サンジの消えた日 1,He disappear in the crowd ここは、とある港町の入江である。食料などの調達の為もあって今、ゴーイングメリー号はここに停泊している。 ゾロとルフィ、それにウソップは船の見張りの為に留守番である、それ以外のナミを始めとする乗組員チョッパー、 ビビは町へ買い出しへ、サンジは荷物持ちにと言った様子でナミ達に続いて出かけて行った。 何時間かたった頃、ナミとビビがキッチンにひょっこり顔を出した。 「あら?サンジ君まだ帰ってないのかしら?おかしいわね、 夕飯の仕込みがあるからって私より1時間も前に戻ったはずなのに…」 「サンジさんの事だしきっと何処かでナンパでもしているんじゃないかしら…」 ――しかし、サンジは帰らないまま時間はどんどん過ぎていく、もう有に3時間は経っているだろう―― 「サンジーっ!!!!!腹減ったぁ〜早く帰って来いよぉ〜っ」 とルフィはブーブー文句を述べている。いつもならとっくに夕飯は食べ終わっている時間である。 「しょうがないわね。探しに行くわよ!?ほらっルフィ、ゾロ起きて!!」 ナミがため息を付きつつ席から立った・・・・っと言っても当のナミは 『ビビやチョッパーと船の見張りをする』と言って船から出る事はなかった。 残りの三人、ルフィ、ゾロ、ウソップはルフィ以外は渋々といった感じだったがなんとか船から出ていった。 ゾロが街中を進んで行くと、サンジらしき人物を軽々とかつぎ、 港の有る方向へと急いでいる男とすれ違った。 「(サンジ!?)」 ゾロは来た道をその男の姿を追い走っていく。もう少し、ところが、きっちり追いついていた筈の 男の姿が急に見当たらなくなった。そう、見失ったのである。 「クソッ!!」 ゾロはそう言うと同時にその拳を何度も何度も壁に撃ちつけた。 たとえ、壁がその中を流れるもので赤く染まってとしても―― その次の日もまた次の日も、サンジが帰ってくる事は無かった・・・。 探しても、探してもサンジは一向に見つからない。 ゾロが甲板であたまを抱えているとメリー号の前を見覚えのある男が、仲間らしき男と会話をしながら通りすぎていった。 その男が誰なのか、ゾロには一発でわかった。 「(あいつは!)」 そう、数日前ゾロの追っていたあの男である。 「この前の男、良かったなあ…予想通りの高値で交渉されたし・・・」 と意味深な笑いを浮かべる。っともう一人がたまらずにほくそ笑んだ。 それを盗み聞した後、男の喉に刃を向け、二人の男をギロリと睨みながら男達に尋ねた。 「オイっ!!テメェ等、サンジは、サンジを何処へやった!?正直に言わないと、 どうなるか位は判るよな・・・?」 凄い迫力で男達を問い詰める。 「くっ・・・・な、何の事だ?俺達はそんな名前の奴知らねえぞ? な、なぁ。」 っと一人の男が仲間の男に問い詰め、もう一人の男も首を激しく縦に振った。 「・・・ほう、知らばっくれるつもりか・・・」 とゾロが男達の首に当てた物に力を込めた。一人の男の首からは鮮血が迸る 男達の顔は見る見るうちに青ざめて行く。すると、 「し、知っていることは全て言うっ!!だから許てくれっ!!」 っと一人は命乞いさえ始めた。 「始めっからそうすりゃ良いんだ・・・」 と刀を鞘に収めた。すると、今度は一人の男が首を擦りながらゾロに尋ねた。 「その何とかって奴、いやその方の特徴とかは・・・?多分俺たちが知っていたとしたらもうその兄ちゃんは・・・・」 と意味深な終わり方ではあるが・・・・ 「グルグル巻いた眉毛に、黒いスーツを着てる・・・あと、金髪で――…」 最後まで聞かないうちに男達はいったん顔を見合わせると血の気が全て引いてしまったかの様に 真っ青な顔へと変化していく。こんな暑い気候で黒スーツを着込んでいる男などそうはいない、 しかも巻いた眉毛、と言ったらもう決定したも同然である。 「あ、あの兄ちゃんのお連れの方で?」 とびくびくしながら男が再びゾロに尋ねた。 「あぁ?だったら何だってんだよ。まぁ、一応同じ船で旅をしているから仲間ってことになるが・・・・ 俺があいつの仲間だと何か都合が悪いのか?」 ゾロが聞き返すと。 「正直なところ、あの兄ちゃんは・・・・俺たちが…売り飛ばしました、それと、抵抗するものだから 少々薬を打ってそれで・・・・」 と言うと二人の男は黙り込んでしまった。 「・・・・・・?」 黙り込んだ男達を見てゾロは不思議に思い二人の顔を覗き込んだ。 すると、決心をきめたかの様に男が再び語り出した。 「あの兄ちゃんが、余りにも細身で綺麗な顔をしてたもんで・・・仲間と輸姦しました・・・」 っと言い終わると同時に男は恐怖のあまりその場に座り込んでしまった。 「ま、まわっ、まわ強姦したって・・・犯したのか?あいつを!?テメェ等・・・」 ゾロが更に鋭く睨んだ瞬間。 「ゾロ――っ!!!」 ルフィのゾロを呼ぶ声が聞こえるゾロはその自分を呼ぶ声に気付き船上を見上げる。 ルフィが自分に向かって手を振っているのが見える。 「あ?何だ?」 とゾロが応答する。ゾロはルフィの言葉には不思議にきちんと一喜一憂するのである、 やはり船長だから。なのだろうかそれとも助けてもらった恩を重んじての事、 約束を守るただそれだけの為の行為なのだろうか・・・・ 「ゾロ―!!そいつら誰だー?また弟子か?知ってる奴らか?」 甲板から覗き込むような形で再びルフィが元気良くゾロに問い掛ける。 ゾロは一瞬浮かない表情を見せたがすぐさまルフィの問いについて応えた。 「あぁ、ちょっとなこっちにも色々あって・・・・」 っと言いつつ男達に目をやった。ルフィはふ〜ん…と言った様子で小さく首を縦に振っている。 ―― ルフィが去った事を確認するとゾロは男達に向かって小さくつぶやいた。 「・・・・・あいつが知ったらお前らただじゃ済まねえからな・・・」 と言うと薄っすらと笑みを浮かべる。座り込んだまま一人が首から滴り落ちる血を拭いながら続ける。 「ゾ、ゾロって・・・か、海賊狩りの・・・三刀流のロロノア・ゾロ!?」 「海賊狩り!?そ、それにさっきの男・・・見覚えが、たしか3千万ベリーの賞金首、 麦わらの・・・・モンキー・D・ルフィ!?」 「おールフィも大分名が売れたもんだなぁ、まぁ3千万ベリーの賞金首だしな・・・・当たり前か・・・・」 っとゾロが得意げに男達を見下ろす。っと一人の男が重い口を開いた。 「・・・レク島・・・・」 怯えている所為か声が震えていて良く聞きとれない。 「あ?なんだって?」 「コレク島・・・・そこに行けばその男を買ったオヤジに会える――筈だ・・・・」 もう一方の男ががっくりと片を落とす。どうやらこれは言ってはいけない事だったらしい。 「・・・コレク島?そこにサンジがいるんだな?・・・よし判った。ところで・・・・・」 とゾロが片方の男に目を向けた。 「俺達をその島までナビゲートしてくれねぇか?・・・イヤだとは言わせねぇが、な・・・」 ゾロが声を掛けたのはあの日、サンジを連れ去った男である。 男は仕方ないと言った様子で首をガックリ前に垂れた。 もう言い訳も無いです… これもう既にOPじゃありませんね。…パラレル。 書き始めたらなかなか止まらないので多分これ4章位での編成になりそうですが、 読んでいただければとても嬉しいです。 私事ですが、この場を借りてお礼を申し上げます。 個人的にメールをくださった方ありがとうございました。 読んでくださった皆様もありがとうございます。読んでくださる方がいる限り 私は頑張りたいです(果して出来るかどうかは判りませんが・・・・。) 2 Back |