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小倉クラッチ株式会社/群馬大学



小倉クラッチ株式会社  取締役
  技術本部技術一部    部 長   蓼 沼 愛一郎
群馬大学工学部 材料工学科  教 授  甲 本 忠 史
群馬大学工学部 機械システム工学科  助教授  久米原 宏 之


 
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1. はじめに
2. 目標設定
3. 摩擦材料の調査および解析
4. サンプルの製作および評価 
5. まとめ


4.サンプルの製作および評価

 分析結果に基づいて各種の構成成分と配合率を設定した2種類の摩擦材料の作製および加工を行い、サンプルの性能のひとつであるトライボロジー的挙動を検討するために、図1に示されるリングオンタイプの摩擦摩耗試験試験による評価を行った。

図1 リングオン型試験装置の概要

 図2および図3にそれぞれ摩擦特性と摩擦面の観察結果の例を示す。実験および検討した結果から動摩擦係数に関してはサンプルA、Bともにある程度目標値の0.5以上に近いものが得られ、摩耗に関しては詳細に観測したところ、今後の開発に向けての対策課題を見出すことができた。

図2 SEMによる摩擦板表面の観察

図3 動摩擦特性の測定例

 さらに、研究の当初はサンプル製作を外注に依頼して行っていた。その後、種々の成分割合を変更したサンプルの特性把握を行う上で少量且つ多数製作しなければならないことと実験を速やかに進行しなければならない状況から、外注依頼方式を変更せざるをえなくなった。そこで、摩擦材サンプルの製作を社内で行うこととした。多くの製作条件で製作した結果を検討したところ、従来のものより強度及び寸法精度の高いサンプル製作条件を把握することができ、設計の基礎資料として有益な知見が得られた。

 
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