Press Release Follow-Up : Naming for Minor Planet (21328)Otashi

太田宇宙の会 Ota Uchuno Kai(Ota Astronomical Club:OAC)

小惑星(21328)太田市について


小惑星とは

 小惑星とは太陽の周りを公転している小さな天体です。その多くは、火星と木星の間に集中して存在し、小惑星帯と呼ばれています。その数は、現在、軌道が確認されているものだけでも7万個以上です。小惑星は46億年前に太陽系の惑星が誕生した時に大きさ惑星になれなかったものであり、小惑星は質量が小さいので、変化することなく46億年前の太陽系誕生の頃の姿をとどめていると考えられています。 この小惑星帯で確認されている一番大きな小惑星はケレスといい、大きさは長径約1,000kmです。これは地球の直径の約13分の1、月の約3分の1の大きさです。他の小惑星はケレスより小さなものばかりです。

 

  小惑星(しょうわくせい、asteroid または minor planet)は、太陽の周りを公転する惑星よりも小さな天体の総称。 (当時の)望遠鏡で見ると恒星のように見えることから、ウィリアム・ハーシェルにより、ギリシャ語の αστερ (aster 恒星)と ειδο? (eidos 姿、形)から "asteroid"と命名された。 その軌道は火星と木星の間に多く存在するが、地球付近を通過する可能性のあるものも存在する。つい最近まで最大の小惑星であった(1)ケレス(Ceres:数字は軌道が確定した小惑星に付けられる小惑星番号。以下同様)でも地球の月よりはるかに小さい。2005年5月現在、世界で発見され仮符号登録された小惑星は99906個にのぼる。また、軌道が確定して名前と小惑星番号が付けられている小惑星は12345個である。


位置
 ほとんどの小惑星は、木星軌道と火星軌道の間に存在し、太陽からの距離が約2-4天文単位の範囲に集まっている。この領域を小惑星帯 (asteroid belt) と呼ぶ。現在では太陽系外縁部の小惑星帯と区別するためにメインベルト(main belt) とも呼ばれる。小惑星は木星の摂動によって、いくつかの群をなして運動する。各群はその公転周期にしたがって分類される。群のなかでとくに注目されるのがトロヤ群(周期約12年)と呼ばれる小惑星群であり、これは太陽と木星との間を一辺とする正三角形の一頂点、すなわち両天体の系でのラグランジュ点に位置することが知られている。なおトロヤ群の名は、この群で最初に発見された小惑星 (588)アキレウス (Achilles) にちなむ。
最近では(50000)クワオアー(Quaoar)や(90377)セドナ(Sedna)といった、エッジワース=カイパー・ベルト天体などの海王星以遠天体の発見が相次いでいる。これらはメインベルトの小惑星とは起源が異なると考えられているが、同様に小惑星として登録されている。

起源
 メインベルトの日心距離がティティウス・ボーデの法則にほぼ合致するため、昔この位置にあった惑星が何らかの原因で破壊されて小惑星帯が作られたとする惑星破壊説が唱えられたこともあったが、メインベルトの小惑星の質量を合計しても惑星の質量には到底達しないことなどから、現在は支持されていない。またすべての小惑星が同一の起源を持つわけではなく、かつて彗星であったものなども含まれると考えられる。一方で火星の衛星フォボスとダイモスなど、かつては小惑星だったものが他の天体に把捉されてその衛星となったと考えられている天体も存在する。

命名規則
  当初は他の惑星と同じように、小惑星に対してもローマ神話の神の名が与えられていた。のち小惑星が多数見つかるようになると英雄の名なども用いられるようになった。しかしこの命名規則でも名前の数が足りなくなる恐れが出てきたため、現在では天体の中で唯一、発見者に命名提案権が与えられている。
 まず、新天体と思われる天体を2夜以上にわたって位置観測し、その観測結果が国際天文学連合 (IAU) の小惑星センター (Minor Planet Center, MPC) に報告されると、発見順に仮符号が与えられる。 例えばセドナの場合は「2003 VB12」(2003ブイビー12)と記載される。最初の「2003」は「2003年」、「V」は「11月の後半」、「B12」はその期間に発見された302番目(A-Z、A1-Y1…《IはJと間違えるので略、Zは使用せず》)の順で数えていくため)の小惑星という意味になる。そして最終的に軌道が確定して新天体だと確認されると、小惑星番号が与えられた上で命名される。
 発見者によって提案された新小惑星の名前は、IAU の小天体命名委員会によって審査される。名前はラテン語化するのが好ましいというのが世界的な暗黙の了解事項であるが、現在ではそうでないものも多い。その他にも、「発音可能な英文字で16文字以内であること」、「公序良俗に反するもの、ペットの名前、既にある小惑星と紛らわしい名前はつけられない」、「政治・軍事に関連する事件や人物の名前は没後100年以上経過し評価が定まってからでないとつけられない」、「命名権の売買は禁止」などの基準がある。
 また、トロヤ群はトロイの戦士の中から、地球の軌道に接近または交差する天体には神話上の名前から(最近では崩れつつある)、ケンタウロス族(後述)にはケンタウロス族の名前から命名を行うという規則がある。
 しかし、すでに発見された小惑星との軌道の同定に手間取ることが多く、発見数に比して命名された小惑星の数はあまり多くない。小惑星名を日本語で表記する方法はメディア等によってまちまちである。片仮名もしくはアルファベットで表記する場合もあり、日本や中国など漢字圏に因んで命名された小惑星に関しては漢字表記する場合もある。


分類
  軌道による分類

· メインベルト 
o ハンガリア群…1.85AU(平均軌道長半径。以下同様) 
o パラス族…2.716AU o フォサイエ族…2.365AU o フローラ族…2.229AU o マリア族…2.546AU o コロニス族…2.875AU o エオス族…3.015AU o テミス族…3.137AU o キュベレー族…3.4AU o ヒルダ群…3.97AU−木星の公転周期(約12年)の3分の2の公転周期(約8年)を持つ小惑星群。木星と衝の関係にあるとき近日点を通過するという共通点を持つ。 
o トロヤ群…5.20AU o テューレ群…木星の公転周期の4分の3の公転周期(約9年)を持つ小惑星(2つ確認されている)。 

メインベルト以外の小惑星は特異小惑星と呼ばれる。
· 以下の3群は地球近傍小惑星と呼ばれる。 
o アテン群…軌道長半径が1AU以下で遠日点が0.983AU以上のもの。  
o アポロ群…軌道長半径が1AU以上で近日点が1.017AU以下のもの。 
o アモール群…軌道長半径が1AU以上で近日点が1.017AU以上1.3AU以下のもの。アポロ群とまとめて、アポロ・アモール天体ということもある。 
· ダモクレス族…地球付近を通過する長楕円軌道を取る。オールトの雲由来だと考えられている。 
· ケンタウロス族…軌道長半径が30AU以下。木星軌道と土星軌道の間にあり、彗星起源と考えられている。木星などの摂動を受けやすく、軌道は不安定。 

海王星以遠天体も、いくつかのグループに分かれている。
· 冥王星族(プルーティノ族)…軌道長半径が39AU以上40.5AU以下のもの。 
· キュビワノ族…軌道長半径が41AU以上で、離心率が0.15以下のもの。 
· 軌道長半径が36AUから36.4AUの間にあり、海王星の公転周期(166.5年)の3分の4倍の周期を持つもの。 
· 軌道長半径が42AUから42.5AUの間にあり、海王星の公転周期の3分の5倍の周期を持つもの。 
· 軌道長半径が48.0AUから48.5AUの間にあり、海王星の公転周期の2倍の周期を持つもの。 
· 以上の分類に属さないもの。 

他にも多くの族・群がある(Asteroid groups and families)。

スペクトルによる分類
 小惑星は色、アルベド(反射能)、スペクトルによって大きく3種類に分類される。
· C型 - 炭素質。発見されている小惑星の75%がここに含まれる。 
· S型 - ケイ素質。発見されている小惑星の17%がここに含まれる。 
· M型 - 金属質。ニッケルと鉄が主成分。 
上記3つ以外にマイナーな型が存在する。
· A型 · B型 · D型 · E型 · F型 · G型 · P型 · Q型 · R型 · T型 · V型 

探査の歴史
  望遠鏡でも点状にしか見えないため、1990年代に入るまで小惑星の研究は軌道の確定や光度の測定に留まり、その姿については想像の域を出なかった。しかし、恒星食による形状の推定、ハッブル宇宙望遠鏡などの高性能の望遠鏡による観察やレーダー測定により、大きさや形状など、その姿が徐々に明らかになってきた。そして、1989年に打ち上げられたガリレオ探査機により、1991年に(951)ガスプラ(Gaspra)、1993年に(243)アイーダ(Ida)の映像が撮影され、人類は始めて小惑星の鮮明な映像を目にした。その後、1996年に打ち上げられたニア・シューメーカー探査機により1997年に(253)マティルド(Mathilde)、2000年に(433)エロス(Eros)の映像が撮影され、探査機はエロスの周回軌道に乗った後に軟着陸を果たした。その後も、彗星探査機などにより接近こそしないものの小惑星の映像がいくつか撮影されており、現在も先述した方法により調査が続いている。なお、ガリレオ探査機はアイーダに初めて衛星を発見し、ダクティル((243.1)Dactyl:衛星としての番号)と名づけられた。その後も、地上での観測により30個以上の小惑星に衛星の存在が確認されている(小惑星の衛星参照)。2003年に打ち上げられた工学実験探査機はやぶさは、世界で初めて小惑星からのサンプルリターンを行う予定である。2004年5月に地球スイングバイを行い、2005年夏ごろに(25143)糸川(Itokawa)に到達、サンプルを採取後、2007年秋ごろ地球へそのサンプルを送り届ける予定である。

外部リンク

·         ザ・ナインプラネッツ日本語版(小惑星)

·         小惑星 惑星になりそこなった星たち

·         小惑星の名前研究所

·         小惑星の画像集(英語)