Sola REDiα フィルターの劣化

 このサイトは、DaySatar Filters Sola REDi に関する各種比較実験等を紹介していきます。
この機材は、友人のS氏よりお借りしている物で、フィルターの劣化の影響をテストしてみました。

購入後10年以上経験しており、保存状態が良くなかったために、メインのエタロンフィルターが劣化していました。
その様子と光学系を変えて撮影してみました。32mmの贅沢なフィルターですが8割近く劣化しています。劣化の様子をわかりやすくするために、
直接太陽光を当てています。


             下左がREDiαユニット                            右下がメインフィルターのエタロン 
   
   光径60mmの対物にチルトスキャンの0.7Åのエタロンフィルターが4xほどの
リレーレンズの組み込まれています。
REDiαの詳しくは、こちらを見てください。


テストは、REDiα本体にカメラを取り付けたプロミネンスの画像とボーグ76ED
、ビクセン90M、スカイウォッチャーBK150で比較しました。


 なお、画質の比較のために、プロミネンスや光球面の
模様を出すための強い処理は行っていません。
   
大きなチップのSAI174MMで撮影した黒点。どこに?と思うぐらいコントラストが低く、使い物になりません。
 REDiの60mmの対物レンズの焦点距離が短いだけでなく、この望遠鏡には、絞り環が入っていません。鏡筒内はつや消しがぬっいてるだけでなく
、全面ネジ山みたいに山が付けてあります。コストをかけているのですが、やっぱり絞り環の方がコントラストの面では優れていると思います。
   
   上と左は、REDiαのユニットをビクセンの90Mに取り付けてみました。
プロミネンスは、立派に取れているようにも思えますが、
下に示すQuantumとQuarkの画像と比較すると、明らかにコントラストが
低いです。

黒点は、シーイングが悪いためにぼやっとしています。
なお、同心円状の模様は、ニュートンリンクです。
ニュートンリングの発生は、フィルターの劣化と関係ありません。
なお、フィルターの劣化のせいで、画面上に村があります。
   15cm屈折にも取り付けみました。
REDiαのユニットは、2インチサイズなのでとても便利です


左下:REDiα
下 :DayStar Quark-prom
左下の下:DayStar Quantum

   
   REDiαのコントラストは、 Quark-promに比べ、低く、
細かいところが再現できません。
左は、 Quantum 0.5Aですが、REDiαにここまでの性能は求められません。
お値段が違います。
   これは、Quantumの画像です。参考に。
2021年11月17日の撮影です、シーイングがよくありませんでした。
    お借りしたREDiαの、波長調整はチルトスキャンです。

テストが冬のため、前回のテストの2010年の12月と同じく、
気温が低いために干渉フィルターを大きく傾けています。
 そのため、わずかに対物レンズに近い側では、左のようなゴーストが
現れてしまいます。これは、チルトスキャンの宿命です。気温が高く、
傾ける角度が小さい夏の方が出にくいです。また、フィルターの温度が
太陽の熱で上がると、ゴーストも弱くなります。
   
 上は、REDi鏡筒とボーグ76EDに、Quark-Prominenceモデルユニットを取り付けて撮影してみました。フレーミングの違いはありますが、
コントラストが明らかに違います。右のボーグの画像で、下の薄いプロミネンスが、左のREDiの画像の上に出でいるはずなのですが、
確認できませんでした。
 REDiの60mm屈折は、鏡筒内の反射処理は施されているものの絞り環がありません。その影響は大きいと思います
  太陽望遠鏡のフィルターは、湿度の影響が大きく、劣化という宿命
があります。右は、ラントのブロッキングフィルターのERF部分です。
干渉フィルターではありませんが、以前私が使っていた物です。
 左が新品、右が劣化した物です。交換のために取り寄せて、比較の
撮影しました。
 
 デイスターに限らず、ラントもコロナドも、フィルターの保管はできる限り湿度を下げるようにしたいです。
干渉フィルターには、ERFやUV/IRカットフィルターが使われますが、太陽熱より有害な紫外線カットが大事です。
 DayStarフィルターテストや太陽撮影の工夫一覧