「点字ペンで学校案内を作る」
篠 崎 孝 一


全発問・全指示
 
 

【点字の「あいうえお」を確認する】

【発問1】これは何と書いてあるでしょうか。○○さん。

(一人ずつ答え終わったら)

【指示】全員で言いましょう。

《点字の『あいうえお』を書いた5枚の紙(B4)を用意しておく。》
   あ        い        う        え        お

 
 
●−
−−
−−
 
 
 
●−
●−
−−
 
 
 
●●
−−
−−
 
 
 
●●
●−
−−
 
 
 
−●
●−
−−

・授業開始と同時に、フラッシュカード(あいうえお)を一枚ずつめくっていく。

【点字があった方がよいか考える】

【発問2】点字はどんな場所にありますか。ズバリワークシートの@に書きなさい。
【発問3】では目の不自由な人にとって、点字はどんな場所にあったら便利ですか。
     ワークシートのAに思いつくだけたくさん書きなさい。

・発表させた後、次のように話をする。

【説明】点字がみんなが発表してくれたようにいろいろな場所にあると、目の不自由な人たち
     にとってはたいへん役立ちます。

【学校ではどんな場所に点字があると便利か考える】

【発問4】この学校は、目の不自由な人にとって過ごしやすい学校ですか、過ごしにくい学校
      ですか。ズバリワークシートのBに書きなさい。
【発問5】学校で点字が必要だとすればそれはどんな場所ですか。ワークシートのCにズバリ
      書きなさい。


【点字ペンを使って実際に案内板を書く】

【指示】自分で書く案内板の言葉を、五十音表で調べなさい。調べたら、鉛筆でシートの上に
     印を付けなさい。

・書けたら、隣の人と交換して読みあう。

【指示】今書いた案内板の文字の上に、点字ペンでインクを出しなさい。早くできた人は他の
    案内板も作りなさい。

※作業をさせる前にすること※  
@間違えたら綿棒で拭き取るように指示し、綿棒を用意しておく。
A早く書き終わった子には、2つめ、3つめも作ってよいことを知らせておく。
Bできあがった物は、乾くまで触らないことも知らせておく。

【点字ペンが乾く間、感想を書く】

【指示】今日勉強したことの中で、自分が分かったこと・気づいたこと・思ったことをいくつでも      良いから書きなさい。

・書きあがった児童から持ってこさせ、○をつける。
 (1)時間があれば・・・・・・・何人かの児童を指名し、発表させる。
 (2)時間が少ない場合・・・○をもらった児童は、前で読んでから席に戻る。
・授業の最後に、「今作った点字のシートが完成したら、校舎内に貼りに行きます。」と言って授業を終える。

論文全文 子供の感想 追試・修正論文など

※参考文献※ ○JVE教育 実践報告集 深川の会「ぼくたちわたしたちにもできるボランティア活動」
                                       宮内有加
      ○JVE教育27号 「子どもが楽しんで取り組む学習点字ペンの授業」
                                  白石周二                                        























◇以下、授業を受けた子どもの感想である。
  「目の不自由な人は、東小の中でとってもこまるということが分かった。目の不自由な人のために、いっぱ
い点字をはってあげたいと思った。」

 
 「わたしは、目の不自由な人がどんなところに点字があったらいいか考えると、いろんなところにあればい
いと思った。だって何がどこにあるか分からないからだ。今日作ったシールを学校にはった方がいいと思う」


 「点字が必要なところはたくさんあるんだと分かった。点字がないとけがしそうな所もある。(階段など)
点字がないところをなくして、目が見えない人のために役立てたいと思った。」

 
「点字はある場所よりない場所の方が多い。だから自分で点字を作っていろいろな場所にはった方がいい。
学校にもトイレ、かいだんとかいう点字をはりたい。」


 「中野東小学校は目の見えない人はとてもすみごこちがわるいとこだとわかった。点字はない所の方が多い
ことに気づいた。点字はいろいろな所に必要だなとぼくは思った。」
 

◆この授業は1ユニット(3時間)の中の3時間目である。
   1時間目は、目の不自由な人への介助の仕方を学び、アイマスクの体験をする。
   2時間目は、ゲーム形式で点字のシステムを知り、点字ペンで自分の名前を練習する。
   そして3時間目に、それらをふまえて、学校という自分たちにとって身近な場所で、点字を役立てるには
  どうすればよいかを学習する。
   この3時間で、「アイマスクから点字の授業」1ユニットとする。