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足利工業大学/群馬県繊維工業試験場/
佐藤株式会社/有限会社ケミープランニング/
福希株式会社/有限会社古河産業



足利工業大学 客員研究員  群馬大学名誉教授   大澤 善次郎
群馬県繊維工業試験場 主任研究員   上石   洋一
佐藤株式会社   佐藤   和彦
有限会社ケミープランニング   鈴木   賢治
福希株式会社   深沢   秀明
有限会社古河産業   古川   正二


 
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1. はじめに 
2. 素材の選択
3. 織物組織
4. フィールド試験
5. 施工実績
 


1.はじめに

 建設現場の法面補強や災害現場斜面補強には、コンクリートでその箇所を覆ってしまう工法が古くから行われております。最近では、環境に配慮して、緑の回復という立場から、種子を混入した土砂を吹き付ける工法や植生マットを用いる工法が採用されています。しかしながら、前者では雨水等の影響によって種子が斜面下部に流出し、時間の経過とともに斜面上部の植物が失われてしまうことがあります。また、後者では植生マット素材がポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維であることから、分解することなく現場に残り、新たな環境問題を引き起こしかねません。さらに、草類の生育は可能であるものの、木本類の生育は不可能でした。

 従来の植生マットは、施工性や耐久性等から建設業主体の製品開発でした。しかしながら、桐生地区には永年に亘って培われた織物技術があります。この技術を活かし、大学の持つ知識を融合することによって、新しい性能を備えた植生マットを開発することができました。

 生分解繊維を用いる織物を作り、草類だけではなく木本類の生育も可能な生分解性植生マットを開発しようと、この共同研究が立ち上がりました。

 共同研究チームの構成としては理想的な形を取ることができました。つまり、織物の原料である糸の性質に詳しい佐藤(糸屋)、織物製造技術のノウハウを蓄積している深沢(機屋)、幅広く繊維産業を知る鈴木(製品製造販売)、高分子劣化について造詣の深い大澤名誉教授、繊維物性研究や産学官共同研究を行っている上石と、文字通り産学官共同研究体制を構築することができました。メンバーのうち一人でも欠けると共同研究成果は得られなかったと思います。ここでは、研究の概要を紹介します

 
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