介します。

 
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