雪雲を作り/雪を降らせよう


メタノールを使い、ナトリウムイオンと塩化物イオンを静電気の力で結合させる。

1.準備
食塩、メタノール、細長いコップ、割り箸

2.実験開始

@ビーカーなどを利用して飽和食塩水を作ります。
水温20度C前後では、水300ccに対し、食塩106gぐらいです。
100ccの水に対して、フィルムケース1杯ぐらいです。
はっきりした量が分からなかったら、食塩を溶けるだけ溶かして、コップの底に食塩が残ったら上澄み液を利用してください。

A飽和食塩水を8分目ほど細長いコップなどに入れます。
それに、メタノールを静かに注ぎます。
メタノールの量は、飽和食塩水の1/4程度です。


Bメタノールを注ぎ、3分ぐらいすると上の方に白い雲のようなものが表れます。
やがて、豪雨のように白い物質で降ってきます。


C白い沈殿物が全て落ちたら、上の部分を割り箸などでかき混ぜると、再び雪雲が発生します。

3.原理
実験は、とても簡単ですが、原理はとても難しいです。
食塩は、水に溶けるとナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて水の中に存在します。この状態を水和と言います。
これは、水分子が極性を持っているため起こります。水と同じ極性分子のメタノールを加えると、メタノールの水酸基が水分子と結合し、水分子の回りにあるイオンを切り離します。その結果、裸になったナトリウムイオンと塩化物イオンが静電気の力で結合し、食塩(塩化ナトリウム)の分子が生じます。食塩の分子は、複数結合し目で見える結晶に成長し落ちてきます。