根本山〜熊鷹山


 昔、富士山から北東を見たとき瑞雲の根本に見えた、と言うことからこの名がついたといわれている。
 渡良瀬川の支流、桐生川の根本沢から山頂に至るコースには、かつての信仰をうかがわせる「丁石」や祠が多数現存し、頂上付近には断崖の上に建つ「奥の院」や10mもの鎖が10本も続く岩場がある。
 桜田門外の変のころまで栄えたといわれている。

周辺地図 【登山日】 平成7年11月18日(土)
【天 候】 快晴
【山 名】 根本山(1,199m)、熊鷹山(1,169m)
【地 域】 群馬県桐生市−栃木県境
【ガイド】 群馬の山歩き130選(上毛新聞社)
【地 図】 国土地理院地図(沢入(ソオリ))
【ルート】 三境林道分岐(9:35) → 不死熊登山口(9:40) →(根本沢コース)→ 奥の院(11:10-11:20)  →(クサリ場)→ 石祠(11:30) → 峰の平(11:40) → 根本山(12:00-12:45) → 十二山神社(12:55) → 熊鷹山(13:30-14:20)  → 林道出合(14:30) →(林道)→ 不死熊登山口(15:20) → 三境林道分岐(15:25)

9:35 三境林道分岐
 桐生の繁華街から20kmも走ってやっと辿り着いた。更に200m程入れるが駐車スペースは狭く、今日も車をここに停める事にした。
9:40 不死熊登山口
 林道のゲートをくぐり登山開始。
登山口から僅かに登った所で、根本沢コースと中尾根コースに分かれるが、今日も根本沢コースをとる。
 登山道は、桐生川の源流の美しい流れを右に左にと渡りながら進む。
 登山口付近の紅葉はまだまだ捨てた物ではない。何人かのカメラマンが赤く燃えたモミジを逆光で狙っていた。
11:00 鉄ハシゴ
 いよいよ信仰の山らしくなってきた。僅かに水の流れる3m程の滝に、ハシゴが架けてある。材質は無垢の鉄で、時代を感じさせる。
 この辺りから、丁石や石段の跡が所々にあり、往時の信仰を偲ばせる。
 少し歩くと辺りに獣の気配。立ち止まって見回すと・・・犬だ。
野犬だろうか。しかし、目に鋭さが無い。むしろ悲しそうな目で私を見ている。捨てられたのか、それともハイキングに連れて来て、鎖場で諦めて置き去りにされたのか。とにかく飼い主の無責任さに腹が立つ。
 この後、犬は奥の院の下まで私の後を付いて来たが、私にはどうしてやることも出来なかった。
11:10 奥の院
 直前に1本の鎖付きの急登で奥の院に到着。絶壁の上に建つ社殿は圧巻だ。
11:20 奥の院出発
 さて、いよいよ鎖場だ。気を引き締めて登り始める。
鎖は10m程の長さの物が、次々と9本も続く。が、鎖に頼らなければならない所は何箇所もない。
11:30 石の祠
 クサリ場が終わると眼前に石の祠が奉ってある。振り返ると、今日初めての展望が開けていた。足尾から日光の山々が見渡せる。
 ここで初めて気づいた。今日は快晴だったのだ。
11:40 峰の平(ミネノヒラ)
 根本山のもう一つのピーク、峰の平に到着。ガイドマップには行者山と記された物もある。 山頂には山名の由来が書かれた案内板が有った。
 「昔、富士山から遥か北東の瑞雲の根本に見えた」のだそうである。
 下りに1本のクサリが付けられているが、岩場という訳では無い。
11:55 中尾根十字路
 中尾根コースと合流だ。十字路を真っ直ぐ行くと熊鷹山への近道だが、せっかく来たのだからと根本山頂へ向かう。
12:00-12:45 根本山頂 1,199m
 山頂で昼食にする。
 山頂からは展望は無い。今日は、木々の隙間から回りが見渡せるが、夏場は緑の中のだろう。
12:55 十二山神社
 境内はかなり広く、石の祠や小屋がいくつか建っている。巨大な鉄斧が奉納して有り往時の隆盛を偲ばせる。
 先ずはお参りして、先をいそいだ。
13:10 氷室山への分岐(十二山)
 この辺りから、笹と雑木林のなだらかな尾根歩きとなり、実に気持ちが良い。
 しかし、登山道はあまり整備されておらず、踏み跡と赤いリボンを確認しながらの歩きだが、以前来ているのであまり緊張感は無い。
13:30 熊鷹山 1,169m
 のんびり歩いていると、いきなり熊鷹山の頂上に出る。 360度の展望を眺めながらコーヒータイムにした。 丸太の展望台に上ると更に眺めが良い。今日2度目の展望である。南には富士山が見える。他に、八ケ岳、浅間山、赤城山、谷川岳、皇海山、奥白根山(日光白根)、男体山そして筑波。私が知っているだけでも百名山中9座。 詳しい人なら奥秩父のいくつかも判るだろう。
14:20 熊鷹山出発
 立ち去るのは惜しいが、いつまでも此処に居る訳にもいかず、下山する事にした。
14:30 林道
 熊鷹山を発つと僅かで林道に出る。途中、いくつかの分岐があるが、結局同じ道にたどり着く。
 さあ、ここから登山口まで5kmにも及ぶと思われる林道歩きだ。
 前回、林道歩きを嫌って入った旧道が廃道化してしまっていて、ひどいめに遇った。 今回は仕方なく林道を正直に歩いた。
15:20 不死熊登山口
15:25 三境林道分岐
 駐車スペースは、登る時は8台程の車が有ったが、戻ってみると3台しか無かった。やはり今日は出発が遅すぎた。次回はもっと早く家を出て頂上でのんびりする事にしよう。