チンダル現象 アイスフラワー
氷は、赤外線を吸収しやすいために、強い光が当たると内部から溶けだすとき、雪の結晶のように六角形の模様が現れます。これは、イギリスのジョン・チンダル氏が氷河の氷から発見したため、チンダル現象と呼ばれています。また、模様が花びらのようであるために、「アイスフラワー」とも呼ばれます。
1 準備するもの ・発泡スチロール製の容器 ・冷凍庫 ・強力なライト ・シャーレなどのガラス皿 ・ルーペや双眼実体顕微鏡 2.氷の作り方 アイスフラワーには、冬場に野外で自然できた氷が適していますが、水道水を冷蔵庫で凍らせた氷でもできます。 しかし、冷蔵庫だとなかなか一方向に成長した氷を作ることが難しいです。(対応策は、下部を見て) 発泡スチロール容器に水10cmほど水道水を入れ、ふたをせずに冷凍庫に入れます。 |
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※氷を作るときの注意 冷蔵庫の温度設定は、「弱」にして、8時間以上かけて、厚さ2〜3cmにすると良い。 できたら、氷を取り出し、シャーレに入る程度に割ります。 |
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3 観察 ○ 氷を太陽光に当てたり、強い光のライトに当てると、1〜2分で氷の中に小さな泡ができてきます。 ルーペや双眼実体顕微鏡で見ると、泡が円を描いて動いている様子が見られます。 これがチンダル現象で、氷の中で動く真空の泡です。 ○ その泡の周りをよく観察すると、雪印の結晶のように模様が成長していくのが見られます。 当てる光が強いほど早く成長します。 |
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4 うまく形ができない時 ○右の羽のような形は、氷の結晶が水平でなく傾いている場合に見られます。 ○右下の画像は、泡がくるくる回っていながら氷の内部がドーム上に溶けています。 ○下の画像は、冷蔵庫で氷を作るときにできた模様です。このような氷は、うまくアイスフラワーができません。 5 アイスフラワーができるわけ 氷は融けるときに体積が減ります。表面が融けるときは分かりませんが、赤外線を吸収して内部から溶けていくと、氷より水の体積が小さいために、足りない体積部分は、水蒸気を含んだ泡となります。 条件がそろうと、球形だったり、雪印だったりします。 |
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きれいな形を作るまで、いろいろ苦労しました。1度や2度、3度の失敗であきらめないでがんばってくださいね。