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その名の通り、読書の記録です。管理人がどんな本を読んでいるかばれてしまいますが、管理人がこんな方面に興味があるのだと知るきっかけになりましょう。あわよくば、このページを見た人がその本に興味をもって手に取り、ご自身の何かに役立てば幸いです。
○『アントキノイノチ』 さだまさし著 幻冬社
さだまさしの小説第5弾。昨年6月に起きた秋葉原での無差別殺傷事件を発端に、命について考える小説として書かれた。遺品整理業というまだ世の中にあまり知られていない仕事にスポットを当て、高校時代に同級生に殺意を抱いた主人公が心の病を克服して行く過程を描いている。遺品整理業の会社に研修社員として現場でさまざまな命と向き合いながら成長していく場面と、高校時代のエピソードとが交互に展開していく。見方によってはミステリーまたはサスペンスといった趣も備えている。前半から息詰まるような場面が続くが、終盤は全てが開放されるような、読み手がほっとできるような仕掛けになっている。
「精霊流し」「解解」「眉山」と3作がいずれもドラマや映画、芝居になっているが、本作の映像化は個人的には望まない。著者も書く小説が全て映像化されることを前提に書いているわけではないと思う。小説として読者の心に主題が伝わればそれでいいと思う。(2009/05/31 記す)
○『レッツゴー!栃木〜U字工事の熱血お国自慢〜』 U字工事著 ランダムハウス講談社
栃木県出身の漫才コンビU字工事が栃木県を熱く紹介している。その文面は彼らの漫才スタイルが栃木弁を前面に出しているのと同じように、全編栃木弁で書かれている。内容的には県内の観光名所や地元の名物やソウルフード、県民性などについて熱く、愛に満ちた言葉で語られている。全国都道府県における認知度の低い本県をなんとか知ってもらおうという意図のもと、このコンビには県知事も期待しており、二人には「栃木応援団 栃木県無名脱却!爆笑特命宣伝隊」の称号が与えられ、名刺が渡されている。最近ではテレビでの露出も増え、ますます栃木応援団としての期待が持たれている。本書は県内の主要書店ではレジの近くに山積みされて置かれていることからも、二人に対する期待の大きさがうかがわれる。(2009/04/12 記す)
○『そうか、もう君はいないのか』 城山三郎著 新潮社
NHKの情報番組で中高年からの反響が大きく出版社にたくさんの感想が寄せられているということを知り、書店で手に取って購入した。筆者の妻との出会いから妻の闘病生活と死をどのように受け止めていくかという心の闘いを綴った作品。あとがきの娘さんの文章が心を打つ。大阪に向かう新幹線の中で読んで、涙ぐんでしまった。(2008/10/19 記す)
○『赤めだか』 立川談春著 扶桑社
講談社のエッセイ賞を受賞したエッセイ。7/27の読売新聞に本書の紹介が出ていたが、たまたまその日に國學院高校落語研究会のOB会の勉強会「語院居の会」(会長さだまさし)に行く機会があったのですが、そのゲストとして立川談春氏が来ていました。なんというグッド・タイミング。談春氏はさだまさしとも親交があり、この日の高座となったようです。
立川談春の師匠は立川談志ですが、談志氏についてはあまりいい印象が無いのですが、本書を読むとその人となりの一端がうかがえます。談春の入門から修行の前座時代、真打ちになる時に弟弟子に先を越されることの苦悩、真打ちになる時のある「仕掛け」とそれに対する談志と小さんの反応は息を飲む感じの緊張感があります。落語協会を飛び出して独自の立場をとり続ける立川流の弟子の育て方も談春の目を通して知ることができる。(2008/08/15 記す)
○『仏像のふしぎ』 瓜生 中著 白夜書房
下に『仏像のひみつ』を紹介したら、この書き込みを見た方から掲示板に書き込みをいただいて、こういうのもありますよと紹介されたので早速書店で見つけて購入しました。体裁といい、内容といい『仏像のひみつ』に似ていますが、写真が豊富で両書を合わせて読むと、仏像に関することが良く理解できます。仏像に興味はあるけれども、難しそうだなぁと考えている方には、お薦めの両書です。(2008/03/23 記す)
○『仏像のひみつ』 山本勉著/川口澄子イラスト 朝日出版社
某雑誌の仏教特集記事の中で紹介されていた本。仏像の種類や仏像がどのように作られたかが易しく説明されている。仏像を見るときの参考になる。仏像にもヒエラルキー(階級・階層)があるというのを初めて知り、面白く感じた。全く堅苦しいところがないので、仏像に少しでも興味がある人にお薦めの一冊。
仏教については、宗教としてではなくて“哲学”や“思想”と言う観点から見て行くと面白いのではないかと、最近になって気付いた。そういう時期でのこの本の出会いというのは必然であったのかも知れない。(2008/02/24 記す)
○『俺のマリンバ聴いてみてくれない?』 宅間久善 ANY
さだまさしコンサートに無くてはならない、スーバーマリンバ奏者・宅間さんの自伝的エッセイ第2弾。第1弾は「俺のマリンバ聴いてみろ!」という攻撃的なタイトルでしたが、随分丸くなりました(?)。生い立ちからマリンバを志した頃、さだまさしとの出会い、さだまさしとの交流、ソロ奏者としての活動、家庭人としての子育て等々、ステージからだけでは分からない宅間さんの人となりが表れている。さださんの借金の頃のエピソードも語られている。二人の息子さん(それぞれビブラフォン奏者、マリンバ奏者)との活動も始まって楽しそう。(2007/03/29 記す)
○『林家たい平 笑点絵日記』 林家たい平 ぴあ株式会社
小学校の頃から見ているテレビ番組「笑点」。レギュラー出演者の林家こん平さんが病気治療のため代役として弟子のたい平さんが出演するようになり、代役からレギュラーに昇格しました。レギュラー出演者の中ではいちばんの若手で、その新鮮な目で「笑点」の舞台裏を紹介してくれています。ご本人が落語家になった経緯や、名だたる師匠方にかわいがられている様子もわかります。力のある若手落語家で、将来が期待されているようです。たい平さんに続いて、春風亭昇太さんもレギュラーに加わり、「笑点」は若返りがはかられました。その一方で、長らく「笑点」の司会を務めてきた三遊亭円楽師匠が引退を決意するニュースが伝わり、落語界全体が世代交代の時期になりつつあることの現れなのかな〜、などとも感じるようになりました。(2007/03/03 記す)
○『みんなで国語辞典!』 北原保雄監修 大修館書店
1年ぶりの更新ですが、この間全く本を読んでいなかったわけでは無いのです、ととりあえず言い訳から・・・。
この本はちょうど2年前にここに書いた「問題な日本語」のシリーズと位置づけられる。通常、辞書には載らないような一過性の流行語や若者言葉、業界用語等々について、読者の語釈を元にまとめたもの。目から鱗の解釈もあれば、本当に一時的な流行語や特定の地域だけで使われていると思われる語釈もあって面白い。全体としてはやや、流行語や若者言葉に偏っているので、そのあたりの語釈を見ていると日本語の豊かな表現力を改めて感じる一方、正しい、美しい日本語は受け継がれていくのだろうかという心配も感じてしまう。(2007/02/04記す)
○『国家の品格』 藤原正彦 新潮社新書
少し前からベストセラーランキングの上位にあって、多くの人に読まれているようなので、1月半ばに購入した。氏の著書は昨秋に『祖国とは国語』を読んで共感していた部分もあるので、抵抗なく読み進めることができた。本書は純粋な書き下ろしではなくて、講演記録に大幅に加筆したものということわりが「はじめに」でされている。そのため読みやすい反面、同じ内容の繰り返しが見られたり、時にはやや論理の整合性に欠ける部分が見られるが、ちゃんとした大人が読めば著者の主張は誤り無くくみ取れるはずだ。以前は持っていたのに今の日本が失っているもの、失いつつあるものを取り戻すには何をすればよいのかを示唆している。どこか歯車が狂い始めている日本を建て直すために、読者の中から具体的な行動を起こさないといけないと思わせる。(2006/02/19記す)
○『生協の白石さん』 白石昌則 東京農工大学の学生の皆さん 講談社
東京農工大学生協工学部店にお勤めの白石さんによる「ひとことカード」の受け答えを厳選してまとめたもの。本来は生協に対する商品の品揃えなどに対する要望を伝えるものだが、学生達のちょっとした相談にもウイットに富んだ回答を白石さんがしている。インターネットのブログが口コミで広がり、マスコミの取り上げるところとなったらしい。カードのメッセージには故意に困らせようとしているような内容も見られるが、それにしても、白石さんの回答には人柄が現れているようで感心させられる。(2005/12/26記す)
○『五木寛之の新金沢小景』 五木寛之監修 北國新聞社
金沢にゆかりのある作家五木寛之氏による金沢ガイドブック。1ページまたは見開き1ページで99景の金沢の魅力を伝えている。通常の旅行ガイドブックには掲載されないような金沢の魅力がいっぱい。元はテレビ金沢のシリーズ番組「新金沢小景」で、その集大成として本書にまとめたとあとがきにある。写真も多く、また金沢に行ってみたい気にさせてくれる。
余談だが第93景に「校歌よ永遠なれ」の項に、平成7年に瓢箪町小学校と此花町小学校が統合されてできた金沢市立明成小学校の校歌はさだまさし氏が作詞・作曲したとあり歌詞も掲載されていて、思わぬ見つけ物をした。同小学校のHPにはさだまさし氏が平成12年2月21日に同校を訪問したときの写真もあった。(2005/12/11記す) 明成小学校HPアドレス → http://www.kanazawa-city.ed.jp/meisei-e/
○『祖国とは国語』 藤原正彦 講談社
8月末に藤原正彦氏の講演を聴き、その会場で講演後に購入した。氏のサイン入り。氏は数学者でお茶の水女子大学理学部教授。作家新田次郎氏の次男である。数学者でありながら国語教育に造詣が深く、講演もこの本のタイトルに沿ったものであった。本書は書き下ろしではなく、新聞や雑誌に掲載されたエッセイを再構成したもの。家庭における自然科学者としての姿も描かれており興味深い。国語教育に関しては溜飲の下がる思いがした。教育の現場に携わっているものとして、日々感じていることをズバッと言ってくれている。これから日本をしっかりとした国にしていくには、教育全般を建て直すことが緊急で、中でも国語教育をしっかりやらなければならないと気付かせてくれる。(2005/11/06記す)
○『宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み』 西岡常一棟梁の遺徳を語り継ぐ会監修 日本経済新聞社
西岡常一氏が亡くなって10年。氏の業績を振り返りその遺徳を後世に伝えたいという「語り継ぐ会」がまとめたもの。前半は平成元年に日本経済新聞に連載された氏の「私の履歴書」の再掲。西岡氏自身の執筆による。後半は西岡氏と一緒に仕事をした方々の座談会やインタビューで構成されている。西岡氏に関する著書は今までにも読み、ここでも紹介したが、何度読んでも深く考えさせられることばかり。氏の志を後世に伝えたいという「語り継ぐ会」の方々の思いもよくわかる。機会があれば是非一読をおすすめしたい。(2005/08/27記す)
○『水族館の通になる』 中村 元 祥伝社新書
5月頃、新聞の書評にあって面白そうだったのですぐに書店に探しに行ったが売れているらしくてなかなか買えずににいたら、7月下旬になってようやく目にして購入した。当管理人は、いつからともなく水族館が好きになった。機会があればあちらこちらの水族館を見てみたいと思う。ところで、水族館はどうも多くの日本人が好きらしいのだ。さかなたちがゆったりと泳ぐ姿に何か癒される、心を和ませてくれるというところが人気の元のように感じる。本書はその水族館について、裏事情というか、水族館の内情を伝えてくれる。さかなたちのエサはどのように調達しているとか、そもそも展示しているさかなはどのように仕入れるのか、などなど一般人の素朴な疑問に答えてくれている。本書を読んで水族館に出かけると、また違った楽しみ方が出来ると思う。(2005/08/16記す)
○『たった1分でできると思わせる話し方』 樋口裕一 幻冬社
ベストセラーになっている同著者の「頭がいい人、悪い人の話し方」と一緒に書棚にあったので、両方買ってみた。「頭がいい人、悪い人の話し方」はまだ読んでいないが、「たった1分で〜」は正直に言って面白くなかった。だいたい心当たりがある内容だったので、そんなに目新しさを感じなかったからかも知れない。また、例示をするのに、タイムリーな話題ということはあるのだろうが、「フリーター」の例示しか出てこないのはつまらない。もっと別な例示をどんどんすれば、How To本として意味があったかも知れない。残念だけれど、後ろ半分くらいは飛ばし読みした。
(2005/03/29記す)
○『負け犬の遠吠え』 酒井順子 講談社
2004年の流行語大賞に選ばれた「負け犬」(30代以上、未婚、子無しの女性のこと)の元となった著書。「IN☆POCKET」という雑誌(管理人は知りませんでした)に連載されていたエッセイをまとめたもの。「負け犬」の発生、特徴、処世術などの大見出しのもと、著者自身の経験に基づく考察が綴られている。いちいち納得できる部分もあったり、「雄の負け犬」である当管理人にとっても耳の痛い話であったりで、読み進めるのにやや心苦しいところもあった。ただ、著者は真面目に少子化や高齢化社会の展望についても論じており、「負け犬」と言う言葉が流行語大賞に選ばれたのもそれ相応の社会の反応があったということであろう。決してふざけた、おちゃらけた内容でないことは強調しておかなければなるまい。
(2005/03/05記す)
○『問題な日本語』 「明鏡国語辞典」編者 北原保雄 編 大修館書店
大修館書店は国語・漢文関係の学習図書や辞書を刊行している出版社である。最近では「明鏡国語辞典」で意欲的な取り組みを見せている。その辞書の編者たちによって、現在使われているどこかおかしい日本語を解説したのが本書である。ひとつひとつ具体的な事例を文法的に解説し、許容される表現か、明らかに間違った表現なのかをはっきりさせていく。本文には文法的な解説がされる分、「文法」にアレルギー反応(?)を起こす人には辛いかも知れないが、その辺はサッと読み流しても大丈夫。所々にはマンガを配して和ませてくれる。また、各ページの下段には間違いやすい表現を説明している。日本語のどこかおかしい表現に気付いているあなた、必見です。(2005/02/06記す)
○『言いまつがい』 糸井重里〔監修〕 ほぼ日刊イトイ新聞((株)東京糸井重里事務所)
本書は以前にここで紹介した『オトナ語の謎』とほぼ同時に発売されたが、面白いと思いながらも当初はあまり心引かれず購入に至らなかった。たまたま書店でまた見かけて手に取ってみて、読んでみようと思った。まとまりのある読み物ではなくて、市井の市民の言い間違いや思い込みを集めたものだが、いろいろな勘違いがあって思わずニタニタしてしまう。簡単に読み終わってしまうかと思ったが、以外とボリュームが合って楽しみ甲斐がある。あなたも知らず知らずのうちに“言いまつがい”をしているかも知れない。装幀に特徴があり、斜めの裁断や角が1ヶ所丸めてあって面白い。(2005/01/30記す)
○『電車男(でんしゃおとこ)』 中野独人 新潮社
昨年10月に発売になってから50万部を突破したという新聞広告につられて、改めて書店で手に取り購入、一気に読み終えた。実は発刊前後にこの話が話題になっていたことを知っており、刊行直後にも実は書店で手に取ってみたもののその時には購入意欲がわかなかった。理由はいくつかあった。「2ちゃんねる」というインターネットの掲示板上での出来事であるということに一種の偏見或いは嫌悪感・抵抗感という刷り込みがあったこと、それがなかったとしても掲示板の書き込みの内容やフォーマットをそのまま印刷してあるので、2ちゃんねる掲示板独特の言い回しや約束事など、少々読み方に慣れが必要と感じ億劫になったことが主たる理由であった。しかしながら、感メディアから聞こえてくる書評や論評に加えて、1月19日の読売新聞朝刊に掲載された2〜3面に渡る5段抜きの広告と各界の著名人のコメントがこの本の購入意欲をかき立てた。
ストーリーは、あるとき電車内で酔っぱらったおじさんから女性を救った秋葉系オタク青年(通称・電車男)が、その彼女(通称・エルメス)と交際を進めるために2ちゃんねる掲示板上の住人たちからさまざまなアドバイスや叱咤激励を受けて彼女を恋人としてゲットするというもの。それを生々しいログで綴ったというところに、臨場感やノンフィクション性があり、ドキュメンタリー的でさえある。主人公である電車男の成長ぶりも見事だし、エルメス嬢の人柄にも好感が持てる。そして何よりも掲示板上の住人たちの電車男に対する愛情がそこここに感じられる。彼らは電車男の成功を祈りながら、彼ら自身もそうなりたいと心の中で思っている。電車男の成功は彼ら自身への期待でもあったに違いないし、その象徴が電車男だったのである。
インターネットの掲示板で繰り広げられるこのストーリーは、ネット上という性格からややもすると無機質的とか非感情的とかという風に誤解されるかも知れない。ところがどっこい、全く逆でお互いに見ず知らずの住人達が共感・協力し合い強い連帯感でもって、電車男を何とかしようという愛情に溢れている。読者はいつしか掲示板の住人たちの仲間になって、きっと心の中で「電車男、がんばれっ!」と応援してしまうに違いない。この物語は「冬のソナタ」などとはまた違った“純愛物語”である。読者は読み進めていくうちに、知らず知らずのうちに妙な興奮を憶えるに違いない。こんなにも気持ちが昂ぶる読み物に出会ったのは久しぶりであった。
読み進める上での注意点は、2ちゃんねる掲示板上での独特の表現に慣れるということに尽きる。第1章(Mission1)をゆっくり読んでその表現に慣れることで、第2章(Mission2)以降を一気に読み進めることができる。独特な表現の代表的なものは、カバーを外した表紙に簡単な解説があるので是非参考にしよう。それが分らないと、「何だ、この誤植だらけの本は。読みづらい。」となりかねないので、くれぐれも注意したい。たくさん出てくるアスキーアートを楽しむのもいいし、電車男の報告をいちいち攻撃に見立てて、書き込み方が“戦争ごっこ”になっているのを面白がるのも楽しみ方の一つである(“戦争ごっこ”の部分には過剰に反応しないほうがよい)。(2005/01/22記す)
○『眉山(びざん)』 さだまさし 幻冬社
かねてから執筆中とアナウンスされていたさだまさしの小説第3弾。眉山は徳島市の象徴になっている山の名前と知った。舞台はその徳島市。江戸っ子で気風(きっぷ)のいい“神田のお龍”こと龍子とその娘咲子の物語。龍子は末期の癌に侵されて余命数カ月だが凛とした強さを持っていて、献体の手続きもしている。咲子は看病をしながらそんな母親の人生や自分の出生について知っていく。やがて阿波踊りの華やかさの中で龍子と咲子は咲子の父親に違いない人とすれ違う。
現代の医療や看護の現場に一石を投じるような内容をも含んで物語は進んでいく。原稿枚数320枚の長編小説だが、引き込まれてあっという間に読み終えてしまう。(2005/01/09記す)
○『日本語「日めくり」一日一語』 読売新聞校閲部 中公新書ラクレ
読売新聞朝刊の解説面にある小さな囲み記事をまとめたもの(現在も掲載中)。普段何気なく使っていることばの語源や誤った使い方などを紹介して、正しい意味や用法を啓蒙しようという意図が感じられる。本HPにも「言葉の森」と題したページを掲載しているが、それと同じで、コンセプトがかぶってしまっている。新聞の記事と本書は、言葉のプロ中のプロが書いているので、「言葉の森」は敵わないところがちよっと残念。
それにしても、言葉の発生や語源を知るとその言葉の正しい意味を理解できるし、誤った用法が防げるのがいい。本書を読んでいくと、現在の使われ方が語源からは離れてしまっていたり、誤った使い方が大勢を占めていたりと、言葉の変遷に驚かされる。第2集まで発刊されている。(2004/10/23記す)
○『スバル・メカニズム』 中部 博 三樹書房
スバリスト(スバル=富士重工製の自動車を愛して止まない人々)にはたまらない一冊。スバルの車の35のパーツについての開発やコンセプトについてそれぞれの技術担当者に取材をした解説書。パーツの名称は知っていても、実際にそれが果たしている役割は正確には分っていないのだと知らされる。また、開発時の苦心やパーツに込めた技術者の想いを知ると車に対する思い入れがまた違うものになっていく。
本書はスバルの月刊広報誌「カートピア」に連載されていたものをまとめたもの。スバルの営業担当者から時折頂いていたときに、一冊の本にまとめてくれたらいいなと思っていたものがそのまま実現したので、書店で見かけて躊躇せずに購入した。本になったということは、それだけの需要があるとの判断だと思うけれど、スバリスト以外に買う人はいるのかなぁ?(2004/07/24記す)
○『オトナ語の謎』 糸井重里〔監修〕 ほぼ日刊イトイ新聞((株)東京糸井重里事務所)
本書はコピーライターの糸井重里氏のHP「ほぼ日刊イトイ新聞」に寄せられた“オトナ語”を編集・再構成したものという。本書を知ったのは新聞の書評。面白そうだったので早速書店で買い求める。内容はビジネスマンであれば必ず聞いたり使ったりしたことがある言葉の解説書である。解説書と言っても決して堅苦しいものではなく、「そうそう、そうなんだよね」と思わず共感してしまう内容で面白い。高校生が読んでも面白くないと思う。就職を控えた大学生などが読むと、ビジネスの世界ではそんな言葉を使っているのかな、と感じることができると思う。現役のビジネスマンであれば、きっとほくそ笑むこと間違いなし。(2004/03/29記す)
○『古寺巡礼』第一巻奈良・第三巻京都1(ともに本編・ガイド版)五木寛之 講談社
テレビ朝日系列で放送中の同名番組の書籍版。各寺院がエッセイ風に紹介されている。旅行ガイドブックでは紹介されないような歴史も紹介されるので、それぞれのお寺を拝観・見学するときの参考になる。ガイド版には美しい写真が満載で旅情をそそられる。また、各寺の境内地図のイラストも美しくわかりやすい。もう少し手ごろな値段だと買い求めやすいが、カラー写真の事を考えると、仕方がないところか。 (2004/03/29記す)
○『あきらめない』鎌田 實 集英社
前著『がんばらない』に続く長野県諏訪市の諏訪中央病院の院長をしていた鎌田先生の著書。著者の経験に基づく素晴らしい医療実践と、生きたいと強く願う患者さん達の強い意志が読者を惹きつける。鎌田先生の生い立ちにも触れられている。新聞各紙の書評にも取り上げられ、絶賛されている。ちょっと涙もろい管理人は涙無くしては読めないところもあって・・・・。医療関連の仕事をしている方や医療を志している方にぜひ読んで欲しい一冊。(2003/03/16記す)
○『解夏(げげ)』さだまさし 幻冬社
発売直後に購入したものの、まとまって読む時間がなかったのでほったらかしにしてあったのを、1月2日に一気に読み終えた。
2001年夏に上梓された自伝的小説『精霊流し』に続く小説第2弾。『精霊流し』はあくまで“自伝的”であったため、かえって創作しにくい部分があったと思われるが、今回はあくまでフィクションでありその意味では物語の展開が自由にできるという点で、前作に較べてより小説らしい感じがする。
読み始めるとすらすらと読み進めていける読みやすさ。内容的には重いテーマも扱っているが、どの物語も読み終えた後に爽快感というか、何かすっきりするような、そんな印象が得られる。意図したものかどうかは分からないが(私には意図したもののように思います)、さださんの楽曲名がそこここに登場する。さだファンにとってはそんな楽しみ方もできる小説。
まだ読んでいない方、さだまさしを抜きにしても小説としてお薦めできる1冊。(2003/01/11記す)
○『プロジェクトX ザ・マン』NHK「プロジェクトX」制作班 NHK出版
過去に放送された同番組の中から心臓バチスタ手術の医師須磨久善氏・ホテルニュージャパン火災の際の特別救助隊隊長高野甲子雄氏・高校ラグビー日本一の監督京都伏見工業高校監督の山口良治氏の3氏に番組チーフプロデューサーの今井彰氏がインタビューしたもの。各氏ともオン・エア時にゲストとしてスタジオで話をしているが、当然番組内よりもより詳しい話が展開されている。3氏のプロジェクトを追った各回の放送内容はいずれもインパクトがあったが、当事者からより詳細な内容を聞くことにより、更に印象が強まる。同時に3氏とも強いメッセージを読者に訴えてくる。いずれもそれぞれのリーダーにふさわしいメッセージばかりで共感できる。(2003/01/01記す)
○『心にひびく日本の古典』山口 博 新潮社
本書を知ったのは新聞の書評だった。ここのところ日本語に関する著書が多数出版されており、書名だけを見たときにはそれに類するものかなと感じたが、読売新聞(9月8日)にあった荻野アンナさんの書評を読んで絶対に読んでみたいと思った。その書評には・・・『「宇津保物語」には「王朝アラビアンナイト」という副題がついており、平安時代の恋と冒険の物語を、文字通りアラビアンナイト風に「意訳」してある』とか、『取り上げられている作品の幅は広く、やんごとないポルノやら、アンドロイドの登場するコワイ話もある』、『大和物語や源氏物語などの名作は老人問題という新たな視点を得て、切実かつ身近な顔をかいま見せる』等々、いわゆる古典からは想像もつかない言葉が並んでいる。これは自分で確かめなければならぬと、さっそく書店で探して購入。読んでびっくり、玉手箱(爆)。古典のこういう読み方があったのか、という驚きの連続。大和物語や源氏物語から老人問題を考えるという視点には納得がいったりしたが、いちばんびっくりしたのは『小柴垣草子』という作品の存在で、著者がつけた副題は「王朝ポルノ物語」。内容は現代のポルノ小説そのまんま。本書の中では多少の意訳や誇張もあるだろうが、鎌倉時代にこういう作品が書かれていたということ自体が新鮮に感じられた。もっとも、冷静に考えてみれば人々の営みや考え方や行動というものは、根本的に千年前だろうが二千年前だろうが同じはずで、だから古典を読むということは先人たちの感じたことや考えていたことに現代人が学ぶということで、意義があることなのだ。(2002/11/23記す)
○『生きかた上手』日野原 重明 ユーリーグ
本書は雑誌『いきいき』に著者が連載しているものを整理して単行本化したもの。読もうとしたきっかけは、NHKの「クローズアップ現代」でこの著書と著者日野原重明氏が取り上げられ、本書が大きな反響を呼んでいるということからであった。
著者は90才にして現役の医師で、聖路加国際病院理事長・名誉院長の肩書きを持つ。かといってえらそうにしているかといえばそんな風はまったくなく、患者やその家族の視線に立った医療の実践に心を砕いている素敵な人物である。
内容は大きく分けるとふたつ。ひとつは、「生きる」と言うことに対する考え方を示唆する内容。『いきいき』と言う雑誌は50才以上の方を読者として想定した雑誌らしく、言ってみれば、第2の人生を送るためのヒント集といった趣である。しかしながら、本書の内容は若い読者にも共感を呼んでいる。ふたつめは、著者の医療実践、とくにターミナルケア(終末医療)の実践とその考え方について述べている。なるほどなと思わせる視点が多く、考えさせられる。(2002/08/16記す)
○『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』
向山淳子 + 向山貴彦 幻冬社本書は一言で言えば文法用語を一切使わずに英語の“読み方”を分かりやすく説明した書。高校1年生ぐらいが丁寧に読めば、英語の読み方のコツが分かるようになっている。もちろん、大人が読んでもなるほどと思わせる。筆者が「はじめに」で「本書が一冊で英語のすべてが分かるといった本ではなく・・・」と言っているように、結局学問に王道はないのだろうが、本書は英語を読むことに対する垣根を低くしてくれることは間違いなさそうだ。(2002/07/06記す)
○『いま、「修身」を読む』向谷匡史 ぶんか社
「修身」と言うと、戦前までの道徳規範で思想教育という印象が強いと考えられている。確かに、戦後になって日本がGHQの支配下にあった時に思想教育であるという観点から廃止された。ゆえに、一般的には復活させてはいけないというような風潮が見受けられる。しかしそれは、「修身」というものの本質をとらえていない見方であるように思う。今更「日本国民に思想統制を」などとは間違っても思わないが、「道徳」という観点から冷静に読み解いていけば、「修身」に書かれている内容は普遍的なものである。道徳心や公共心、公徳心と行ったものが若い世代を中心にひどく薄れていて、世の中の治安が乱れている現在、この国を建て直すのに必要な内容が詰まっているように思う。若い世代、特に小中学生にその本質を伝えるためには、その伝え方、伝える側の力量が問われる。何も教師だけでなく、家庭における親の指導力が大きく問われると思う。本書にはそのあたりのアドバイスも盛り込んであり、役に立ちそう。「修身」教科書のすべての内容を紹介しているわけではなく、いわばダイジェスト版であるが、家庭でのこどものしつけや、学校における指導に役立つエッセンスが詰まっているので、一読をお勧めしたい。(2002/07/04記す)
○『本当の学力をつける本』陰山英男 文藝春秋
著者は兵庫県朝来(あさご)町立山口小学校の先生である。この小学校は10年ほど前からこどもの基礎学力をつけることを目標に独自の教育実践を行って実績をあげている小学校である。折しも学校完全週5日制や学習内容を3割削減した学習指導要領の実施等で学力不足が懸念されているが、本当の学力はどのようにして身に付けるべきかを示唆する貴重な実践記録である。
この学校の実践を初めて知ったのは、2000年10月末にNHKの「クローズアップ現代」という番組で放送されたのを偶然に見ていた時であった。そこで紹介された実践内容とその結果に目を見張った。「百ます計算」や「音読」の基礎学習の繰り返し、学校ばかりでなく家庭や地域を巻き込んだこどもの教育態勢がこどもの学力アップにつながっていることを伝えていた。
本書のサブタイトルに「学校でできること 家庭でできること」とあるが、山口小学校の実践を一朝一夕に真似することは難しいかも知れないが、一つ一つの実践をヒントあるいは参考にして子どもたちに本当の学力をつけるにはどうしたらいいかを考えるきっかけにする教師・親が増えたらと思う。
(2002/04/29記す)
○『大掴(おおづかみ)源氏物語 まろ、ん?』小泉吉宏 幻冬社
下に日本語ブームの兆しがあると書いたが、『源氏物語』もまた静かなブームの様相を呈している。書店に行くと、『源氏物語』に関する書籍がよく目に付く。本書はその中にあって異色を放っていると言ってよい。54帖のうちの1帖1帖が基本的には8コマの漫画で描かれており、しかも主人公光源氏は栗(まろん)で表され、何ともふざけた感じを最初は受けるが、ところがどっこいバカにはできず、要領良くまとめてあることに驚かされる。帯には「構想6年、制作3年!」「これ1冊で『源氏物語』全部を読んだ気になれる」のコピーがおどっており、あながち嘘でないなと妙に感心したりする。各帖における登場人物の相関図や和歌の解釈もあり、『源氏物語』を理解する上で、必要最小限のことは網羅している。『源氏物語』の入門としてはうってつけかも知れない。本書でも“須磨源氏”に陥ってしまうようだと永遠に『源氏物語』は読み終わらないかも。
それにしてもここのところ幻冬社は面白い本を出しているな〜。
(2002/04/16記す)
○『常識として知っておきたい日本語』柴田 武 幻冬社
ここのところ、再び日本人による日本語ブームの兆しが感じられる。何年かおきにエポックメイキング的な著書が話題となってブームになるようだ。根底にはよく言われる“日本語の乱れ”があるのだろうと思う。定期的に本書のような著書が話題となることで、ひょっとするとその“乱れ”に歯止めがかかったり、ある言葉の本来の意味や用法を知ることになるのだろう。本書も過去に出版されている複数の著書をを再構成・再編集したものだと奥付にある。新聞各紙の書評に取り上げられたり、広告も大々的に出されていて、人々の関心の高さがうかがわれる。それにつられて購入してしまった一冊である。
内容は、誤って用いやすい語の正しい用法や、普段何気なく使っている言葉の語源について説明されているのだが、説明の仕方が少々まわりくどいところがあり、ややもすると肝心な部分を見落としがちになりかねない書き方になっている。もっと端的に肝心な部分、つまり語源や正しい用い方を示すような構成の仕方を望みたい。著者の経験や体験談が前に出てきている感じがするので、一種のエッセイ風の感じがするので、そういう読み方をすればそれはそれでいいかも知れない。ただ、辞書的に使いたいという方には、内容的に物足りない感じがすると思う。どちらかと言えば、たぶん前者の読み手を想定していると思うので、あまりうるさいことは言わないほうがいいかも知れない。ある語について詳しく知りたくなったら辞書を引きましょう。
(2002/04/16記す)
○『あたまわるいけど学校がすき』川崎 洋 編 中公新書ラクレ
読売新聞の家庭面に毎日掲載されている「こどもの詩」から編者が選んだ秀作をまとめたもの。以前から読売新聞のこの覧には注目していて、こどもたちの鋭い感受性し柔軟な発想にいつも驚かされる。あわせて選者の川崎氏の短くも温かい目の感想がよい。新書版にまとめるにあたり、その感想も省かずにそれぞれの詩に添えてあるのが嬉しい。純粋な心を忘れつつある大人にぜひ読んで欲しい一冊。
(2002/04/16記す)
○『寿司屋のかみさんうちあけ話』佐川芳枝 講談社文庫
書店でたまたま見かけて購入。著者が寿司屋のおかみさんになった経緯や、あまり知られることがない寿司屋の裏側がたっぷりと紹介される。本書を読むと寿司屋に行って寿司を食べたくなること請け合い。
シリーズで『寿司屋のかみさんおいしい話』『寿司屋のかみさんとっておき話』もある。
(2002/03/02 記す)
○『せとぎわの魔術師』さだまさし 講談社文庫
○『絶対温度』さだまさし サンマーク文庫両著とも単行本で出版されていたものを、昨年秋から暮れに文庫化されたもの。単行本も持っているのに、表紙が違っていたり「文庫化に寄せて」という前書きがあるだけの違いで購入してしまうのはファンとしての悲しい性だろうか。
『せとぎわの魔術師』は、短編小説と著者自身の解説を語るエッセイからなる。エッセイは、さだまさしをあまり知らない人がその人となりを知るにはちょうどいいかも知れない。ちなみに私は、冒頭の『伊勢物語』をパロディ化した「似非物語(まえあがき)」が好きです。
『絶対温度』は楽曲のライナーノートとコンサートトークの再録を合わせたような内容で、さだまさしに興味を持った人にはより興味を惹かれるようになるだろうし、年季の入ったファンにとっては2度も3度も美味しい内容に違いない。(2002/02/03 記す)
○『世界がもし100人の村だったら』池田香代子(再話) マガジンハウス
Eメールで配信されたものをもとに、受信者が徐々に内容を付け加えていったという「インターネットの民話」と呼ばれている。現時点の地球に住むすべての人間を100人に縮尺した時に、どういう人間の構成比になっていて、地球上でどんな現実があるのかが端的な数字で表現されている。正直言って衝撃を受けた。そして、自分の認識の甘さや、自分がいかに恵まれているかを認識させられた。僕には何ができるのだろう。(2002/01/28 記す)
○『声に出して読みたい日本語』齋藤 孝 草思社
ここしばらくベストセラーランキングに入っている本。著者は大学の文学部助教授。ベストセラーになる前に一度書店で手に取ってみたが、その時はあまり興味を引かれなかったので購入しなかった。その後かなり売れている様子なので、気になって購入した次第。
音読や暗誦の効用については当管理人も多少の理解はしているので、読んでみようと思ったわけだが、私にとってはちょっと物足りなかった、というか期待したほどではない感じであった。何がそうさせるのかといえば、おそらく、取り上げられている日本語(文学作品の一節であったり、早口言葉であったり、するわけだが)は妥当だと思うのだが、それぞれの「日本語」についての著者の解説が中途半端なのである。取り上げた「日本語」についての「随想」というとらえ方もできなくはないが、それでは本書の意図からは外れてしまうし、「随想」ほどの内容を持ち合わせていない。かといって、原文の十分な解説になっているわけでもない。この辺をはっきりとさせて、原文の十分な解説をするか、逆にしっかりとした口語訳だけをつけて、あとは読者に委ねたほうが本書の意図するところが良く伝わったような気がする。(2002/01/28 記す)
○『「タンポポの国」の中の私』フローラン・ダバディー 祥伝社
著者の名前はあまり耳にしないかも知れない。しかし、現サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエの隣にいつもいる通訳の青年と言えば分かる人も多いと思う。しかしながら本職は映画雑誌の編集者である。なんとも妙な取り合わせだが、本書を読み進めていくうちに、彼自身のこと、サッカー日本代表のこと、彼の考える国際社会人等々について理解が進む。サッカーの話題も多いが、サッカー通でない人にもお勧めしたい一冊である。ちなみに、本書のタイトルにある「タンポポ」は、伊丹十三監督の映画「タンポポ」で、著者が好きな映画という。
○『プロジェクトX リーダー達の言葉』
NHKプロジェクトX制作班編 今井 彰 文芸春秋
下記書籍のダイジェスト版みたいな感じ。各プロジェクトのリーダーのここ一番という場面での言葉を抜きだしているが、前後のストーリーが極力コンパクトに要約してあるので、感動は薄い。
○『プロジェクトX 挑戦者たち』1〜7
NHKプロジェクトX制作班編 NHK出版
2000年春からNHK総合テレビで放送中の『プロジェクトX 挑戦者たち』の書籍版。戦後日本のさまざまなプロジェクト成功の陰にいた「無名の日本人」に光を当てる感動的なドキュメンタリー。一度放送を見た後でも、再びよみがえる感動の数々。不景気と言われる現代社会の中に一服の清涼剤のようにすがすがしさと勇気を与えてくれる。同放送を視聴して勇気と希望をもらっているビジネスマンが多いという。
(参考)『プロジェクトX 挑戦者たち』放送時間
毎週火曜日 NHK総合テレビ 午後9:15〜10:00
NHKホームページに同番組のページもあります。
○『不揃いの木を組む』小川三夫 草思社
最後の宮大工棟梁と言われた西岡常一氏(故人)の唯一の内弟子・小川三夫が率いる宮大工集団「鵤工舎」での弟子の育て方・考え方を訥々と語る。学校教育とは一味もふた味も違った人間の育て方をしている「鵤工舎」だが、学校教育でも参考にしたい教育論がちりばめられている。
(参考)『木のいのち木のこころ(天)』西岡常一著 草思社
『木のいのち木のこころ(地)』小川三夫著 草思社
『木のいのち木のこころ(人)』塩野米松著 草思社
○『がんばらない』鎌田 實 集英社
長野県の諏訪中央病院で地域医療に真摯に取り組む筆者の実践記録と言ってもいいようなエッセイ集。マスコミ等で報じられる医療問題とは対局にあるような医療実践を綴っている。この病院で治療を受けられる患者は幸せだろうなあと感じさせる。
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