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群馬大学大学/赤石金属工業株式会社



群馬大学工学部  機械システム工学科 教授   小保方 富 夫
群馬大学大学院 工学研究科 生産工学専攻1年   新 井 幹 彦
赤石金属工業株式会社 代表取締役   赤 石 尚 志
赤石金属工業株式会社 専務取締役   赤 石 充 聰


 
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1. はじめに
2. P-Q線図
3. 実験装置
4. 数値シミュレーション
5. 計算結果と実験結果
5-1 ベルマウスなしの場合
5-2 ベルマウスありの場合 
6. まとめ
7. 今後の予定
 


5-2.ベルマウスありの場合

 ベルマウスを取り付けた本来のファン運転状態における数値計算を行った。使用したプロペラファンと真円及び楕円ベルマウスを図8と図9に示す。このファンは直径179mmで高さが61mmである。真円のベルマウスは空気流入側が直径198mm、空気流出側が直径186mmのもので高さが6mmである。楕円ベルマウスは空気流入側の長径が199mm、短径が185mm、空気流出側の長径が187mm、短径が185mmで高さは10mmである。

図8 ベルマウス使用時のファン

図9 真円と楕円ベルマウス

 計算に使用した計算領域と計算格子を図10に示す。

図10 ベルマウス使用時の
計算領域と計算格子


 図10のファン近傍の流速分布と圧力分布を示したものが図11と図12である。両図において流量は等しく2.49m3/minである。空気は左から右へ流れている。真円と楕円の流速分布を比べてみると空気流入側のファン前方の上下にできる渦に違いがみられ、楕円ベルマウスの方が、やや渦が大きくできるようである。

図11 ベルマウス使用時の
三次元ベクトル流速分布
図12 ベルマウス使用時の
大気圧との相対圧力分布

 圧力分布では空気流出側において、楕円ベルマウス使用時に、ファン直後の圧力が少し高くなっている。また、図13にP-Q特性の実験値と計算値を示す。実験結果は真円ベルマウスと楕円ベルマウスに違いがあり、小流量側で楕円ベルマウスが高い性能を示している。計算結果はそれぞれ1点のみが示されており、両条件の計算結果は、ほぼ重なっているが、楕円ベルマウスの方が、わずかに静圧が大きく示されている。

図13 ベルマウス使用時のP-Q線図

 
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