第30話 間違い電話 (2000.12.14)
人間はよく間違い電話をしてしまう。 その人の性格によるが、基本的にいいかげんな性格の人はよくやってしまうのだろう。 ダイヤルやボタンで相手の電話番号を入力するわけであるが、一箇所ぐらい間違ってしまうのは仕方がない。 しかし私の家には、別の種類の間違い電話がかかってくる。 昨日かかってきたのは、こんな感じの間違い電話だった。
トゥルルルル……トゥルルルル……トゥルッ…ガチャ
妹「はい、○部です」
伯母「あれ、○○子ちゃん?間違っちゃった」
ガチャ
こんな電話がよくかかってくるのだ! しかも必ず伯母から。 はじめは不思議でならなかったが、最近やっとこの電話の意味がわかった。 どうやら伯母は、他の家にかけようとして、なぜか私の家の電話番号にかけてしまうらしい。 そうならそうと、電話のときに言ってもらいたいものだ。
伯母は母の姉であるが、母もそのそそっかしい性格はそっくり似ている。 母もこの間やってしまった。 母が仕事から帰って来るとすぐに、
母「○木さん家に電話しなくちゃ……」
とか独り言を言いながら、走って電話に向かって走っていった。 そして急いで電話をかけた。
電話の相手「毎度ありがとうございます。○○園です」
母「………は、すみません、間違えました……」(とてもかわいらしい声で)
なんと会社から帰ってきたばかりの母は、間違えて会社にかけてしまったのだそうだ。 電話に出たのは社長で、びっくりした母は、声を変えて、正体がばれないようにしたらしい。 でもばれていたらしい。
家族でそんな話をしていると、父も話に入ってきて、貴重な体験談を聞かせてくれた。 父が前の会社に勤め始めたころ、仕事場で、課長が「ちょっと家に電話かけてくる」とか言って、席を立ったそうだ。 するとすぐにそこに電話がかかってきて、父の隣にいた同期のIさんが電話に出たそうだ。
Iさん「はい、○○、○課のIですが……」
課長「何でおめーが出るんだ?(怒)」
そりゃ家に電話かけてIさんが電話に出たら怒るわ。
結論: 今回は、間違い電話には2種類あることを学びました。