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小倉クラッチ株式会社/群馬大学



小倉クラッチ株式会社  取締役
  技術本部技術一部    部 長   蓼 沼 愛一郎
群馬大学工学部 材料工学科  教 授  甲 本 忠 史
群馬大学工学部 機械システム工学科  助教授  久米原 宏 之


 
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1. はじめに 
2. 目標設定
3. 摩擦材料の調査および解析
4. サンプルの製作および評価
5. まとめ


1.はじめに

 クラッチおよびブレーキは動力伝達または制動するための機械要素であり、各産業界での用途に応じて、その構造・機能・材質が異なることから多種類のものが開発されており、それらの使用は広範囲にわたっている。

 摩擦クラッチ・ブレーキは摩擦材を介する接触面間で運動エネルギーを熱エネルギーに変換しながら動力伝達・制動の機能を果たすものである。したがって、クラッチフェーシングまたはブレーキライニングの接触面では機械的・熱的に厳しい条件下に置かれていることになる。

そこで、過酷な条件下での摩擦特性が安定して信頼性の高い摩擦クラッチ・ブレーキの開発が要求されているなかで、本研究は乾式電磁クラッチ・ブレーキの性能改善を行うためにクラッチ・ブレーキの摩擦材について注目し、従来には見られない性能が得られるような摩擦材を開発することを目的とする。

さらに、摩擦材として優れていたアスベスト(石綿)が1972年の国際ガン研究機構の医学シンポジウムで使用が禁止されるようになって以来、優れたノンアスベスト系有機系摩擦材の開発が必須となり、アスベスト代替繊維の中で高機能な摩擦材を開発することも不可欠な課題のひとつとなっている。

 そこで、各使用条件に最適なクラッチ・ブレーキを設計するための指針を確立することを目標として、本研究ではその第一段階として摩擦材の基本特性・問題点を基礎的に把握し、製造工程での問題を発掘して次のステップへの課題を見出すこととする。

 
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