「障害者に対する見方を考える」
第3時〜五体不満足〜
篠 崎 孝 一


                  

論文全文
【発問1】ここにでてきた人はどんな人だと思いますか。
解説とポイント
 【発問1】

・授業開始と同時に資料の@の部分を読む。そして子どもたちに問う。
《足の不自由な人。車椅子に乗っている人。・・など、足が不自由だと言うことは分かる。》

【発問2】あなたが道を歩いていると、向こうから車椅子に乗った人がやってきますよく見ると、
      その人は両腕と両足がありません。
      あなたはその時、どのように思いますか。プリントに書きなさい。
解説とポイント
  【発問2】

・ここは時間をかけずにテンポよく書かせる。思ったことなら何でもよい。
・書き終わったら、全員発表させる。(無指名or列指名)
     
《ここではおおむね、かわいそう・大変そう・どうして両方無いんだろう・・・等の意見が出されるはずである。
 これらは全て認める。》

【発問3】いろいろな意見が出されましたが、あなたの考えは次の3つのうちのどれに近いで
      すか。番号に手をあげなさい。

@かわいそうだ       Aたいへんだな       Bがんばっているな

解説とポイント
 【発問3】

・挙手で人数を確認する。
・あまり深く考えさせずに、パッとうかんだ感じでよい。
《この段階では、@Aが一番多く、Bはごく少数である。》
・人数を確認した後、次の指示を出す。

【指示】今からプリントを配ります。5分間読みなさい。

・(五体不満足より抜粋した物をプリントする)読み終わった後、次の指示を出す。

【指示】これからビデオを流します。読んだことを思い出しながら見て下さい。
解説とポイント
 【指示】

・プリントを読ませる場合、学年によっては教師が読んでやる。
・ビデオは、TV東京のニュース内で放送された物を録画し使用。
《「五体不満足」の著者・乙武洋匡さんの特集番組(約8分)》
・ビデオを流しているときは何もしゃべらない。(解説をしない。)
《流すだけで、友達同士で感想を言い合う。》
・ビデオを見終わった後、何も言わずに次のように問う。

【発問4】ここでもう一度質問します。あなたの考えは次の3つのうちのどれに近いですか。

@かわいそうだ       Aたいへんだな       Bがんばっているな

解説とポイント
 【発問4】

・もう一度挙手させ、人数を確認する。
《ここでは、Bが一番多くなる。@Aに挙手する子はほとんどいない。》
・最後に感想を書かせて、授業を終える。

【指示】今日勉強したことについて、自分の感想を書きなさい。

  ※参考文献 ○JVE教育28号 「共に生きるを学ぶ授業」 鈴木康一
        ○「五体不満足」  乙武洋匡(講談社)  

全発問・全指示 子供の感想 追試・修正論文など































◇子どもの感想より◇
「私は両腕両足がある。あのビデオにでてきた人は、両腕両足がありません。でも私は全部あるけど、ビデオに
でてきた人はないのに、ちゃんと学校も行っているし、字も上手に書ける。絶対ビデオにでてきた人の方がうま
い。
 私は手や足がなくても、ああやって普通の人より頑張っている人たちがいっぱいいるんだと思った。ビデオに
でてきた人は毎日を楽しく過ごしているみたいだけれど、私が手も足もなかったら、あんなに明るく頑張れる
かなと心配になった。私は手も足もあるのだから、もっと努力しようと思った。」

「両腕と両足がない人は僕は見たことがなかった。今日初めてビデオで見たら、僕と同じように生活していた。
字も書けるし、スポーツもできる。ましてや僕よりうまいかもしれない。両腕両足がない人でも、ちゃんと生活し
ているということが分かった。僕もそういう人たちを見習って、努力しなくてはいけないんだ。」