今年1月にNHK-BSで放送された 「さだまさし・原田泰治のアート紀行」で北海道の佐藤領江子さんが原田泰治さんの絵をキルトで製作しているということを知り、近々原田泰治美術館で展示されるだろうと思っていたところ、この夏に企画展示会が開かれることを知り、何とか現物を見てみたいと言う思いで、今回の小旅行になった。宿泊先だけは決めておいて、列車の乗車券などはすべて現地で調達。乗車する列車の予定はたてておいた。
<8月27日>
【行程】
自宅→JR宇都宮駅(東北新幹線)→JR東京駅(中央線)→JR新宿駅(中央本線)→JR上諏訪駅 7:44発 8:40着 10:00発 12:08着
上諏訪・諏訪湖畔周辺(原田泰治美術館・ぬのはん<小宮山雪陽書作>・豊光堂<原田泰治の原点>・諏訪高島城公園)
【上諏訪まで】
早朝、と言っても6時過ぎ、自宅を出発。宇都宮の職場の駐車場に車を置いてJR宇都宮駅へ。
東北新幹線(宇都宮−東京)、中央線(東京−新宿)と乗り継いで、いったん新宿駅下車。みどりの窓口で上諏訪駅までの特急乗車券(もちろん自由席)を購入。10時ちょうど発の「スーパーあずさ5号」に乗車。平日ながら全車両満席とのこと。八王子駅ではビジネスマンなどが乗り込み、自由席車両は立っている人も多い。八王子駅を出ると車窓はこれでも東京都なんだ〜(^^;)と言う風景に変わる。甲府駅でビジネスマン風の人が多く下車。
車中、車内販売員と車掌のアナウンスに苦笑・・・。
<その1> 車内販売員(2回目の販売で)
「車内販売のご利用はいかがですか。お弁当は終了しました(売り切れ)。」
(気持ちはわかります、何を伝えたいか。でも、「ご利用はいかがですか」の次に
「お弁当はありません」じゃあね〜^^;。何を売りにきたんだっ!!っていう感じになってしまいます。)
<その2> 車掌の車内販売のご案内
「・・・温かいホットコーヒーはいかがでしょうか。・・・」
(温かいアイスコーヒーや冷たいホットコーヒーもあるのかっ!!と思わず突っ込みを入れたくなってしまう自分は変?
日本語をできるだけ美しく、正しく使いたいと願っているだけなのです。)
まあ、そんなこともありながら12時08分、時刻表通りに上諏訪駅到着。
【上諏訪探訪】
改札口を出て、荷物をコインロッカーに入れて、いざ上諏訪探訪・・・といくはずだったのが、駅のコインロッカーはあいにく全部ふさがっている。目の前で空いている最後のロッカーに荷物を入れている方がいて、がっくり。出鼻をくじかれた感じ。しかたがないので、今晩宿泊することになっていた駅にほど近い「山本や」へ電話。事情を説明して、まずは荷物だけ置かせてもらうことにする(「山本や」さんについては、後述します)。
身軽になったところで、まずは諏訪湖畔へ。湖畔の遊歩道「かりん並木」を原田泰治美術館方面へ歩く。この並木道は車道と平行しているが、車道よりも1段高くなっている。車道に沿ってかりんが植えてあり、季節柄その実に紙袋がかけてある。かりんは諏訪市の市木らしい。遊歩道の両側にはナナカマドが植えてあって、葉や実が赤く色づきはじめていた。諏訪湖畔から山側を見ると、急な斜面に住宅や保養施設が建ち並んでおり、その風景は長崎を彷彿とさせる。
昼食をとっていなかったので、どうしようかと思っていたところへヨットハーバー前で「萬盛庵」(蕎麦屋)を発見。前日、インターネットで上諏訪周辺の情報を収集していた時にたまたま見ていたHPにあったので、覚えていた。渡りに船、と店に入る。席について、店内を見渡すと、壁には額に入った原田泰治さんの絵(複製)が4点かけてあった。ご当地の芸術家を盛り上げようという心意気を感じた(「萬盛庵」については「食べ歩記」のページでどうぞ)。
★原田泰治美術館
空腹を解消して、原田泰治美術館へ。夏休みも終わりに近く、しかも平日とあって訪れる人もそう多くはないようで、ゆっくりと鑑賞することができた。佐藤領江子さんのキルトの作品は本当に見事でした。7点の出品でしたが、初期の頃の作品に比べて最近の作品は、力の入れようというか、細部をなるべく原画に近づけようという意識が強く現れているようでした。一針一針縫っていくのは気が遠のくような作業に違いありません。それとは別に、原画の色や模様に近い糸や生地を見つけるのも大変なことと思います。感心したのは、「ただいま」という作品の水面に映った風景の描き方でした。制作にあたってはどうしたものかと思案されたと思いますが、とてもうまい方法で表現していました。キルト作品のすぐ脇には原田泰治さんの原画が掛けてあるのですが、原画を鑑賞することを忘れて、原画がキルトではどう表現されているのかというところに目が行ってしまい、原画を比較の対象としか見ていない自分に気づかされることがしばしばでした。
キルトの作品を十分に鑑賞した後、アート紀行で描かれた作品と常設展示をゆっくりと見ました。原画をひととおり見た後、館内でしか見られない原田泰治を紹介するVTRを見ましたが、これがこの後の「偶然の出会い」につながるとは思いもよりませんでした。
★ぬのはん<小宮山雪陽書作展>
原田泰治美術館をあとにして、諏訪湖畔を温泉街方面へ逆戻り。湖畔の遊歩道脇には、9月1日に行われる新作花火大会の場所取りがすでに行われている。老舗旅館の「ぬのはん」ロビーで行われているという書家・小宮山雪陽さんの作品を見に行く。けっこう期待していったのだが・・・そこにあったのは、はがきサイズを10枚ずつ額装したもの。大きな作品が展示されているものと思い込んでいたので、拍子抜けしてしまいました。それでも近代詩文書で自分の知っている文言(さだまさしさんの歌詞の一部・中にはこれはどの曲だったっけ?と言うのもあった<爆>)が毛筆で書かれているのは独特の味わいがありました。今度はぜひ大きな作品を見てみたいと思いました。
★豊光堂<原田泰治の原点>
泰治さんのお父様が入社した看板店(飯田市)で、後に諏訪市でそのお父様が経営に当たる。泰治氏は豊光堂デザインスタジオを設立し、同店2階でグラフィックデザイナーとして活躍したという。
さてこの豊光堂、美術館で見たVTRで初めて知ったのですが、舞姫酒造や伊東醸造あたりをふらついていたところ、怪しげな看板が目に付ついた。あれ〜、ついさっきVTRで見た看板とドアだ〜。あっ、そう、泰治さんは若かりしころここで仕事をし、さっきみたVTRではここでロケをしたんだ〜、と思いつくのに時間はかからなかった。本当に偶然の出会い(?)でびっくりしました。それにしてもあの看板は迫力があるというか、グラフィックデザイナーの看板としてはミスマッチというか・・・。
★山本や
この日宿泊したのは、「山本や」という言ってみればビジネスホテルならぬビジネス旅館といった趣のお宿。予約をするに当たってHPで見つけました。女将と若女将が切り盛りしているようですが、小料理屋も合わせて営業しているので、宿泊客も食事はそちらで取るようになっています。駅近くでこじんまりとしたお宿でしたが、一人旅には十分でした。
★その他、上諏訪駅周辺
さださんの某ファンサイト掲示板で情報を得ていた蕎麦の「とみや」を確認しましたが定休日でした。○○○劇場のすぐそばでした。この劇場の向かいの和菓子屋「四方木」で和菓子を土産に買いました。ここのご主人、とても人当たりの良い方でした。各種旅行ガイドブックの取材を受けているようです。それから、町を歩いていてふと気がついたのですが、駅周辺でみかけたコンビニエンスストアはデイリーヤマザキばかりでした。7-11のお店はたいがいのところにありそうですが、何か訳でもあるのでしょうか。夕方には諏訪高島城公園にも行ってみました。
諏訪湖畔のカリン並木 歩道の両側はナナカマド ヨットハーバー前の萬盛庵 原田泰治美術館 豊光堂 看板には龍が・・・
<8月28日>
【行程】
JR上諏訪駅(中央本線)→JR松本駅→松本市内(松本城・開智学校)→JR松本駅(篠井線)→JR長野駅(長野新幹線)→ 9:40発 10:17着 14:24発 15:38着/15:56発 JR大宮駅(東北新幹線)→JR宇都宮駅→自宅 17:15着/17:31発 17:57着 【松本市内探訪】
朝、山本やを発って上諏訪駅から松本駅へ。約40分間の普通列車の旅。駅のコインロッカーに荷物を預けて(この日は大丈夫だった)、いざ松本城へ。この日は松本城と旧開智学校を見るという予定だけしかたてなかったので、あとは行き当たりばったり。松本市内は山岳観光の拠点ということもあってか、とても奇麗に整備された街という印象を受けた。この日、宇都宮に帰って松本市と比べるとその雑然とした街並みに愕然とした。
★国宝・松本城
実に堂々としていて、なおかつ美しい姿をしている。天守閣を最上階まで上ったが、よくもまあ昔の人々はこんな大きな建物を人力だけで建てたものだと感心する。内堀には大きな鯉がゆったりと泳いでいた。
★重要文化財・旧開智学校
松本城から北へ向かって旧開智学校へ。ここも以前から訪ねてみたいと思っていた場所のひとつ。校舎内は教育資料館となっていて、明治初期からの学校の様子がうかがい知れる。校舎の外観は当時としては相当にハイカラだったに違いない。今見てもとても美しい。シンボルとなっている八角塔は、すぐ隣にある現・開智小学校にも受け継がれている。
★開智学校をあとにして、裏道を彷徨しながら松本駅へ向かう。途中、ガイドブックにあった「かつ玄」で昼食。
★JR篠井線
松本駅から篠井線の普通列車に揺られて長野駅へ。所要時間約1時間20分。途中、姨捨(おばすて)駅でびっくり。電車はこの駅を発車する時に、いきなり今までの進行方向と逆に走り出した???。いったいどこへ行くのだろうと思っていたところ、またいったん停車して、今度は長野駅方面に向かって走り出した。そこでやっと、スイッチ・バックをしたんだと気がつく。帰ってきてから調べてわかったが、この駅はJR線でも数少なくなったスイッチ・バックが見られる駅として、鉄道ファンにはよく知られているらしい。ここでも「偶然の出会い」ができた。
この路線は更埴市のあたりでは、盆地のへりにそって列車が走っており、眼下に街を眺める車窓が楽しめるが、もっと平らなところでもっと街の中を走っていれば便利だと思うのに、なんでまた山がちなところに鉄道を引いたのかと、不思議でした。
★帰途
長野駅から長野新幹線「あさま」に乗車、大宮で東北新幹線に乗り継ぎ、宇都宮着17時57分。
国宝・松本城 重要文化財・旧開智学校 正面入口と八角塔 (2002/09/01 記す)