ツール・ド・草津 完走記 (後編)
3.殺生コースのゴール地点
11kmコースである殺生コースのゴールが右に見えてきました。昨日、コースの下見に来たとき、ここまでは来ました。しかし、これより上はゲートが閉められており、ここより先には上れませんでした。「ここで三分の一ですよ」、と係員の人が教えてくれました。ここからは未知のコースです。
気温はかなり寒いにも関わらず、背中は汗でびっしょりです。スタート前のアナウンスで、「頂上の気温は1度です」と言っているのを思い出しました。ヘルメットの間から汗がしたたり落ちます。その落ちた汗がスポーツサングラスの内面に落ち、その汗でもって視界がゆがみます。残りは7kmです。先週の葛生原人マラソン10kmの3km地点を思い出しました。ゴールまで同じく7kmです。あの時も息が苦しかった、でもそのまま走り切れたのですから、今回も休まずにゴールできるはずだと思いました。あの時は50分を切れましたから時速は12km以上で走った訳です。しかし今日は自転車にも関わらず、時速8kmから11kmくらいで、走るのよりもずっと遅いスピードです。 両足の筋肉がつっぱってきました。どうも疲労による乳酸の蓄積で弾力がなくなってきたようです。なるべくコーナーを大回りして、走る距離が少しぐらい長くなっても勾配が少ないコースを選びました。
4.アコーディオン演奏
給水所がありました。もらうとあの甘ったるいエネルゲンです。ランなら、甘ったるくていやになる処でしょうが、BIKEでしかも疲れていましたから、その甘さが美味しく感じられました。水筒の水はほとんど飲んでいません。 第2回目の給水所も同じくエネルゲンでした。その直ぐ近くでアコーディオンで″鉄腕アトム″を演奏してくれています。選手を励ますためにやっているのでしょうが、とても疲れていたので、「うるさいなぁ」としか感じません。
一人、道の端の残雪のそばに座り込んでいる人に会いました。その人はほとんど放心状態でした。力を使い果たしたのでしょう。もうとっくに森林限界を過ぎており、見下ろすと何人もが上ってくるのが良く見えます。また、上を見てもまだまだつづら折りの道が続き、そこを上って行く人も見えます。
このコースはほとんどが連続した上りでしたが、たった一ヶ所だけ平らな部分がありました。そこでギアチェンジをして、後ろを小さなギアにしました。それまでは、ほとんど一番軽いギアで走っていたのです。今回はいつものロードではなく、よりギアを軽くできるスポルティーフにしました。やはり、この自転車にして良かったと思います。
5.あと3km、そしてゴール
「あと3km」との標識がありました。このまま行けば最初の目標(一歩も歩かずに完走する)は達成できそうです。時間は既に1時間16分が過ぎていました。「もうそんなに長く走っているのか」と思い、時間的感覚がランと違うな、と感じました。前橋さんはもうゴールしているでしょうか。「あと2km」の標識、再び先週のマラソン大会が思い出されます。先週のマラソン大会もあと2kmの時が辛かった。
ついに最後の標識「あと1km」が見えました。ここでラストスパートしてもしかたがないので、いままでと同じスピードで走り続けます。
ゴールが見えてきました。そこはほとんど勾配がない所だったので、後ろから抜かされたくないと思いスピードを上げてのゴールです。記録は私のスピードメーターで、距離:17.82km(公称18km)、タイム:1時間35分40秒(正式タイム)、平均時速:11.18km(デモコース5kmを含む)でした。
追記
来年は、今回の標高差800mの1.5倍、標高差1200mを上る「ツール・ド・八ヶ岳」に、ぜひ出場したいと思っています。
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