八王子丘陵、茶臼山


 八王子丘陵は、北東を桐生市・南を太田市・西を藪塚本町・北を笠懸町に接した里山で、 かつては太田の金山城主由良氏の領地として「北の砦」と称する出城が築かれていた。
 周辺には、藪塚温泉やゴルフ場などレジャーの拠点も多い。

【登山日】 平成8年12月15日(日)
【天 候】 晴れ
【山 名】 茶臼山(293.9m)、小ピーク(273m)
 ※ここで小ピークと呼んでいる山頂には「八王子山」との山名板があるが、 正しいくは無名峰で、「金山城北の砦」にあるピークが正しい「八王子山」である。 (REI KEASMARU氏談)
【地 域】 群馬県桐生市
【ガイド】 桐生市ハイキングガイドマップ(桐生観光協会発行)
【情報源】 広沢3丁目の床屋の新井さん
【地 図】 国土地理院地図(桐生)
【ルート】 職場の駐車場(11:20)  → 桐生南高校南(11:25) → 黒石峠(11:50) → 小ピーク(12:10-12:15) →  茶臼山(12:20(昼食)13:15) → 小ピーク(13:20) → 金山城北の砦跡(13:25)  → 籾山峠(13:40) → 金山城北の砦跡(14:00) → 小ピーク(14:05) →  黒石峠(14:20) → 桐生南高校南(14:30) → 職場の駐車場(14:35)

小ピークから茶臼山を見る
【概念図】
              金山城   県道
 桐生南高校  茶臼山▲ 北の砦跡   ||
   文       |  ●(八王子山)|| 桐生南公園
  −−−|−−−−−▲−−−−−−−−||−−−−−
    黒石峠   小ピーク   籾山峠||
                ●藪塚温泉 
 実は、この山は私の勤め先の裏山なのです。 職場の駐車場に車を置いて山の麓まで約5分の道のりです。
 今日の仕度はジャージの上下に35リットルのザック。 本格的な山仕度だと人に会ったとき恥ずかしいような低山だからです。 それでも大きなザックを背負った姿は異様に見えたようです。

 南高校の南側の送電線の下からいよいよ山道だ。 葉の落ち終えた森はフカフカの絨毯を敷いたようで気持ちが良い。 沢筋の溜め池ではのんびりと釣り糸をたれる人が3人。 少し行くと沢筋を直角に折れ稜線までしばし直登だ。 先程まで気持ち良かった落ち葉は急登だと滑って登りにくい。
 稜線に出ると道は一転して高さ2mもある篠藪が続く。 しかし道幅2m程が奇麗に刈られていて、両脇が篠の壁の間を歩いているようだ。 程なく篠藪をぬけ再び雑木林となる。 木々の隙間から見える関東平野は、逆光で輝いている。
 黒石峠は、かつては往来で賑わったと聞くが、現在では南側の踏み跡は消えかかっている。 少し行くと南側がヒノキの植林地となり、山仕事の人達がお昼をとっていた。
 僅かな登り下りをくり返し、まもなく小ピークの山頂だ。 もうお昼を過ぎているが、昼食をとるにはちょっと落ち着かない場所なので、 茶臼山まで行って昼食にする。 (この小ピークには「八王子山」との標識があるが、正しいくは無名峰である:REI KEASMARU氏談)
 小ピークから茶臼山まではほんの僅かの距離だが、途中、昨年の山火事の痕が無残に残っている。 心無いハイカーの煙草の火が原因とされているが、山でのマナーは守ってほしい。
 山頂直下の急斜面を登りつめると茶臼山だ。 茶臼山々頂から赤城山方面を見る 360度のパノラマ展望台の山頂には、テレビの中継局や携帯電話の基地局がいくつか有り、 その間に石の祠と方位を示す標識がある。 標識は前回来た時には無かったので最近立てられた物のようだが、谷川岳の方角が明らかに違う。 この位置からだと赤城山の陰に隠れてしまう筈なのに、赤城山の右の袈裟丸山方面を指している。 (おいおい、余計なものをつけるなよ。)
 北側に少し下った所が東屋の建つ広場になっているので、そこで昼食にした。
 およそ1時間の休憩の後、小ピークまで戻ってから籾山峠に向かう。 茶臼山から少し下った所の岩の上で、東を向いて座禅をする人が居たのには驚いた。
 小ピークから5分程歩いた所に「金山城北の砦跡」と「古井戸跡」の標識があり、 その傍らに直径2m位の穴があいている。金山城は隣り町の太田市にある城跡だが、 当時この辺りも城主由良氏の領地で、この山に出城が築かれていたという。 しかし、こんな山の上の井戸に水が出たのだろうか? (この「金山城北の砦跡」が、本当の「八王子山」である:REI KEASMARU氏談)
 城跡を後にしてまた籾山峠に向かう。 少し行くと庚申塔があり、そこを右折してピークをトラバースする。 この辺りからはまた篠が多くなり、一応道の篠は刈られているが、 切り口が鋭く尖っているので靴底が薄い物だと踏み抜く危険性がある。 足元に注意しながら歩いていると、いつの間にか籾山峠の県道切り通しに着いた。 車を置いた所まで町を歩こうかとも考えたが、 今来た道の方が直線的に戻ることになるので山道を駐車場まで戻った。

 典型的な里山で、エスケープルートも無数にあるので一度歩いてみてください。 (かえってルートファインディングが難しいかな?)
 以前、友人の一家はお弁当と大きな竹製のザルを持って一日山に入り、 集めた草木のツルでクリスマスのリースを作ったそうです。