古山城跡(しろあと)                    
 今市市小林 、沓掛(くつかけ)、塩野室(しおのむろ)の境(さかい)に、松林に囲(かこ)まれた、標高(ひょうこう)約350mの古山山 (こやまやま)があります。ここは今から七百数十年前の鎌倉時代(かまくらじだい)、*朝比奈三郎義秀(あさひなさぶろうよしひで)が立てこもったと伝(つた)えられる古山城跡があります。山頂付近(さんちょうふきん)には高さ2.5mの分厚い土塁(どるい)[土をもりあげて作ったとりで]を築(きず)き、要所(ようしょ)に石を積み重ねた防備跡(ぼうびあと)[てきの進入をふせいだあと]が残っています。                                  
*朝比奈三郎義秀・・・鎌倉時代初期(しょき)[はじめのころ]の武将(ぶしょう)。和田義盛(わだよしもり)の三男。1213年父とともに北条氏(ほうじょうし)と戦(たたか)い安房(あわ)[千葉県南部]に敗走(はいそう)[たたかいにまけてにげること]した。豪勇(ごうゆう)[ゆうきがあってものおじしない]で知られる。これに対して塩野室地内の伝説では、義秀は実(じつ)は古山城に逃(のが)れてきてここに隠(かく)れ住んだと伝えている。塩野室地内の「和田」は和田義秀にちなんだ地名で、この付近(ふきん)に多い和田性の人々は義秀の子孫であると地元では、言い伝えている。

山伏(やまぶし) 
 古山山の山頂(さんちょう)には江戸時代(えどじだい)に作られたと思われる石像(せきぞう)が3体あります。山伏(やまぶし)[写真上]、からす天狗(てんぐ)[写真2番目]、御岳山(おんたけさん)を奉(たてまつ)った祠(ほこら)[写真3番目]。     
からす天狗(てんぐ)                  
くわしい史料(しりょう)も残っておらず、なぜそこにあるのか知る人もいない石像は、ひっそりと静まり返った山頂でいつまでもこの土地を見守り続けています。 
*御岳山(おんたけさん)を奉(たてまつ)った祠(ほこら)              御岳山・・・長野・岐阜両県境にある山。御岳神社があり信仰登山の対象(たいしょう)