向山型算数授業をしてきての手応え
 
1 ノートがきれいになる
 ノートは教えたとおりに書かせる。4月当初はかなりめんどくさそうにしていたが、妥協せず指導し続けたことで、今では□1の□でさえ定規で書くようになった。(ここまで言ってはいないのだが)
 ノート指導を徹底することで、子どもたちは次のようになった。
◆5年生の時は、ノートがきれいじゃなかった。今はすごくきれいになったと思う。
 見直しをするとききれいだと見直しがしやすい。
◆去年と違ってすごくわかりやすくなった。それはノートの書き方が変わったから。
 算数ではノートを書いてまちがっても消しゴムを使わないから、きれいに見える。
 去年は数字をつめて書いていたけど、今はつめていないのですごくよくなった。
 テストでもかなりいい点が取れるようになったのでよかった。
◆去年はノートがびっしりでゴチャゴチャよくわからなかったけど、今年はノートが見やすくて、
 授業がよくわかるようになった。だから去年とはすごく変わった。
 
2 勉強ができない子が変わる
◆算数のテストの点は70点になった。前は15点、0点で最悪です。   
 上の感想は、とにかく勉強ができないと言われていた男の子の感想である。
彼はかけ算九九が完璧ではない。また、読解力や表現力も1年生レベルである。
いわゆる学力不振児である。そして実際のところ、70点を取ったのは1学期中一回だけである。あとは私の力不足で、
45・35・35・20・30点であった。(1学期テスト)
 そんな彼に、私は九九カードを持たせ、あとはとにかく黒板に書いてあることをノートに写すよう、繰り返し繰り返し言った。はじめのうちは言われなければ写さなかったが、今では板書が始まると、それを見て自分から写すようになった。私にとっては大きな進歩の一瞬であった。
 他の子に比べれば、決してよいといえる点数ではないが、彼の今までの力を考えると、かなり進歩したのだと思う。
 今ではノートも、授業時間内に写し終わることも多くなってきた。少しずつではあるが、変化が感じられる。
 
3 テストの点が上がり、子どもが驚き喜ぶ
 まずはじめに、子どもたちが驚いたのが平均点の高さである。毎回90点を目指してはいるが、力不足で続かない。
 そんな自分が教えても、過去子どもたちが聞いてきた平均点とはかなり違うようだ。テストを返すたびに平均点も伝えているが、毎回歓声が上がる。しかし最近は声が変わってきた。「平均点、はちじゅう・・・」と言うと、「あーあ」と言うのである。これも向山型算数でなければ出ない声である。
 あとは、100点が取れるようになった子・今までの点数より上がった子が増えたことである。これも向山型算数を知る前の自分にはなかったことである。
次のような感想が多く聞けるようになった。
◆算数の平均は前よりすごく上がった。前は宿題が大量に出たのにテストの平均は50〜80くらいだった
 のに、今は宿題なしでも90くらいなんてすごい。
◆6年になって、急に100点がいつもの3倍の確率になった。とても算数が好きになって、昨年よりもわ
 かりやすくなったし、学校で100点をとりまくって家でめちゃくちゃほめられた。とても鼻高々だった。

[1学期単元テストの平均点]
@分数と整数の計算・・・93.5 (男90.0 女94.5)
A分数のかけ算・・・・・87.3 (男84.2 女90.5)
B分数のわり算・・・・・87.2 (男85.0 女90.0)
C対称な形  ・・・・・93.8 (男92.8 女94.9)
D分数・小数の計算・・・83.4 (男79.3 女87.5)
E比と比の値 ・・・・・93.6 (男89.4 女97.8)

 
4 親から算数のことについて話される
 家庭訪問・保護者会で保護者から「ノートが見やすくていいですねえ。」「先生のクラスは平均点が高いですね。」など、とにかく算数についての話題で会話が進む。算数のことで親から言われたのは、教師になって初めてのことだ。
やはり、よいものはよいという証明である。
 
5 他の教科にもよい影響が出る
 算数でノート指導・板書の仕方などを徹底しておくと、自然と他の教科になっても、ノートはゆったり見やすく書くし、板書も進んで書くようになる。これも目立たないが、隠れた効果だと思う。
 
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