| 私たちは、外界からのさまざまな刺激(ストレス)を受けています。 このストレスに反応するのが自律神経系です。 自律神経系では、交感神経と副交感神経が それぞれ拮抗する作用を持って生体を統御しています。 交感神経が優位なときは、私たちがストレスと戦っている 「戦闘状態」にあることを示します。 逆に副交感神経が優位なときは、安らいだ「リラックス状態」 であることを示します。 たとえば、あなたが森の中で突然くまに出会ったときを 想像してください。まず、あなたの瞳孔は大きく見開かれ、 全身は鳥肌が立ち、手に汗にぎり、全身の筋肉はこわばります。 これはすべて、交感神経の作用なのです。 さらに、血管が収縮して、血圧は高くなり、心臓は早鐘のように ドキドキし、口の中はカラカラになります。 これらも交感神経の作用です。 こうした反応は、人が身構えるときに生じます。 人前で何かを喋らないといけないときや、怖い上司や 嫌いな人に会ったとき、そして、歯科治療に不安があるとき、 歯科で歯を削るキュイーンという音を聞いたとき、 口のなかに麻酔注射をされるときにもこのような 反応は起こっているのです。 これに対して精神的にリラックスした状態では、 副交感神経系が優位になります。 瞳孔は小さく、胃液や唾液の分泌は高まり、 手や足は温かく気分も楽な状態です。 このとき血管は拡張し、血圧は安定し、脈拍も落ち着き、 穏やかな風景のなかでゆりかごに安心して揺られているような 状態です。 歯科治療も、このような副交感神経優位で受けて いただきたいというのが、じつは歯科医師の理想です。 でもなかなかそうはいきません。だからこそ、 治療する歯科医師は、安心で安全な治療を提供していることをご説明し、 患者さんの十分な信頼を得ようと努力しています。 もしも歯科治療の内容に不安なことがあったら、 そのむねを伝え、十分な説明を受けてください。 また、治療中に痛みなどいやなことがあったら、 歯科医師に伝えるなどぜひコミュニケーションをお願いします。 リラックスして歯科治療を受けることは、とても大切なことなのです。 |