6年「比と比の値」をこう授業した
 
◇「向山型算数教え方教室」第2号の“指定教材に挑戦”のところで、向山先生のコメントが「篠崎氏も教えすぎ」とあった。そこで、この単元ではなるべく説明をしないよう心がけて取り組んだ。
 
1 挿し絵の場面を問う
「教科書62ページを開きなさい。」
「ノートに日付・ページ・タイトルを書きなさい。」
「書けた人は起立。62ページの絵がどんな場面か言える人は座りなさい。」 →座った子を指名。
  ・学校でフレンチソースを作っているところ。
  ・フレンチソースの作り方をメモしているところ。
「63ページの女の子とお母さんのセリフを読みなさい。」
「ぼっちゃん?を読みます。」

2 問題を読む
「□1指さしなさい。家と学校で・・読みなさい。はい。」
 →そろわないのでもう一度。
「家で作ったフレンチソースの□を指さしなさい。」
「酢は何杯ありますか。教科書に直接書き込みなさい。
 →書いた答えは一斉に言わせる。(2)
「2と書いた人○をつけなさい。」
「サラダ油は何杯ありますか。書きなさい。」
 →ここも一斉に言わせる。(3)
「3と書いた人○をつけなさい。」
  あっているのでおおいにほめる。
「では、学校で作ったフレンチソースのところも同じように書きなさい。」
 →子どもたちは「簡単簡単。」と言いながら書き込む。
  答えは一斉に言わせる。(8)と(12)
「8と12と書いた人。○をつけなさい。」ここもおおいにほめる。

3 ☆1問題を細分化して読ませる
「63ページ。☆1指さしなさい。隣の人と確認しなさい。学校で作ったソースは・・・のところを読みなさい。」
 →もう一度読ませる。“酢の量を2とみると、”まで読んだらストップをかける。
「右の□を指さしなさい。その中の青い点線をなぞって囲みなさい。」
「いくつ囲めましたか。」
 →指名して答えさせる。(2)
「2とその図の下に書き込みなさい。」
「今書いた2と、“酢の量を2とみると、”の2を線で結びなさい。」
「では、もう一度☆1を読みなさい。」
 →最後まで読ませる。

「では、サラダ油の量はいくつと見られますか。酢と同じように図を囲んで数字を書きなさい。」
 →一斉に答えさせる。(3)
「すばらしい。3と書いた人は○をつけなさい。」
「その下にある3行を読みなさい。」
 →そろわないのでもう一度。
「ロボット君は何と言っていますか。○○君。」
4 定義をノートに写させる 
「64ページを開きなさい。赤い□の中をノートに写しなさい。写し終わった人は3回読みなさい。」
 →全員が書けてないが、2/3は終わっているので、
「書けた人は声をそろえて読みなさい。」
 →2回読ませる。その間に全員が写し終わった。
「@の問題を読みなさい。答えをずばりノートに書きなさい。」
 →一斉に答えさせる。
「書いた答えを大きな声で言いなさい。さんはい。」
 →4:7。・・・天才だ。4:7と書いた人、○をつけなさい。

5 念のため問題で詰める
「ここで念のためもう一度聞きます。」
“酢をスプーン2杯、サラダ油をスプーン5杯のときの割合をノートに書きなさい。”
 3杯と7杯
 4杯と9杯
 と数字を変えて、テンポ良く出す。最後の方は質問するそばから「書けました。」コールがおこる。
 
「□2を指さしなさい。読みなさい。」
「もう一度読みなさい。(“何分のいくつにあたるか”まで読んだら)ストップ。」
「何分のいくつとはどんな数のことですか。○○君。」
 →分数です。
「では、ノートに答えを分数で書きなさい。この問題は超簡単です。書いたら持ってきなさい。
 先着10名様までです。」
 →10名が終わったところで、一斉に答えを言わせる。(2/3)
「そうだなあ。どうして分かったの○○さん。」
 →教科書に書いてある。
「そうだなあ。教科書に書いてあるなあ。こういうのを超簡単問題と言うんです。」
「では教科書に書いてある式をそっくりノートに写しなさい。」
                 
    2:3 →  2÷3= 3

6 定義をノートに写させる                
「その下の2行、“比の記号「:」の前の数を後の数でわった・・”の部分を写しなさい。
写し終わった人は3回読みなさい。」
 →ここでも待たずに、頃合いを見て一斉読みをさせる。
「では、念のためさっき@のところでやった問題を比の値に直してみます。」
「ノートに2:5と書いて、教科書と同じように矢印をつかって式・答えを計算しなさい。」       
                2
    2:5 → 2÷5= 5

7 念のため問題で再度詰める 
「3つ目の4:9ができた人は持ってきなさい。先着6名まで板書してもらいます。」
 →同じ問題を2人ずつ板書。書き終わったところで答え合わせ。
  書いたとおり言ってもらう。「二対五矢印二わる五は五分の二です。」
  以下、同じように言わせる。
「全部あっていた人は花○を書きなさい。間違えた人、できなかった人は写しておきなさい。
写すのも勉強のうち。一番いけないのは何にもしないことです。」
 
「その下の2行を読みます。」
 →ここは読むだけで終わり。
ここまででチャイムから25分。
 
◆ここで終わりにするのも早すぎるので、65ページの「等しい比」に入った。Aの問題を4問終えたところで終了。
 進みすぎた気もするが、子どもたちのノートを見てもかなりできている。
 無駄な説明はしなかったつもりだ。それにしても教科書通り授業するというのは難しい。
 まだまだ「したつもり」になっている。
 
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