概要
デイスターのフィルターは、リアマウントのエタロン・フイルターであり、フィルターへの入射光を理論的に平行光線にしないと、性能が発揮されません。また、発揮されないだけではなく、均一の画像が得られないのです。そのために、デイスター社はF値を30以上の望遠鏡に使うか、合成Fを30以上に設定する必要があると述べています。
下の図は、Daystar Quantumの解説書に記載してあるものです。この図は、同社のIONやCombo-Quarkフィルターにも共通しています。
デイスター社では、バーローレンズとしてテレビュー社のパワーメントを薦めています。マニュアルの中にも、「各種バーローレンズをテストして、TeleVue
Power-mateが最適である」と記しています。
私が限られたバーローレンズを比較しても、結果は同じでした。パワーメイトシリーズは、5倍を除きテレセントリック系の設計です。5倍のパワーメイトは、今回テストしたGSOの5倍と設計が似ています。
今回使用したバーローレンズは、最安値は3000円から最高値45000円まで15倍の価格差があります。カメラのディテクターサイズを考慮して選定すると良いです。
※テレセントリツク系のバローレンズを使って、撮影でなく眼視観察の場合、アイピースの視野が狭まったりアイリリーフが限られるので、覗きづらくなります。
10種の各バーローレンズと撮影結果
上の図は、半値幅0.5Åフィルターにおいて、F値と半値幅の変化を示したものです。グラフでも分かるように、F値を30以上にしないと、性能が発揮されないことを示しています。
図は、半値幅0.5Åのフイルターに対しての関連図ですが、他の値のフイルターにおいても同様です。
比較結果
上の図は、F5〜F15の望遠鏡は、F8であれば、4倍のバーローレンズを、F10であれば3倍のバーローレンズを使い、合成Fを30以上にしてください、と示されたものです。
比較の様子
右の画像は、コンボ・クォークとクォークです。コンボ・クォーク使用時は、バーローレンズの選択が必要になります。
コンボモデルは、バーローレンズが無いのに、価格が同じなのはおかしいと思う方もいらっしゃると思います。しかし、写真では分かりませんが、コンボの方はオリジナルよりブロッキングフィルターを大きな物を使っています。
各バーローレンズのディスターフィルターへの相性は、ケンコーSE120L(口径120mm→110mm、焦点距離1000mm)にクァンタムPE0.5Å、カメラはZWO ASI174MM(チップの対角13.4mm)で撮影した。撮影動画をRegistaxで200/400frameスタック処理し、縮小画像にしました。