騎手のダブル免許・その1

 

 3/1付けで日本中央競馬会(以下、JRA)の騎手免許を取得した安藤勝己騎手。

翌週には、土曜日曜と連続重賞制覇と大活躍中であるが、

取り消し申請したはずの地方騎手免許が、実は保留になっていたりするのである。

 

 というのは、地方競馬全国協会(以下、NAR)が、

1.有効期限が12月31日まで

2.中央地方のダブル免許制度を制定してもらう

という理由から、取り消し申請を保留しているのである。

しかしJRA側は、ダブル免許は無効ということで、すでに地方騎手免許を取り消ししたものとして対応しているそうだ。

 

 さて、ここで問題となるのが、

・なぜダブル免許がだめなのか

・なぜ騎手免許が中央と地方にわかれているのか

という点が問題になってくる。

 

前者の問題点は、JRAによると、「公正な競馬を施行できなくなる」とのことだが、

それだと、今まで地方免許で中央に乗りにきていた時は公正じゃなかったのか?ということになる。

現に、平日は地方で土曜日曜は中央で騎乗していた地方騎手は何人もいるのである。

にもかかわらず、「公正な競馬を施行できなくなる」というのは変な話ではないだろうか。

 

 ダブル免許制度があれば、中央の騎手も地方の騎手も双方にメリットがあると思う。

中央の騎手では、騎乗依頼が一部の騎手に偏っており、騎乗が多い騎手と全くない騎手とに2分化されている現状だが、

ダブル免許があれば、地方競馬に騎乗して腕を磨き、中央で活躍する、なんてことも可能である。

「牧原由貴子騎手、2000勝達成!」

なんてこともあるかもしれない。(アイルランド大使特別賞を受賞してるし)

実際、JRAの後藤騎手は、「ダブル免許が認められれば地方で乗る」と雑誌上で語っている。

 地方の騎手も、わざわざ中央の「特指」レースで騎乗が無くても、騎乗以来があれば乗れることになる。

「岩田康誠騎手、騎手大賞受賞!!」

なんてこともありえることになる。

 ただ、地方競馬で騎乗数が少ない騎手が、よりいっそう騎乗数が減るという問題もある。

財政難で、地方競馬が次々と廃止され、そこの騎手が他の地方競馬の騎手となるため、

騎手あまりという状態に陥り、そこに中央の騎手が乗りにくると、地方の騎手はレースに騎乗することすら困難になる。

よりいっそうの実力主義になるだろう。

騎乗しないことには実力が身に付かないとは思うが・・・大きな問題である。

 

その2へ続く


 

戻る