手話の授業へ 第2時

篠崎孝一


全発問・全指示

【沈黙の先生】       

◆だまって教室に入る。一言もしゃべらない。
 子どもたちが静かになったところで板書する。

【板書】生まれつきの障害や、耳の病気などで言葉を話すことができない人もいます。耳が聞こえないと言葉も話せな
     いのです。
                   〈耳が聞こえない=言葉を話せない〉
    みなさん、そういう人に出会ったときどうしたら気持ちを伝えることができるでしょう。今から配る紙に書きなさい。

◆3分ほど書かせる。書けた子に黒板に書いてもらう。その際も黙って肩をたたくだけにする。
◆次のように板書する。       

・口の動きで教える。       ・指を使って教える。    → 手話
・体を動かして教える。      ・紙に文字を書いて教える。 → 筆談

【何を表していますか】

◆ここからは話すことにする。

【指示】今日は、この手話について勉強する事にします。これから先生のすることを見て、何のことか紙に書きなさい。
     6問出します。

◆@バナナAかにBカメラCオートバイD山Eねこの順に出題した。

【手話について】

【発問】ここで1つ考えて下さい。言葉を話すことのできない人たちは今のような手話を使って気持ちを伝えるのです。
    でも、町に出かけたときなどとても困ることがあります。どんなことでしょう。


【説明】言葉を話すことができない人たちは、手話で気持ちを伝えようとします。でも手話を知らない人には、何のこと
     か分かりません。困っていても助けを呼べないのです。「変なジェスチャーをする人だなあ」と思われるかもし
     れません。また、紙に書いて伝えるにしても、「知らない人にサインをねだる変な人」と思われてしまうかもしれ
     ません。
     そこでみなさんにお願いです。
     言葉を出さずにジェスチャーをしている人を見たら、変な人だなあと思う前に、「この人は話せないのかもしれ
     ない。何かしてほしいことがあるのかな。」と思ってほしいのです。
【説明】そんな時どうしたらよいでしょう。
    みなさんに知っておいてほしい手話が一つあります。

◆「どうしました」という手話を教える。

【指示】いまのは「どうですか(どうしました?)」という意味の手話です。心配そうな顔でこう問いかけて紙と鉛筆をだせ
     ば、答えてくれると思います。
     何で困っているのか分かれば、近くの大人を呼んだり、警察に案内したりできますね。この最初の問いかけが
     できることが大切なのです。
     では、一度練習してみましょう。

◆全員で練習して授業を終えた。  

※追試※ ジュニア・ボランティア・テキスト「手話を教える授業プラン(入門編)」P57

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