その昔、X68000というマシンがあった。開発もとは勿論 SHARP である。マルチメディアという機能が流行り始めた時代、X68000はすでに標準で行っていたという代物だ。X1はこいつの1世代前のマシンに相当する。「パソコンテレビX1」という売り文句で、テレビ映像とコンピュータ画面の合成ができるスーパーインポーズ機能などは当時としては画期的な機能であった。
形名 | CZ-822C |
CPU | Z80A(4MHz) |
RAM | 64KB |
グラフィク表示 | 640×200(カラー8色) |
FDD | 両面倍密度5.25インチ×2基 |
サウンド出力 | 8オクターブ3重和音 |
プリンタインターフェイス | セントロニクス社に準拠 |
8ビットパラレル | |
専用カセットインターフェイス | 専用データレコーダーCR-8RL1用 |
ジョイスティックインターフェイス | アタり社仕様に準拠,2個使用可能 |
拡張I/Oポート | 本体内に2ポート内蔵 |
時計機能 | 内蔵 |
外形寸法 | 幅33.0cm,奥行30.0cm,高さ13.5cm |
重量 | 8.0kg |
X1 には HuBasic という処理系が付属している。これがまた極めて高機能で、Sound、Graphcesなどのマルチメディア機能への対応が充実している。
ちなみに Hu Basic はハドソンの製品であるため Hu Basic という。
Soundでは、PSG音源が標準搭載されているが、これを操作するためのステートメントが強力であり、BGMなどのメロディ、リズムの作成、効果音などのノイズの作成が容易に行える。
PSG音源の質自体はFM音源にかなわないが、作り方次第では、下手なFMよりもよっぽど質の良い音を発することができる。
現在では、携帯電話ですらFM音源が搭載されているが、当時FM音源は非常に高価なもので、凡人には手の出せない代物であった。
Graphces では、PCGという機能が備わっており、キャラクタのスプライトなどを、テキストを操る要領で簡単に行える。
多くのの処理系では、このようなスプライトをさせたい場合、背景とキャラクタの重ね合わせなど、複雑な論理演算が必要ななるが、それをまったく意識するところが無い。
また、キャラクタを作成するためのツールも付属しているので、別途ツールを用意する必要も無い。
手動でキャラクタデータを作る場合、方眼紙などにキャラクターのパターンデータを描き、それを16進数化するという手順は、どの処理系にも共通する事であるが、手動では手間がかかるので、ツール等を利用するのが一般的である。