11号〜20号 |
11号 善意の輪・信頼の輪 | |
先日、クルマで何気なくエフエム群馬を聞いていました。 小さな子を持つ女性の方がインタビューに答えて『…阪神淡路大震災の惨状を見て、私同様の子育て中の被災者の方に何かしてあげられないだろうか、と何度も神戸市役所にダイヤルし、オムツやミルクが不足していることを知りました。なんとか役に立ちたい一心で友人達に電話をかけまくり、その友人達がまたその友人に電話をして-わずか一時間後、何と100人近い人達から80万円近いお金が集まることが分かりました。友達の友達、見ず知らぬ人達からの善意も集まり、段ボール70個分もの物資を神戸に送ることができました。その時、人の力ってすごい、人のつながりってすごいと思いました-』そのことがきっかけで、ネットワーク作りをしようと思い、『ピュアウイング』という群馬県女性情報誌を創刊したそうです。番組の最後でその女性が大間々の方と知り、一層うれしくなりました。 この雑誌は、さくらもーるブックザウルスさん、七丁目和音さん、文真堂さん、ファミリーブックさんでも販売中です。 |
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12号 白いチューリップ | |
先日、茨城県の友人からの手紙で、とても心温まるいい話を聞きました。 『花屋さんに小学生くらいの男の子が、小さな女の子の手を引いてやってきました。小さくたたんだ千円札を取り出して、「これでお花作って下さい。」 店員さんが「誰かにプレゼント?」と聞くと、恥ずかしそうに「お母さんに」と答えました。 店員さんが赤とピンクのチューリップを何本か手に取ると、「ダメだよ。死んじゃったから白い花なんだ。」 店員さんは暫く黙ってしまいましたが、ウンウンとうなずくと、今度は白いチューリップを取り出しました。それも店にあった20本近いチューリップを全部。丁寧にラッピングし、大きな真っ白なリボンをかけて二人に手渡しました。それも百円ずつのおつりと一緒に・・・。 不思議そうな顔で、でもしっかりと「ありがとう」と言ってお店を出て行く二人の小さな体から、はみ出る大きな花束に思わず涙ぐんでしまいました』・・・ 手紙を読んで私も感激でした。そしてその花屋さんの店員さんの心配りや、やさしさを見習いたいとも思いました。 |
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13号 学生服の第二ボタン | |
子供達がお世話になった学校の先生方の中にはとても情熱あふれる素晴らしい方がたくさんいます。I先生もそんな素晴らしい先生のひとりです。中学校で教員をしていた頃、いつも問題を起こす男子生徒と真正面から関わり続けた話を聞きました。 「私は女だから腕力ではかなわなかったけれど妥協はしませんでした。ここで妥協したらこの子はダメになると思って。真正面からぶつかりました。」身の危険を感じたことまであったそうです。「でもほんとうに真剣に関わると必ず相手にもこちらの思いが伝わるものなのです。」I先生の宝物は卒業式にある生徒からもらった学生服の第二ボタン。(男子生徒はよく卒業式で一番大切な人に第二ボタンを贈りました) 今でも大切に机の引き出しに入っているそうです。I先生と生徒たちとの深い結びつきが目に見えるようでした。 「子供は未来からの留学生」と言った先生がいました。I先生と出会った未来からの留学生達は今、きっと立派な社会人になっていると思います。 |
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14号 一年遅れの成人式 | |
結婚式の披露宴では、友人代表のスピーチが楽しみです。主役の知られざる一面が垣間見られるからでしようか。 近所のN君の結婚披露宴はシンプルで好感のもてる披露宴でした。そして、N君の友人であるA君のスピーチはとても感動的でした。 『僕は小さい時体が弱く、皆より1年遅れて小学校に入学しました。それ以来ずっとN君と同級生として付き合ってきました。・・・20歳になって成人式を迎えましたが、1年遅れて学校に入った僕には同じ年の友人はいなくて、成人式にも参加しませんでした。それを知ったN君は、役場やいろいろな人達にお願いして回って、とうとう僕を翌年の成人式に参加できるようにしてくれたのです。年下のN君を頼もしい先輩のように思えました。…』 聞いていてN君のこころの優しさと行動力に感心し、また二人の友情を羨ましく思いました。親族席のテーブルの上で結婚式を観ていたお祖父さん、お祖母さんの写真も喜んでいるようでした。 N君ご夫妻お幸せに・・・そして、素晴らしい親友を持っているA君に乾杯! |
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15号 散髪ボランティア | |
大間々町桐原で奥様と理容店を営むKさんは、地域の様々な活動やボランティア活動に積極的に参加されています。そんなKさんが十年以上も人に知られることなくコツコツと続けてきていることがあります。それは毎月一回、新里村の『光の園』という福祉施設での散髪の無料奉仕…。月に一度、午前中の二時間、一人十五分、八人の頭を刈ってあげる。 Kさんはご自分でそう決めてやり続けているそうです。計算してみると延べ千人以上にもなるのですね。まさに積小為大です。 『カミソリやハサミを使う仕事ですから、初めは大変でした。施設の先生方の方がかえって心配してくれて…。でも、今では気心も知れて椅子に座るとじっとしていてくれます。普段落ち着きがなくチョロチョロしているひとがリラックスしてチョコッと首を曲げて静かに座っていてくれると嬉しくなっちゃいますよ…』と語るKさん。ハサミを握るKさんの暖かい手の感触が肌に伝わってくるようないい話でした。大間々にはこんな素晴らしい人がたくさんいます。 |
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16号 一杯のジュース | |
先日、四国高松の友人から電話があり、「こちらの新聞の読者欄にいい話が載ったのでFAXする」とのこと。間もなく届いたFAXを読んで感動しました。ご紹介します。 『明石市室田治 (無職67歳) |
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17号 クリスマス・リース | |
大間々町厚生会館で、あるクリスマス会が開かれました。 「参加費300円、おにぎり持参のこと」というのがいつもの決まりです。決して豪華なクリスマス会ではありませんが、心あたたまる楽しい会です。 5回目を迎えるこの会を夏からずっと楽しみにしていました。というのは、7月からこのクリスマス会の為に久人くんとチーちゃんが手作りのクリスマスリースを作りつづけ、参加者全員にプレゼントしてくれることになっていたからです。 不自由な体で、台紙に様々な形のマカロニをひとつひとつ丁寧にボンドで張り付け、金のスプレーを吹き付け、赤いリボンに、みどりのヒイラギの葉を付けて行きます。ゆっくりとした指先の動きを見ていると思わず『がんばって』と叫びたくなってしまいました。車椅子のチーちゃんと久人くんの手から参加者ひとりひとりに、思いのこもったメッセージとクリスマスリースを手渡す光景は感動的でした。近い将来、社会人となる二人のために今度は、私たちがよい一環境一をプレゼントしてあげなければと思いました。 |
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18号 一日一生・日々元旦 | |
『虹の架橋』は新聞折り込みの他に親しい方にも送っています。 高崎の小学校の、内堀一夫先生もそのひとり。内堀先生は25年間、毎日学級新聞を作り続けているという偉大な先生。1月号で星野物産の星野精助会長の座右の銘『一日一生、日日元旦』に感銘を受けた内堀先生は早速、6年2組の子供たちにこの言葉を書き初めで書かせ、感想も書かせました。 『ゆっくりと丁寧に書きなさい。仕上がったら部屋のどこかに貼りなさい。そして心が疲れた時や怠けたい気分になった時、自分の書をじっと見つめなさい。必ず気力がでてきますよ・・・』子供たちにそう教えたそうです。 たくさんの書き初めと感想文のコピーが私と星野会長の元に届きました。 感想文には『自分も一日を元旦のよう大切に生きてゆきます。人のためになる事をします』また、『私は面倒なことはなんでも後回しにしていました。でも、星野さんのこの言葉を読んで、内堀先生に意味を聞いて自分が恥ずかしくなり今年の目標をこの言葉にしました』等々。内堀先生と子供たちから大切な事をたくさん教えられました。 |
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19号 満足を保障する | |
全国に百店舗以上の時計専門店を経営している大野禄一郎さんという方がいます。大野さんのお店のモットーは『お客様のご満足を保証致します』ということ。当たり前のことのようですが、それを忠実に実行している話を先日聞かせて戴きました。大野さんのところに部下からこんな報告が届きました。『スキー用の時計を予約していたお客さんが商品を取りに来ました。何の手違いか商品は入荷しておらず、湯沢にスキーに行くお客様は怒って帰ってしまいました。他の店に問い合わせたところ二時間離れた店にありました。店長は早速その時計を取りに行き翌朝の一番の新幹線で越後湯沢まで行きホテルにいたお客様にお届けしました』大野社長は 『それでお客様はどうした?』と部下に聞きました。『ハイ、びっくりしていましたが、喜んでくれました』…七千二百円の時計を売るために往復四時間のガソリン代と二万八千円の電車代を使ってお客様のご満足を保証した部下の行動に大野さんも満足されたようです。大野さんからは大切なことをたくさん教えられます。 |
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20号 熱意と感動があれば… | |
「地域文化の振興とまちづくり」という講演会がありました。講師は「ながめ黒子の会」の黒子頭(会長)椎名祐司さん。椎名さんは「ながめ黒子の会」と染め抜かれたお馴染みの黄色いはっぴ姿で壇上に上がり、街づくりへの熱い思いを話してくれました。 「21世紀を担う子供たちのために素晴らしい大間々を残してやりたい」そんな思いが周囲の人達の共感を呼び、黒子の会の素晴らしいネットワークができているそうです。ある時、椎名さんはTBSラジオの永六輔さんに手紙でながめ余興場のことや黒子の会の活動を知らせ、予算はないが是非是非大間々へ来てほしいとお願いしました。暫くして届いた永六輔さんからのハガキには一言「3月22日なんとかなりそうです」椎名さんは飛び上がるほど嬉しかったそうです。予想通り永六輔さんのトークショーは大盛況でした。 「成功の法則」(江口克彦著)という本に「熱意を持てば成功する、感動を与えられれば成功する」と書いてありました。21世紀、大間々はさらに素晴らしい町になります。 |