私が感じた事

t.h

「キーンコーンカーン」私は今、母国、日本で毎日学校に通い普通に生活している。私はここ常磐高校のカナダ修学旅行を終え、中学の時からずっと嫌いであった英語という科目、いや、言語に対する価値観というモノが僅かながらではあるが私の中で変化しているということを感じる気がする。というのも修学旅行の際にこんな出来事があったからである。

修学旅行の中盤に私たちは広大なカナダの大地を横断するためにカナダの国内線の飛行機に乗っていた。カナダへの便では周りは友達に囲まれていてにぎやかに楽しく来れたのだがここに着て全員がバラバラの席になると聞いて「何だよ、つまらないな。」と正直なところ思っていた。席に着いてみるとやはり友達とは離れてしまっていた。ということは当然隣りは外国人になると思ってちょっと緊張、しかし予想外なことに隣りは何と日本の社会人のおじさんだった。「君たち高校生。修学旅行か何かかい。」といきななり話してきたその人に最初「何だよこのおっさん。馴れ馴れしいな。」と思った。外見、四十から四五歳のパッとしないおじさんである。私はそのおじさんの問いにだけさらっと答え、黙っていた。すると後から外国人のおばさんが近くに寄って来て困った顔で私に英語で話しかけてきた。私は混乱した。ただでさえ嫌いな英語、ネイティブスピーカーが話す事は当然私には分からない。私のそんな思いに気付かない彼女は容赦なく私に話し掛けてくるので私は逃げ出したくなった。すると私の隣りのあのおじさんが立ち上がり英語で彼女に話し掛けた。私は唖然とした。パッとしないその男はなんなく彼女の言葉を理解したらしく彼女のカバンを上の荷物置き場に置いてあげた。「サンキュー」と彼女はその男に言った。私は不思議な気持ちになった。その男のおかげで助かりラッキーだと思うはずが、私は悔しいと感じていた。