使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)で

1 立体写真って何
 人は、遠くにあるものや近くにあるものを見分けることができます。それは、人には2つの目が前を向いているからです。
見るときに、左右の目でほんのわずかに角度に差がでます。その違いで、人は、「遠いもの」「近いもの」を見分けているわけです。 


2 立体写真を撮ろう
 立体写真を撮影する方法は、はかんたんです。少し左右にズレた位置から2枚の写真を撮影すれば良いのです。実際には2台のカメラを利用して撮影する方法や、専用のステレオカメラにより撮影する方法などがあります。1台のカメラを平行移動して撮影する方法や、レンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)2台を使う方法もあります。

3 2台のカメラを使って撮影しよう
2台のカメラを使って、立体写真を撮る実際の方法を説明します。

(1) 2台のカメラを、水平に固定します。
2台のカメラは、同じものを使います。それは、左右の写真で写る範囲が違うと、見たときに上手く立体に見えないからです。簡単な方法として、レンズ付きフィルムの「写るんです」「とりっきりコニカ」などの2台ガムテープで並べて固定します。2台のカメラの距離は、被写体までの距離の1/20〜1/50が理想とされていますが、最初のうちはあまり気にすることはないと思います。撮影は、8cm〜16cmの範囲で適当でいいでしょう。この長さを変えると違った見え方になります。

(2) カメラの向きを調整します。
 被写体が左右のカメラで同じ位置に写るように、左右のカメラの向きを微調整します。これは、被写体が近い場合に、片方のカメラにしか写っていないと立体として見られないからです。ただし、遠くの被写体の場合には、2台のカメラを平行に固定しても問題ありません。

(3) 2台カメラを水平にかまえます
撮影する時には、2台のカメラが水平になるようにかまえましょう。三脚を利用するのが確実ですが、左右の手を使って平らにかまえるだけでもよいです。

(4) 2台のカメラのシャッターを同時に切ります。

2台のカメラのシャッターを同時に切って撮影します。同時にシャッターを切るには、2本の指で「せーの」でシャッターを切っても大丈夫です。

4 立体的に見よう

 立体写真の見方には、ステレオビューアで見る方法と、「平行法」や「交差法」で見る方法(立体裸眼視)があります。
見たときに写っているものが写真面(画面)に対して、引っ込んで見えるのか、飛び出して見えるのかは、カメラの向きに関係があります。下の図の様に、左右のカメラの視線の交点より手前にある虫は、見た時に写真面(画面)から飛び出して見えます。逆に交点より奥にある山は、見た時に写真面(画面)より引っ込んで見えます。ただし、いくら手前にあるものでも、その一部が画面の端からはみ出していると、上手く飛び出しては見えないようです。画面の中央にポッカリ浮かんでいるようなものは、上手く飛び出して見えるでしょう。

(1) 平行法による見方
@モニタ画面と目の間隔は、30cm〜40cm。頭を傾けないで水平にモニタ画面を見て下さい。
A右目でステレオ写真の右側の写真を、左目で左側の写真を見ます。この時、視線は遠くを見るよう な感じで見ます。
B そしてぼんやりと2枚の写真を見て下さい。2枚の写真が1枚に重なり、立体写真として見るこ とができます。
C上記の方法で、うまく立体に見えないという方は、モニタ画面と目の間に紙を入れ、右目では右側の写真しか見えなくし、左目では左側の写真しか見えない様にします。そして両目を開けて写真をぼんやり見て下さい。この時、頭が左右に傾かない様に注意して下さい。2枚の写真が1枚の立体写真として見えてくるはずなのですが、いかがでしょうか。
(2) 交差法による見方
@写真と目の間隔は、40cm〜50cm。頭を傾けないで水平に写真を見て下さい。
A 交差法では、右目で左側の写真を、左目で右側の写真を見 ます。といってもむずかしいと思いますので、まず写真と目 の中間くらいの位置に「人差し指」を立てて、じっと指先を 見て下さい。これは、中央の指先を見ることにより、視線が 「寄り目」になり、右目で左の写真、左目で右の写真を見て いる状態になります。
B「人差し指」の向こう側に、ぼんやりと3枚の写真が見えて くると思いますので、寄り目の視線を保ったまま、少しずつ 真中の写真に焦点を合わせていきます。すると、その写真が立体として見えるようになります。
交差法のサンプル画像(花や虫のアップは、双眼実体鏡に一眼レフで撮りました) 天体の立体映像
愛犬クロ 菜の花 ダンゴムシ かし祭り

5 ビューワの例

 平行法による、立体写真では、写真のようなビューワを作るとよく見えます。ただし、写真と目との距離の関係から、目の位置に虫めがねを置く必要があります。
レンズは、百円ショップで売っている焦点距離が10p〜15pぐらいの物が適します。そのとき、ビューワの高さは、レンズの焦点距離よりほんのちょっと短めにしましょう。

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