東武鉄道・JR東日本 特急電車相互乗り入れ
2006年3月18日〜
■相互乗り入れの意味
2006年3月18日(土)、東武鉄道とJR東日本が特急電車の相互乗入れを開始した。観光地「日光・鬼怒川」へのアクセスは歴史的には旧国鉄時代の日光線と東武鉄道が競ってきたが、最近では東武鉄道の独壇場となってたと言ってよい。JR線でのアクセスは宇都宮経由になってしまい、時間的にロスが多い。東京方面からのアクセスは東武鉄道利用か自動車利用がほとんどであり、東武鉄道も自動車との競合には押され気味で苦戦している。そこへ東武鉄道とJR東日本の特急電車の相互乗り入れが実現し、東京と「日光・鬼怒川」間のアクセス法に選択肢がひとつ加わった。「日光・鬼怒川」にとっては新たな観光客獲得の景気になるとして期待がされている。
■新宿駅発着で東京西部・南部・甲信越から日光・鬼怒川へのアクセス向上
東武鉄道は浅草駅を起点として、東武日光線、東武伊勢崎線を中心に運行している。東京から「日光・鬼怒川」へは、都内各所からいったん都心東部の浅草に出なければならない。ここが不便なところであった。例えば、東京都西部の多摩地区や八王子周辺に住んでいる人が、都心を通って浅草まで出るというのは、時間的にも心理的にも負担を感じる。しかし今回の相互乗り入れはJR新宿駅発着で、東京都西部からのアクセスが格段に良くなった。つまり、JR中央線、西武線、小田急線、京王線、東急線各路線沿線から「日光・鬼怒川」へのアクセスがしやすくなったことで、新たな観光客の掘り起こしになるという期待が持たれている。
さらに、新宿を発車した電車は大宮駅を経由するので、上越新幹線、長野新幹線との乗り換えで新潟・長野方面からのアクセスも向上したと言えるわけで、やはり新たな観光客の掘り起こしにつながることが考えられる。
■日光・鬼怒川から都内へのアクセス向上
新宿駅からのアクセスが出来るようになったということは、逆に言うと東武鉄道沿線住民にとっては東京へのアクセスの選択肢が増えたということで、今まで浅草駅や北千住駅を基点に都内への移動を考えていたところへ新宿駅を起点に考えることが出来たり、大宮駅での乗り換えで新潟・長野方面へのアクセスがしやすくなったということでもある。
具体的に言うと、日光市に住む(3月20日に合併で日光市民になった)管理人は、新宿駅直行の特急電車に乗れば乗り換えなしで、歌舞伎町にも新宿厚生年金会館(?笑)にも行けるようになったということである。
■観光地としての「日光・鬼怒川」の課題
東武鉄道とJR東日本が相互乗り入れをしたわずか2日後、今市市・日光市・藤原町・足尾町・栗山村の2市2町1村が合併して新しい「日光市」になった。もともとそれぞれの市町村が観光資源を持っているところへの合併であり、今後の観光事業の整備が急務である。新しい観光客の掘り起こしが期待できる一方、リピーターを増やすような工夫をしていかなければせっかくの東武鉄道とJR東日本の相互乗り入れも後々解消ということにもなりかねない。
■車両編成
新宿駅発着の相互乗り入れ特急電車は、一日に4往復(東武・JR各2往復)が運行されている。車両は東武鉄道が100系スペーシアを3編成(内1編成は予備車両)、JRが485系車両1編成を用意している。それぞれの路線に応じた保安機器を備えた改造を施して運行している。
両路線は栗橋駅構内に新設された連絡線を通って相互乗り入れしている。乗務員も栗橋駅で交代し、新宿-栗橋間をJR乗務員が、栗橋-日光(鬼怒川温泉)間を東武の乗務員が乗車している。
3月18日の新宿発日光行きの一番列車を下今市駅ホームで撮影したが、車掌交代の際に下りてきた車掌が交代の車掌に向かって「ほっとした」と小声で言ったのが印象的だった。
3月18日(土)午前9時 新宿駅発東武日光駅行き一番列車
となった「日光1号」JR485系車両 下今市駅にて下今市駅から浅草駅に向かう100系スペーシア「きぬ106号」 日光連山を背景に東武日光駅に向かう「日光1号」
(下今市駅にて 3/18撮影)東武日光駅から回送されて鬼怒川温泉駅に向かう485系
背景の山は鶏頂山(大谷向駅-大桑駅間にて 3/18 撮影)鬼怒川温泉駅を出発して新宿駅に向かう「きぬがわ4号」
(大谷向駅-大桑駅間にて 3/18 撮影)東武鬼怒川線は単線のため、駅で列車の交換待ち合わせをする。
写真は大桑駅で並ぶ100系スペーシアと485系。(3/19撮影)日光連山を背景に大谷川鉄橋を渡って鬼怒川温泉駅に回送される485系(大谷川河川敷にて3/19撮影)