100数十本の花束のタンポポの花
受粉・受精なしの生殖
(セイヨウタンポポ)

タンポポ 漢字で「蒲公英」と書きます。
 キク科の多年草で、関東地方のカントウタンポポ、中部地方から北に分布するエゾタンポポ、近畿以西に多いカンサイタンポポなどがある。そして、セイヨウタンポポは、ものすごい勢いで繁殖をしています。その秘密を探ってみましょう。
在来種と外来種の比較
カントウタンポポ セイヨウタンポポ
タンポポは小花が多数(100から200本)集まって1つの頭花をなしているが、このたくさんの花を取り巻いている部分を総苞(そうほう)と呼びます。
これは多数の苞葉が集合して形成された一種の葉的器官です。
在来種のカントウタンポポは、総苞外片は立っていて、外来種のセイヨウタンポポとアカミタンポポは総苞外片が外側に反り返っています。
カントウタンポポのめしべは、開花したときには、まっすぐでたくさんの花粉が付いています。 セイヨウタンポポのめしべは、つぼみが開くとともに、カールしています。

タンポポは、下のように一枚の花冠で覆われているのが、一つの花です。
おしべは、めしべの根元の部分です。
だから、おしべがないように感じられます。
左がカントウタンポポ。右がセイヨウタンポポです。
めしべが伸びているカントウタンポポに対して、セイヨウタンポポは、先がカールしています。
カントウタンポポのめしべには、花粉がたくさん付いています。
花粉が付かないと、子房が成長して種子ができないのです。
セイヨウタンポポのめしべには、花粉が付いていません。
花粉が付かなくても、セイヨウタンポポは、種子ができます。

このような生殖の仕方は、卵細胞と精細胞が融合しないで果実を作るので無融合生殖と言います。遺伝的には、三倍体(3n)といいます。
おしべに花粉は、ほとんどありません。
 二倍体(2n=2x=16)であるニホンタンポポは有性生殖を行います。また、自家不和合性があり、基本的に遺伝的に多様な集団がなければ繁殖できません。
 これに対して、三倍体 (2n=3x=24)の帰化種は、普通に減数分裂せず、染色体数が体細胞と変わらない2n=3x の卵をつくり、花粉なしに子供ができます(無融合生殖)。まるで、自分のクローンを作っていくかのようです。このため、帰化種は単独で繁殖可能です。
ここでおわかりのように、外来種のセイヨウタンポポは、ものすごい繁殖力を持ちますし、カントウタンポポは群落を作っていないと生き残れないのです。
できた種子は、綿毛と呼ばれ風に乗って遠くへ運ばれます。
ロマンチックな旅に出ます。着地して、条件が整えば1週間ほどで発芽します。
カントウタンポポやセイヨウタンポポの他に、数が少なくなりましたがシロバナタンポポも見つれることができます。

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