不動産登記法が変わりました
        「権利証」がなくなる!?


平成17年3月不動産登記の制度が大幅に変わりました。


 不動産登記法が、平成16年6月に100年ぶりに大改正されました。
 改正の1番の目的は、ずばり「オンライン申請」。インターネット経由での登記申請を可能にすることで、登記事務の簡素化・効率化と国民の負担軽減を実現し、国民の利便性の向上を図るというものです。政府の推進する「e-Japan戦略」のもと、ついに不動産登記の世界にもインターネットによる登記申請の時代が到来することになったのです。(但し、従来通りの紙による申請がなくなるわけではなく、オンライン申請と並んで書面申請も今後も認められます。)さて、オンライン申請を導入するにあたり、どうしても避けて通れない問題点があります。それは、オンライン申請は電子情報の送信によって行われるため、書面、つまり紙自体を登記所に送ることはできないということです。そこで、書面としての『権利証』の制度も変わりました。





「権利証」がなくなる !?

 これまでは、登記が完了すると、不動産の権利を取得した人には登記済証(登記所の印鑑を押した書類)が交付されていました。これが、いわゆる「権利証」です。いままでは、権利証を「持っている」ことが、不動産の権 利者としての判断材料のひとつでした。不動産を売却したり、担保に入れたりする場合には、この「権利証」を登記所に提出することが必要だったのです。今度の法改正で、この「権利証」の制度がなくなり、登記が完了しても今までのような「権利証」はみなさまのお手元に交付されないこととなりました。

 それでは、今後は、いったいどういう手続がなされるのでしょうか





「権利証」に代わり『登記識別情報』が通知されます。


登記識別情報通知書

 平成○年○月○日
 ○○法務局登記官○ 印

  次の登記の登記識別情報について、
 下記のとおり通知します。
 不動産の表示  ○市○町○番
        (家屋番号○)
 不動産特定番号    ○○
 登記の目的      ○○
 受付番号(順位番号)○(○番)
 登記名義人の氏名又は名称 ○○


登記識別情報

174A23CBAX53

 
その答えは、今後は、登記が完了すると、みなさまのもとに『登記識別情報』が通知されることになります。登記識別情報とは、登記所が無作為に選んだ「12桁の英数字(AからZまでおよび0から9まで)」です。
 現在みなさまがキャッシュカードやクレジットカードで使っている、「暗証番号」と同じように考えていただければ、わかりやすいでしょう。

 これからは、この番号を「知っていること」が、不動産の権利者としての判断材料のひとつとなります。つまり、不動産を売却したり担保に入れたりする場合には、この『登記識別情報』と呼ばれる「12桁の英数字」を登記所に提示することが必要となるのです。







ご注意を!

 これまでは、権利証そのものを大事に保管していれば、他人に悪用される可能性は低く、ひとまず安心でした。これに対し、登記識別情報は、これを知っている人がその不動産の権利者と見られます。ですから、一度他人に登記識別情報を知られるだけで、悪用されてしまう危険性が生じてしまいます。登記識別情報は「書いてある紙を人に渡さない」のみならず「人には見られない」「教えない」といった厳重な管理が必要となってくるのです。みなさんもキャッシュカードの暗証番号は、たとえ親しい方にでも教えたりはしないことと思います。同じように、登記識別情報も、他の人には「見せない・教えない・渡さない」 でください。 もしうっかり他人に知られてしまい、悪用されてしまう危険性が生じた場合には、登記識別情報そのものを失効させる制度があります。そのときは、お近くの司法書士にご相談ください。




Q. 私が今持っている「権利証」は、どうなるの?

 『ちょっと待って! 今私の持っている「権利証」は、どうなるの?』と思われた方も多いでしょう。 現在みなさまがお持ちになっている「権利証」は使えなくなるわけではありません。今後もお持ちの「権利証」は、登記申請の際に必要となります。
 これまでどおり、大事に保管してください。



お わ り に

 
今回ご紹介いたしましたオンライン申請に伴う登記識別情報への移行は、法務大臣の指定を受けた登記所から順次適用となります。また、今回の法改正に伴い、登記原因証明情報の添付が必要的となることや、保証書制度が廃止されることなど、この他にも重要な変更点があります。詳しくはお近くの司法書士にお問い合わせ下さい。

 しかし、運用が開始されるとはいえ、なにぶんこれからの制度ですから、細かい部分での運用や手続的な面で未知なる問題も残されていると思われます。それらを解消し、さらなる登記制度の信頼性と利便性の向上を図ることが今後の課題になってくるでしょう。 私たち司法書士も、国民のみなさまと登記制度との橋渡し役として、新しい登記制度の定着と発展のため、引き続き努力を続けて参ります。

 今後とも、よろしくお願いいたします。