スーパーロード'96 in 四万 完走記

1996年6月30日
大川 圭吾

1.一周目(6km)

 ピストルのカシャという音でレースがスタートしました。紙火薬が不発だったのでそんな音しかしませんでした。スタート直後に左折し、約20mの登りがあります。当然、ここで離されると思っていました。ビギナークラスで、一番レベルが低いクラスとは言え、ロードレースの厳しさを知っていたからです。前回の自転車のロードレースでは、足切りに引っかかり完走さえさせてもらえませんでした。
 しかし、今回はちょっと様子が違っていました。私は「なんで皆こんなに遅いんだ」と思い、無理をすれば先頭にも立てそうでした。こんな事は七十数回の大会参加で初めての経験です。「本当にビギナーなんだな」と思い「チャンスだから、ついていける所までついて行こう」と考えました。急坂を登り終えると、比較的ゆるやかな下りです。もちろんここは先頭集団について行けました。続いて急な下り坂が続きます。サイクルコンピュータを見ると、時速59キロを指していました。ただし、サイクルコンピュータの調子が悪くそれ以上の速度は計測出来ませんでしたので、実際は時速60キロ以上は出ていたと思います。2つ目のトンネルは、内部を自家発電機付きの照明装置が10台近く設置されており、明るくなっていました。
[Image]  時速60キロのスピードで先頭集団について行くのは不安もありましたが、参加者数が比較的少なかったせいか思ったより恐怖感は感じませんでした。約3キロ走ると左折し、旧国道の四万温泉街に入って行きます。ここからは連続した登りになります。温泉街の人達の声援がとても嬉しかったです。しかし、少しずつきつく感じてきました。でも「せっかくここまできたのだから、1周(6km)まではついていきたい」と思いました。
 つづら折りの坂を登り続けると、さらにきつくなってきました。「1周まではついていく、なにがなんでもついていく」と自分に言い聞かせながらペダルを踏みましたが、限界に近くなりました。もう少しで1周と思いましたが、スタートラインまではまだかなりを残して先頭集団から離されました。ですから多分ついていけたのは5キロ地点位だと思います。ですが、私としてはここまでついていけたのは快挙です。

2.二周目(6km)

 1周のラップタイムは10分10秒でした。スタートラインまで登りでしたが、ここからもさらに最高地点まで約20mの登りが続きます。先頭集団に無理をしてついていったので、もうふらふらしながらも全力でこの坂を登りました。登りきると、づっと下り坂が続くことを知っていたからです。下り坂はただ休むだけでした。ここが自転車の良いところですね。新道を左折し、再びゴールまでの連続した登りに入ります。ここで2人に抜かれましたが、もう追いかける力は残っていませんでした。
 歯を食いしばって残りの力を出しましたが、全然スピードに乗れません。再び1人に抜かれました。1周目に頑張り過ぎた付けが一挙に来ました。最後に抜いて行った人も疲れていたせいか、そのうちに追いつきました。最後の力を振り絞ってその人を抜き返した直後にゴールが待っていました。
 ゴールタイムは22分27秒、2周目は12分17秒でなんと2周目の方が2分17秒も遅かったです。しかし、約5kmまで先頭集団について行けた事、また自分なりに全力を出し切れたので満足でした。


スーパーロード'97 in 四万

みかも新聞・目 次