第24話 人間のCPUクロック (2000.11.28)


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誰と話していたかは忘れてしまったが、「人間のCPUクロックってどんなもんかね?」という話になった。 今のCPUのクロックは数百メガヘルツ(数億ヘルツ)で、例えば足し算なんかは1秒に1000万回ぐらい(正確にはわからないけど)するわけだから、「人間なんて1ペソヘルツぐらいじゃない」「あはははは、バカだいね」っていう結論になって終わってしまった。 人間なんて足し算するのに、例えば4桁足す4桁ぐらいでも、式書いて、計算して、10秒かかるから。 でも本当にそうなのでしょうか?

例えば紙に、

1357+9876

って書いてあったとしましょう。 そして10秒後に11233と答えが出たとしましょう。 しかしコンピュータに本当に10秒で答えが出せるのでしょうか? そんなの「0.00…1秒で出るよ」と思っている人、ブッブー! そんなに早く計算できるのは、人間が電卓のアプリケーションに「1357+9876=」と入力したからである。 それは反則である。

この場合の人間がやったことと同じことをコンピュータにやらせるとしたら、まず「1357+9876」という文字(画像)をカメラで入力して、文字として認識させなければならない。 人間は紙に書かれた文字を見て、足し算の計算問題であるのを理解することはたやすいことであるが、コンピュータはそうはいかない。 コンピュータが計算するのはそれからである。

私は学校で画像から楕円を見つける研究を行っているが、楕円を1つ見つけるのに1分程度かかる。 「見つかりませんでした」という結果を返すことさえある。 つまり、「1357+9876」という式であるということをコンピュータが理解できるかどうかもわからないし、理解できたとしても何分かかるかわからない。 ということで、人間のCPUクロックはコンピュータ以上であると言ってもおかしくない。 まあその他メモリとかも比較しないとなんとも言えないが。

一応言っておくが、世の中に文字を一瞬にして読み取る機械はある。 例えばスキャナを買うとそういうソフトが付いてくるし、実際に郵便の関係で使われていたりする。 しかしあれらは文字を読み取るという前提で作られていて、人間の目と脳は、文字に限らずあらゆるものを判別する。 というわけで、そういう機械を対象にしてはいけない。 さらにいうならば、そういう機械は文字を正しく認識する確率はかなり低いらしい。

結論: とりあえず人間のクロックは100GHz程度ということにしておこう。


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