第10話 ホワイトアウト (2000.09.19)


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最近、ある人から勧められて、「ホワイトアウト」の原作を読んだ。 もともと私はほとんど本など読まず、読み始めても途中でやめてしまったり、読んでも内容がよくわかっていなかったり、まあひどいものである。 いまだに内容を覚えているものは「優駿」ぐらいしかない。 そんな私が600ページ以上もある「ホワイトアウト」を、3日ほどで読んでしまった。 私が言うのもなんだが、すばらしい作品である!

当然映画の方も観たくなったわけだ。 そして先日、群馬県太田市の某有名映画館に観に行ってきた。 しかし、原作を読んでしまった私には、原作以上の感動を味わうことができなかった……(←偉そうに……)

※これから映画を観ようという人は、ここから先は読まないで下さい。

映画で足りない点は、ただ一つである。 それは「冬の奥遠和の雪に対する恐怖」の描写が甘すぎることである。 だから始めに吉岡を守れなかった富樫が、非常に甘っちょろい人間に感じてしまうのである。 原作では、富樫がもうどうしようもなくなってしまって、このようなことになってしまったようになっている。 読者である私にも、息苦しくなるほどの絶望感が伝わってきて、富樫は本当に頑張ったけど仕方がなかったことを理解してあげられた。

また、下のダムまで富樫が歩いたが、「冬の奥遠和の雪に対する恐怖」の描写が甘いため、凄いことだと感じることができない。 下のダムまでの数キロを歩くということは、生きるか死ぬかの大冒険なのである。 そこが本当に残念に感じた。

後半原作と大きく話が変わっていたのが少し気に入らないが、まあ、話としては面白くなっていたと思うので、まあ良しとしよう。 最後、富樫の記憶が、吉岡を助けられなかったシーンと混ざってしまうところがある。 小説では、鳥肌が立つぐらい印象的なシーンだったが、映画では特に取り上げられていない。 ちょっとセリフで出てきたぐらいだ。 そこが一番納得いかなかった。

ミル姉さんも言ってたけど、原作を読んで、映画も観た人は、必ず「原作の方が良かった」と言うらしいけど、初めてその気持がわかったような……。 でも決して「ホワイトアウト」の映画をけなしているわけではない!(←そうかぁ?) 原作のすばらしさを主張しているのだ!!

結論:原作がいいから、75点。でも観るべし!


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