題名 | 監督名or主演 | 感想 | ランク | 星取り表 | |||||
猿の惑星 | 第1作のラストの衝撃といったら、それはSF映画の根底を揺さぶられるほどだった。主演のチャールトン・ヘストンもよかった。旧バージョンは続、新、最後と全4作作られた。一言で言えば、それほどの名作をリニューアルしようということ自体が無理なんだよな。言い方換えれば、無理なことはやめようという見本のような映画だった。猿のメイクもビックリするほど進化したという前評判だったが、基本的にあまり変わっていない気がした。 ビデオでみてよかった。 |
B | −★★ | ||||||
ウォーター・ボーイズ | 妻夫木 聡 | 主演の妻夫木くんが好演。面白くて若々しくて元気でホロッとさせるところもあって最近の邦画の中では出色のできといっても褒めすぎではないと思う。相手役の平山綾もなかなかいいかんじ。曲の選択もgoodでした。出演者たちも映画の中で実際にすごく練習して、撮影が終わったときは、みな涙、涙だったという。 | B | ☆☆☆☆ | |||||
GO | 窪塚洋介 柴咲コウ |
窪塚洋介は最近の若手男優の中では一番光っているかもしれない。TVドラマ「池袋ウエスト・ゲート・パーク」「ストロベリーオン・ザ・ショートケーキ」「漂流教室」に立て続けに出演して注目していたんだけれど、相手役の柴咲コウもよかった。二人のみずみずしい演技が光っていた。原作もしっかりしていてさわやかな秀作。「ウォーター・ボーイズ」「GO」等こういう作品が出てくると邦画も元気が出る。脚本は今一番売れている「宮藤官九郎」。場面転換の早さと切れ味の良さはこの人の持ち味。それが控えめで(TVだとびっくりするくらいなんだけれど)2時間ものであることを考えるとほどよいかんじだった。 |
B | ☆☆☆ |
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バニラ・スカイ | トム・クルーズ | トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演なんじゃあ見ないわけにいかない。といっても、物語自体は旧作のリメイク。まあ、面白かったけど、それだけだな。キャメロン・ディアスは「メリーにくびったけ」の頃のみずみずしさが薄れてきた感じ。 | B | ☆ | |||||
ポワゾン | アンジェリーナ・ジョリー | アンジェリーナ・ジョリーは果たして美人なんだろうか。男をたらしこんで騙す役なんだけれど、あっていた。美人というより妖艶な色気のある女優と言った方がいいかな。でも、濡れ場は全然いやらしい感じがなくて(意識的にそう撮っていたのかもしれないが・・・)つまらん映画だった。なんていうんだろう、SEXが下手そうというか、大味なかんじというか、ま、そんなとこだ。 | C | −★★ |
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トゥーム・レィダー | アンジェリーナ・ジョリー | 仕掛けは大きくてアンジェリーナ・ジョリー1人のための作品。黒のボディコン衣装は、完全に胸を大きく見せてスタイル抜群なのを見せるため。ストーリーにいたっては、中学生だって書けちゃうよというくらいお粗末。きっと、豊胸手術や整形もしてるに違いないと思わせてくれるところが映画的なのかも。 ちなみに彼女の前作「17歳のーーー」(ハッキリしたタイトルは忘れた。女房がビデオで見てるのをチラッと見ただけなんだけれど)を見るとその違いにビックリしてしまう。 |
C | −★ | |||||
ムーラン・ルージュ | ニッコール・キッドマン | オープニングのテーマ曲がいい!! と思ったら、なんとデビッド・ボウイが歌っているんだった。ニッコール・キッドマンは美人。彼女のための映画だね。でも、死にそうにはどうみても見えないよなあ。個人的にはTレックス、マドンナ等の知ってる曲ばかり出てきたので曲も充分楽しめた。 ただし、「ライク・ア・バージン」を男だけで歌っていたのはいかがなもんか。 |
A | ☆ | |||||
マルホランド・ドライブ | デビッド・リンチ | 退廃と幻想と性の匂いがする"デビッド・リンチ"ワールド。主演はナオミ・ワッツ。なんかよくわからないところが、この監督の魅力だ。ナオミ・ワッツは今やホラーの女王。ハリウッド版「リング」にも主演するらしい。でも、この人も硬質な感じで女の魅力というものがかんじられなかった。レズのからみもよくなかった。 | B | ☆☆☆ | |||||
ロード・オブ・ザ・リング | 仕掛けは確かにでかい。が、CGに頼りすぎ。クリストファー・リーが出ているのはとても懐かしい気がした。「戦いばっかじゃん。」が一番の感想かな。みていてつかれてしまう。それにこれから、あと何作続くんだろう。土からつくられた人造人間は、昔のホラー映画にでてくるモンスターみたいであまりいただけなかった。(だから、クリストファー・リーが出てるんだといってた人もいた。わかるな。) | A | |||||||
ブラックホーク・ダウン | 最近、アメリカでまた戦争映画が多く作られているんだそうである。イラクと戦争をするためにそれを正当化しようとして意識的に(国策として?)作られているんだろうか? でも、それはそれとして2002年に1番感動した映画である。「戦争は国のためでもなく、その地域の人たちのためでもなく、実際に戦っている仲間のために戦うんだ」という明確なメッセージが伝わってきた。男の世界だよな。 ちなみに、「この映画すっげえよくて感動した」と女房にいったところ、同じ映画をみたらしい。「どこが、いいわけ?」と言われたんだけど、さっきも言ったけど、男の世界なんだな。 |
A | ☆☆☆☆ | ||||||
少林サッカー | 一言で言うといかにもいかにもの香港製のオバカ映画。演技とかストーリーとかは二の次で、単純に楽しめばいい。 |
D | ☆☆☆ | ||||||
MIB2 |
トミー・リー・ジョーンズ ウィル・スミス |
小気味のいい仕上がり。1も長くなくてよかったけれど、この作品も1時間30分弱。見るのに疲れないし。CGもよくできてる。ストーリーもちゃんといろんなとこに伏線が引いてあってしっかりしている。単純に「楽しめる」作品。 | B | ☆☆☆ |
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ハリー・ポッター秘密の部屋 | ダニエル・ラドクリフ | 「子供も大人も楽しめる第1級のエンターテイメント」なんていうと褒め過ぎか。原作も当然読んでいるけれど、原作に忠実に映画化したという感じ。逆に、あれだけ原作が売れてるから忠実にならざるをえないんだろうな。説明もなんにもいらないし、出演者もそのままだから、安心してみられて、それぞれの演技も伸び伸びやってる様子で、その分、面白かったような気がする。「よくできてる」と言わざるを得ないできだった。3作目は2作目を越えられるんだろうか? もう一言言うと、バジリスクが意外とつまんなくやられちまって、MIB2のミミズの宇宙人の方がよくできてるじゃないかと思ったのは私だけだろうか? ついでに言うと、桐生のオリオン座で見たんだけれど、何十年も前にタイムスリップしたようで、いい意味でノスタルジーを感じながら鑑賞できた。後ろの席に「懐かしい。ママはこの映画館にむかしよく来てたんだよ。」と言ってる母子連れがいて、同じような人もいるんだなあと思っていた次第。 |
A | ☆☆☆ |
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突入せよ! | 役所行司 | 「なぜ、こういう映画を作ったんだろうか。映画を作る意図はどこにあったんだろう。」というのが見終わった後の率直な感想である。いわゆる「あさま山荘事件」の映像化だが、私も当時衝撃を受けた1人であったわけだけれど、たぶんこの監督も同じような世代だろうと思う。記録として残すための映画なのかなとも思うが、それだけのためなら当時のフィルムを編集すればよい。原作本にはそれなりの感動があった。映画では警視庁と長野県警の確執にかなり時間を割いていたが、中途半端としか言いようがない描き方だった。機動隊の英雄的な行動も中途半端。 群大工学部が出たり、オリオン座がでたりとかちょっと親しみが沸いたところもあったが・・・。 |
B | ||||||
バイオハザード | M.ジョボビッチ | いわずとしれた、ゲームの映画化である。M.ジョボビッチはすんげえカッコええ。話自体はたいしたことない。地下の研究所という隔絶した空間でのゾンビとの戦い&脱出劇。 ゾンビは結局、昔のA. ロメロ監督の名作「ゾンビ」の焼き直しにすぎない。メーキャップも動きも頭を打ち抜かなければいけないという不文律もそのまま。暗い中で「何かが襲ってくる」「脱出する」というのは「エイリアン」あたりからのお決りパターン。その薄くらい中でジョボビッチの真っ赤なミニワンピ姿が目立つわけ。最後の場面で、人間で生き残っているのがジョボビッチ一人だというのが分かるんだけれど、閉塞感の残る終わり方は最近の流行だよね。 ジョボビッチは「フィフス・エレメント」「ジァンヌ・ダルク」と見てたけれど、この作品が一番よかったし、なんといっても美人に撮れていたと思う。 |
C | ☆ |
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ピンポン | 窪塚洋介 | 今、旬の俳優っていうんだろうな「窪塚洋介」は。窪塚でなければできない役、というより、窪塚色にしてしまったというのが正解か。さわやかな作品。基本的にはスポ根ものなんだけれど、現代風に焼き直すとこうなるんだろうか。昔のスポ根ものと明らかに違うのは全員が目標に向かって努力しているのではないというところ。登場人物が鬱屈しているんだな。それが現代的というところの所以。 オープニングの「I Can Fly」「You Can Fly」「Go!」という橋から飛び込むシーンが監督の見せたかった(言いたかった)シーンなんだろうな。竹中直人のコーチ役は「ウォーター・ボーイズ」とダブル。脚本はクドカン。いい味出してる。 音楽は僕の大好きな「スーパーカー」。「スーパーカー」をもってくるという監督の感性に脱帽。映像にピッタンコなんだな。これが。 |
B | ☆☆ |
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狂気の桜 | 窪塚洋介 | 「また、窪塚洋介の映画?けっこう窪塚洋介、気に入ってるみたいね。」 といわれ、そういわれてみると窪塚主演の作品はほとんど見てるよな。 でも、この作品はテーマというか原作から気になっていた。今の若者の怒り、憤り、閉塞感等を表現するのに窪塚洋介は最適なのかもね。やはり、旬なんだよね。ストーリー自体は先が読めてしまうところもあったが、たけしのやくざ映画や「池袋ウエスト・ゲート・パーク」等にも通じるところがあって面白かった。キングギドラのテーマ曲も今風だった。出演者もひとくせふたくせありそうな人たちでよかったんだけれど、江口洋介の殺し屋はミスキャスト。 |
B | ☆☆ |
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たそがれ清兵衛 | 山田洋次 真田広之 |
昨年の日本アカデミー賞を総なめにした作品。期待してみたわけだけれど、山田洋次監督・脚本は淡々としていてこれといった冒険や破綻もなく、どちらかというとテンポが遅い感じがしないでもなかった。ま、だから年配の方にもうけているんだろうが。しっかりとした脚本を正攻法で映画化した作品といえる。まず、真田広之がいいね。10年前の「高校教師」あたりからいい俳優だと見て居るんだけれど、この作品でも、真田だからこそいい映画になったんだと思う。役柄も「高校教師」にも共通するところがあるようなくたびれた中年役だった。それが抜群にうまい。時々キラッと光るところをみせて。今後の邦画を背負っていく俳優の一人なんだろうなあ。(これほどうまい役者の後を受けて若い藤木君が「高校教師」役をやるってとこにまず無理があるよな。)宮沢りえも一時よりふっくらして落ち着き、いいかんじになった。 | A |
☆ | |||||
光る雨 連合赤軍事件 | 萩原聖人 | 『今、何故、連合赤軍事件なのか。あの頃、あなた自身は何してた?』 そこが監督の突かれたくないところなのではないか?同時代に生きていない今の若い子達への説得力に欠けるところなんだろうな。と思った。 そこで、今の若い子達との違いを鮮明にするために、敢えて、劇中劇という形をとって、映画を作るために集まった青年達の青春群像と当時の連合赤軍の若者達の行動を対比させた。苦肉の策なんだろうな。「難しい映画が嫌い」「政治がらみはよくわからない」「暗いのはいや」なんていつも言ってるウチの女房みたいなヒトは絶対に見ないジャンルの映画であることは確かだ。 最後の最後に、有名な浅間山荘事件のライフルを持って窓から首を出すシーンがあって、『ここで僕たちの物語は終わるが、世間の人たちはここから僕たちの悲惨な物語を紐解いていくのである』という意味のモノローグで終わる。あの時代、ボクは中学生だった。そしてあの事件はボクにも決定的な影響を与えた。後に大学を選択する際にボクは彼らのうちの京浜安保共闘のメンバーが一番多く在籍していた大学を選ぶことになる。 「なぜ彼らがああいう事件を起こさねばならなかったのか。彼らと同じ学校に行って見ればいくらかそのヒントが見つかるかもしれない。」そうおもっていったが、結局、何もわからなかった。ほんとは彼らは、僕らよりもずっとこの国のことが大好きで、ずっとまじめな考え方をしていて純粋だったのかもしれない。 きっとこの作品の監督も原作者も同じようなことを考えて居るんだろうと思う。 |
B (題材がどうみてもマニアック) |
☆☆☆ |
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ブレイドU |
ウェズリー・スナイプス |
とにかく、面白い。よくできている。1作目を遙かにしのぐできばえ。基本的にはブレイド(ウェズリー・スナイプスのかっこよさ・切れ味が秀逸)とバンパイア族との戦いなんだけれど、それに遺伝子組み換えによって生まれたバンパイアの亜種死神族―リーパーズ―が加わって死闘を広げるという展開。 リーパーズは「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム or 「新猿の惑星」の放射能に犯された未来人を思い出させる。あごが割れて生き物のような舌が出てくるところは人形なんだそうだけれど、すごい技術と関心してしまった。ストーリー自体もしっかりしていて、B級ホラーとは思えない。この「ブレイド」にしても「マトリックス」にしても「ターミネーター」にしても主人公が黒のレザーコート、サングラスというのはなんか意味があるんだろうか。 ま、どれも東洋人にはまねできないかっこよさであることには変わりないんだけれど。 |
B | ☆☆☆☆ | |||||
ウィンド・トーカーズ | ニコラス・ケイジ | とにかく、ニコラス・ケイジは売れている。初めて見たのはなんの映画だったろうか。あの個性的な容貌にちょっと面食らっていたけれど、あまりにいろんな映画で見かけてぜんぜん違和感はなくなってしまった。 話自体は出だしから最後が想像できてしまうような類型的な戦争感動巨編。舞台は第二次大戦中のサイパン。アメリカインディアンとイタリア系移民の人種差別・対立を描きながら凄絶な戦いを通して無二の友情を育んでいくのである。もちろん、戦いには勝利してね。いかにもアメリカ的。SFXと実際に爆弾を大量に使った戦闘シーンはなかなかの迫力だったが、ヒトの手や足がもげるような悲惨な絵はもう見慣れているし、迫力ある戦闘というのもいろんな映画で見慣れている。 |
A | ||||||
火山高 | 韓国映画 | ワイヤーアクションを使ったものすごくおバカな学園もの。見る価値なし。時間の無駄。 | D | −★★★★ | |||||
サイン | メル・ギブソン | 「宇宙人襲来!!!」 ミステリーサークルは宇宙人がやってくるためのサインだったが、子どもたちの行動やその他1つ1つも家族が生き残るためのサインだったという話。 宇宙人が襲って来るというと、「宇宙戦争」「インディペンデンスデイ」等々スケールの大きな映画を思い出すが、この作品は昔の「トワイライトゾーン」的な密室劇の雰囲気が近いかな。それとも予算がそんなになかった?宇宙人の造形はちゃちで笑ってしまうし、(ケムール星人そのものだった)水に弱いところは宇宙戦争からの拝借だし・・・。メル・ギブソンのパパもそんなに取り乱すなよとおもってしまった。 |
C | −★★ | |||||
竜二Forever | 高橋克典 | あの有名な「竜二」(新宿を舞台にしたヤクザ映画。主演の金子正次は映画が完成してすぐに逝去)がどのようにしてできたかという、金子正次の生き方を描いた映画。 高橋克典はサラリーマン金太郎そのもののイメージでなかなかよかった。ただ、すぐ死ぬようには見えないし、映画を撮っている途中にも病気で苦しかったのを隠していたんだみたいな描写が一つもなかったのが気にかかった。たぶん、金子正次の周りにいた人が作りたくって作ったんだろうな。「竜二」を知ってる人にしか受けないかも。死んだ人(記憶の中にのみ生きてる人)は誰でもいい人になってしまうんだよなぁ。でも、また「竜二」を見てみたくなったことは確か。 |
B | ☆ | |||||
オーシャンズ11 | ブラッド・ピット その他大勢 |
ラスベガスのカジノの大金庫から大金を盗み出すために大物俳優が勢揃い、顔見せ興行・・・。確か昔、同じような作りの映画があったなあと思い出してみると、イタリアの「黄金の七人」シリーズではないかい?けっこう、「黄金の七人」シリーズは好きだったな。「黄金の七人」シリーズはロッサナ・ボデスタという超超美人の女優の元にその道のプロ達が集まって犯罪を成功させていたんだけれど、決して人は死なず、適度な笑いもあってけっこうヒットした。この「オーシャンズ11」はけっこう大まじめに映画を作っていてもっと余裕が欲しい感じかな。有名俳優がいっぱいでていながらあまりヒットしなかったのも納得。ブラッド・ピットはどうしても名倉を思い出してしまう。 | B | −★ |
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ワンスアンドフォーエバー | メル・ギブソン | ここのところ多い戦争物。イラクを攻撃するからかな? ベトナム戦争で初めてアメリカ軍と北ベトナム軍が本格的に戦ったドランの戦いの映画化。原作はそのとき従軍していた記者のドキュメンタリー。ただし、いつものアメリカ的な「最後には勝つ」みたいなところがなくて、本作品は出だしからやけに悲観的。 言いたいことは、 @戦争は国のためでもなく、その地域の人たちのためでもなく、実際に戦っている仲間のために戦うんだ。 A愛する人のために戦うんだ。 ということだ。これは昨年見た「ブラックホークダウン」とまったく同じことだ。 こういうように戦争映画を作ってアメリカは戦争を正当化しようとしてるのかもしれない。金のかけ方も半端じゃないけれど、制作費はひょっとして武器商人とかU.S.ARMYとかあるいはアメリカの政府そのものから出されてるんじゃないかと勘ぐってしまう。しかし、映画としてはよくできていたし面白かった。 |
A | ☆☆ |
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マイノリティー・リポート | トム・クルーズ | 主演トム・クルーズ、監督スピルバーグじゃあ見ないわけにいかないよな。もう、ほんとによくできてる作品。映像的にもストーリー的にも一級作品。未来都市の造形、伏線の張り巡らされた脚本、一人一人の登場人物の描き方、そして演技もしっかりしている。未来カーは全てトヨタ製なんだとか。正直いって、さすがスピルバーグ、さすがトム・クルーズと思ってしまった。 オススメ。映画館の大きい画面で見た方がよい。 |
A |
☆☆☆ | |||||
呪怨 | 伊東美咲 | 始めに原作を読んでおいたのだが、それがよかったのかどうか。映画ではおどろおどろしさ、誰もいないわけのところを誰かがスッと抜けていったり、誰もいないところから誰かの視線を感じたりするような日本的幽霊感覚をギュッと詰め込んだ感じ。陰陽師で晴明がいつもいう「呪」とおなじなんだよな。原作ではなぜ、伽耶子の「呪」がそれほど強いかを丁寧に描いていたけれど、映画はそこを略してあってなぜ、「呪怨」なのかがまったくなくて、ただ観客を怖がらせるだけのような感じがした。ついでにいうと、「呪怨2」の原作を読んだのだけれど、これからさらに続編が出ますよという(13日の金曜日の「ジェイソン」も何作目かで同じように終わっていたよな)終わり方だった。『衝撃の結末、袋とじ』と「いかにもいかにも」「今がウリです」という宣伝だったが、一つも衝撃的ではなかった。 ただし、監督が前橋の出身で小栗康平の「眠る男」でスタッフとして関わってから映画に携わるようになったと聞いてなんとなく嬉しいというか身近な気がした。また、「スプラッターではない、ゾクゾクとするようなホラーを作りたかった」という監督の言葉にも好感が持てた。 |
B | ☆☆ | |||||
アイ・アム・サム | ショーン・ペン | 「この映画ぜったいイイから見てみなよ」と女房の推薦。知的障害者の親権、子育てといった重い問題を描いているのだが、マドンナの元恋人のショーン・ペンの演技が秀逸。知的障害者の周りを勇気づけるような底抜けの明るさと、ほんとに障害があるんじゃないかと思わせるほどの熱演に脱帽。昔からのファンであるミシェル・ファイファーがお母さん役をやってるんで時の流れを感じてしまったんだけれど、キャリアウーマン役があれほど決まってる女優も彼女しかいないわな。母親役でもいい女にはかわらない。(「キリッとした二重、細い、きつい感じ」だよね。)いい映画とは思うが「現実はもっともっと厳しくて映画のようにはいかないよなあ」が、本音かな。 | B | ☆☆ | |||||
青の炎 | 二宮和也 松浦亜弥 |
監督・天下の蜷川幸雄、原作・貴志祐介ときてはこの映画を見逃すわけにはいかない。この作家についてはデビュー作から注目していて全て読んでいる。で、「青の炎」はちょうど17歳による犯罪が多発した後に『こんなに哀しい殺人者はいただろうか』というキャッチコピーで売り出された。主人公が「嵐」のニノだというので「えっと」思ったのだが、ウチの長女の(ニノファンの)詩織ちゃんは(ニノファンとして)原作を読んでいた。受験のときだったのにね。 映画自体は思ってた以上の出来。日本映画もこういう作品が仕上がってくると活気が出てくると思う。主演の二人がまず、いい。それと、オープニング。ピンク・フロイト「The Past War Dream」が高らかに響く。歌詞の大意は「おしえておくれ、ジーザス。イギリスは不況に喘いでいて、海の向こうの日本では少年の自殺者が大量に出ている。どうしたらいい。」てなことなんだけど、昔、ほとんど毎日のように聞いていた曲なので個人的にも思い入れのある曲なんだな。その曲を使うってること自体「やられた」って感じだった。ラスト、殺人がバレてニノが自らトラックにつっこんでいくんだけれど、その後、一人美術室に取り残されたアヤヤの眼に涙が溜まって少しづつこぼれていくシーンにニノのモノローグともう一度「The Past War Dream」の曲が重なっていく。なかなか泣かせてくれるシーンだったし、アヤヤもこの子ひょっとして演技がうまいのかもと思わせてくれた。 そうそう、TVをつけると蜷川監督の自分の演出の「ハムレット」かな?が流れてるのがご愛嬌。監督は「青春真っ直中のアイドル映画を作る」といっていたらしいが、シリアスな直球ストライクの正当派の映画だった。 海があって山があって鎌倉が舞台であることも大きなプラスの要素になっている。超オススメ。 |
B | ☆☆☆☆ | |||||
黄泉がえり | 草薙剛 竹内結子 |
「黄泉がえり」といえば挿入曲のRUIこと柴崎コウが歌う「月のしずく」。どうしても草薙君は最近は「これが僕の生きる道」のイメージが強い。本作品も草薙くんのキャラクターに負うところが多分にあると思う。たんたんとした話に完全にとけ込んでいる。が、相手役の竹内結子はよくない。(「走るシーンがあるのにあんな長いスカート履くなよ」とか「好きなら始めから好きといっとけよ」とかね。ま、役の作り方もあるんだろうけれど) ラストシーンが印象的で切れ味がよい。「平太の新しい人生が始まる」の一言でおわるんだけれど、とにかく、ヒットしているというのが納得の、なかなかいい映画だった。 |
B | ☆☆☆ | |||||
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 |
オーランド・ブルーム その他 |
ロード・オブ・ザ・リングの1作目は紹介が多くて登場人物の関係がよくわからなかった。(それにみな長いカタカナなのだ) 2作目は余分な説明など全くなく本編に入る。9人の集団が3つに分かれて、3つの物語(フロド、サム、ゴラムの指輪組とピピン、メリーのホビット組、アラゴルンらの戦闘集団)が指輪を中心にして進んでいく。しかし、今回の話の奔流はアラゴルン、レゴラス、ギムリらの絶望的な戦いである。人間500 vs ウルク=ハイ、オーク連合1万 との戦いなんだけれど、どう考えたって勝つわけないよな。だいち、ウルク=ハイ、オークなんか見ただけで人間はかなわなそうだもの。でも、負けたら物語は終わってしまう。今回の話は光と闇の戦いと明確なテーマが設定されてとてもわかりやすかった。なんといっても圧巻は戦闘シーン。波のようにじわじわとよせてくる闇の黒い兵たちがすごい。ゴラムがCGで描かれていてすごい、というのもあるけれどすごさの度合いが違うすごさなんだな。とにかく、大スクリーンで見なくては。おっと、物語は予想通り、これでもう、人間たちも終わりかというときにガンダルフが援軍を引き連れてきて、アイゼンガルド?の城も洪水で落ちてしまうのだ。3話できっとフロドたちは予想通り指輪を捨てられて世界は平和になるんだろうけれど、どういう展開でチャンチャンとなるか見てみたくなるつくりだった。よくできている。 |
A |
☆☆☆ | |||||
スパイダー | ディビッド・クローネンバーグ監督 | ディビッド・クローネンバーグ監督の作品はほとんど見ている。この監督は断章形式の場面場面の結び付け方が天才的に上手い。本作品は精神病を病む主人公が「実の母がどうやって殺されたか、実母を殺した元売春婦の義母をどうやって殺したか」という記憶の断片を繋いでいくうちに精神病者のグループホームの寮母が元売春婦の義母見えてくるようになってしまうという、超暗いストーリーで 画面自体もおっそろしくダークである。この監督のファン以外はぜったい見ないんじゃないかと思うくらい。 前作「イグズィスタンス」もマニアックだったけれど、その上をいってる。(「イグズィスタンス」も過去と現在、空想と現実が入り乱れていた。、内蔵のようなコントローラー、腸のようなコードを、躰に埋め込んだまるで女性の外性器のようなコンセントに繋いで楽しむ、超感覚のゲームの話で、根強い熱心なファンがいまでもいる。)まあ、映画を見ている視聴者の感覚までおかしくなってしまうようなそんな世界をビジュアル化したというか、とにかく、デビッド・リンチかディビッド・クローネンバーグかという独特な世界をいつも体現してくれる監督であることは確かだ。 一般的ではないのでオススメはできない。 |
C | ☆ | |||||
マトリックス リローデッド | キアヌ・リーブス | マトリックスはいまや一つの社会現象だ。主演のキアヌ・リーブスは「スピード」で電撃的にデビューし、スターとなったがその後、 ホモ(いやゲイだったかな?)なことがバレて一時評判わるかったけど、前作で大スターへ返り咲き。それほど、前作の衝撃は大きかった。急遽、この2作目と11月公開の3作目が作られたのである。でも、続編にいいものはないよなと、思いつつもやはり見てしまった。これが、よくできていて面白い。高評価でしょ。キアヌ・リーブスがなによりかっこいい。絵になる。話自体も面白くて要所要所に日本人が出てくる。なんでも、監督が大の黒澤ファンで日本人に好感を持ってるんだとか。ミフネ船長という名は三船敏郎から拝借してきて、3作目では男気をみせるらしい。また、3作目の完結編は世界主要都市で同時刻封切りらしい。ま、2作目は完全に次回に続くという終わり方で、これは3作目は見ないわけにいかないよな。 |
A | ☆☆☆ | |||||
魔界転生 | 窪塚洋介 佐藤浩市 |
やはり見てしまった窪塚作品。窪塚の天草四郎はよかった。「押さえた演技もできるじゃん」というかんじ。今の若い俳優ならやはり窪塚しかいないかな。ビジュアル的にもとてもよくできていたけれど、脚本がいまいち。山田風太郎のおどろおどろした世界が描ききれず、決闘シーンのみ強調したという感じは否めない。また、佐藤浩市の十兵衛が(強そうに見えないのに)強すぎる。配役は豪華で東映も結構金かけて力入れて作ったなとよくわかるんだけれど、やはり、大事なのはホンだよね。そういった意味で全体的に見ると、前作の沢田研二版の方が面白かったかな。期待した分評価は辛め。 |
C | ||||||
シカゴ | キャサリン=セタ=ジョーンズ リチャード・ギア |
アカデミー賞作品賞?だったかな。愛人殺しで刑務所に入った女囚がマスコミの寵児となり、無罪になるまでの舞台ミュージカルの映画化。きれのいいダンス、曲もいいし、歌も上手い。一番良くなかったのは リチャード・ギアだったかもね。 | A | ☆☆ | |||||
池袋ウエストゲートパーク | 長瀬智也 窪塚洋介 その他大勢 |
映画ではないんだけれど、オススメのドラマ。原作は直木賞の石田衣良、脚本が宮藤官九郎、配役は今になるとものすごい豪華キャスト。原作自体が面白いし、なんたって今をときめく宮藤官九郎。風俗、引きこもり、ネット、援交、性同一障害・・・等々現代の病巣をこれだけ上手く描いている作品はなかなかないだろう。1999年の作品なのでちょっと古いところもあるけれど、一気に1話から最終話まで見てしまった。原作もしっかりしていてその良さを消すことなく、宮藤官九郎がアレンジしている。宮藤官九郎は「木更キャッツアイ」等でテンポの早い見ていて疲れてしまうような脚本を書いていたけれど、その原点がこのドラマで、後で彼の本の常連となる酒井若菜、佐藤隆太、森下愛子、古田新太、阿部サダヲ等が皆顔を出している。とにかく面白い。好みで言うと黒の幽霊オデッセイの話がよかった。 | B | ☆☆☆☆ | |||||
パイレーツ・オブ・カリビアン | ジョニー・ディップ オーランド・ブルーム
その他 |
U.S.A.のディズニーの本家本元は大量の負債を抱えてたいへんな赤字でどこかのメディア会社が買収するかもしれないという話もあるらしい。 あの「カリブの海賊」を完璧に近いくらい楽しく映画化した。 主演はジョニー・ディップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ等、一言でいうと美男美女である。海賊モノだとどうしてもワン・ピース、ピーターパン等とダブってしまうところも多い。でも、すぐに、ディズニー・マジックにはまってしまって、「あの場面は、そっくりだ」とか「人形にまで似せてるんだあ」とかそんな感想が出てきてしまう。ストーリー自体は 類型的で(必ずボケと突っ込みの水夫が出てくるとかそういうところも含めて)先が読めてしまうが、あまり考えるところもなく理屈抜きに楽しく見られた。ひょっとしてパート2を作るのかなという最近よくあるラストだったけれど、堅い話はまあ、いっか。キーラ・ナイトレイは正統派の美人。 そうそう、ホーンテッド・マンションも映画になるらしいけど。 |
A | ☆☆☆ | |||||
英雄〜HERO〜 | ジェット・リー | 中国映画お得意のエキストラを大量動員したスペクタクル歴史モノ。筋はちょっとひねってあるけれど、お涙ちょうだいのワイヤアクション。衣装デザインはワダエミ。とにかく色が鮮やか。ちょっと想像してください。その例1。真っ黄色に色づいてはらはらと葉がこぼれていく銀杏の並木の下で真っ赤な服を着た二人が戦う。色で分けていくというのは「乱」の頃からワダエミが使っていた常套手段。秦朝初期、始皇帝が始皇帝となる前に刺客から命を狙われ、でも実は始皇帝のことを一番理解していたのは刺客たちだったという話。中国映画では「グリーン・デスティニー」でもワイヤーを使っていて、どこかでみたことがあるようなシーンの連続といってしまうとそれまでなんだが、そのとおりなんだよなあ。 |
A |
☆ | |||||
呪怨U |
酒井法子 | ヒット作「呪怨」のPart2。1よりさらに断章形式が進んでひじょうに筋がわかりにくく、失敗作といわざるを得ない。原作本も読んだあったけれどそれでもわかりずらい。どこがどう繋がっていくのかわかりにくいのである。また,伽椰子の恨みも伝わってこない。音と映像で驚かすお化け屋敷の感覚である。原作は「衝撃のラスト!!袋とじ」だったわけだが、ま、予想通りの「これからPart3も作りますよ」というジェイソンやフレディー、またはダミアンシリーズ等での常套手段(ネタばれはしませんが、容易に想像できる)だった。 ところでウチの真名斗くんと一緒に見たんだけれど、彼も事前に原作を読んでいて、見ながら「次はこういうことが起こるわけだけれどどういうどんな風にあの描写を映像で表現するのだろう」という話をしていた。場面を(本でよく読んでいて)細かい描写もよく覚えていて彼の丁寧な本の読み方に関心してしまった。 |
B | −★★★ | |||||
バトル・ロワイヤルU 〜 レクイエム〜 |
藤原竜也 | 深作欣二監督の遺作。あのBRの2作目。脚本がよくない。場面設定もお粗末。でも、深作監督の思い入れみたいのは伝わってくる。今、この時期で日本であるからこそ対アメリカへ追随ではなく、日本としての意志を示していこうというメッセージである。深作監督は「仁義なき戦い」でも根底で戦後とかそういうものにこだわっていたと思うんだけれど人生の最後にソレを強く描いたのかもしれない。あるいは日本をものすごく愛していて日本の自立ということをもっと言いたかったのかも知れない。 「日本のことを例えれば12才の子どもだ」という有名な言葉があるけれど、彼は映画という媒体を使って日本を日本の国民全体を成人させたかったのかもしれない。 |
B |
☆☆ | |||||
ターミネーターV | アーノルド・シュワルツネッガー | 「I'll Be Back」のシュワちゃんの言葉から何年たったのだろう。とうとう、ターミネーターも完結してしまった。完結編の殺し屋は美人さん。(ばあチャンや中年おばさんじゃカッコ悪いモノね)登場の仕方はおっと何年か前の映画「スペース・バンパイヤ」と同じじゃネエか。裸のネエチャンが夜の街に突然現れて通行人がビックリしてるところを歩いて行って目にとまった女の着てるモノをはぎ取る・・・(なんで昼間じゃないんだ!!!)2作目の金属液体ロボットには驚かされたけれど、今回は驚かされるところはほとんどない。 結局、ロボットとの戦いは始まってしまって核戦争も始まってしまうワケだけれど、ま、シリーズものの最後はこんなモノだよね。 |
B | −★ | |||||
キル・ビル | クエンティン・タランティーノ監督 | よくまあ、こんなオバカ映画をつくったなというのが第一印象。 この監督、大の日本びいきで、深作欣二、北野武の作品が大好きで、梶芽衣子の大ファンなんだとか。日本のヤクザ映画もたくさん見ているらしくもう監督の趣味の世界というかなんというか。監督の自己満足、マスターベーションの世界だという批評もあるのに納得。映画の最後に梶芽衣子の「恨み節」がかかるのもご愛嬌。脚本なんか単純ハチャメチャ。なんで日本刀を使うんだとかヤクザの手下がなんでみんなマスクしてるんだとか飛行機に乗ってて金属探知器をくぐってるワケなのになぜ座席に刀があるんだとかそういうことを考えていてはいけない。映画の世界なのだから。栗山千明の「ゴーゴー夕張」はスケ番刑事のパクリで笑えた。 |
C | ☆☆ | |||||
座頭市 | 北野武監督 | ’89の勝新太郎監督・主演の「座頭市」はよかった。何が良かったかというと、勝新の思い入れや映画へのこだわりが伝わってきて大傑作であると思う。例えば市が道の路傍でぼんやりと佇んでいるシーンでもそのバックには川のせせらぎや風にそよぐ竹の葉擦れが微かに聞こえていた。また、勝新の市は豪放磊落、適度にスケベでそれが勝新自身と重なって良かったんだと思う。 武の市はこじんまりしすぎてあまり面白くない。脚本等はある水準まではいっているけれど、勝新は超えられない。家を建てる木槌の音、畑を耕す鍬の音はやがて村祭りの太鼓の音とタップに重なっていく。いかにも武らしい新しい試み・でも、この作品では賞は取れないと思う。 |
B | ☆☆ | |||||
ラスト・サムライ | トム・クルーズ 渡辺謙 |
映画には「なぜ」「どうして」という疑問はいらない。そういうことを言ってると映画の存在理由そのものが無くなってしまうのだ。この映画もそう。「なぜ、日本なんだ」「なぜサムライなんだ」なんて言う疑問を抱いてはいけない。とにかく、トム・クルーズのかっこよさと「武士道」の気高さ、日本的精神のいさぎよさ等々こんなに日本はいい国なんだろうかと思ってしまうほど。雪、桜、棚田等の風景もものすごくきれいで1つ1つのショットが決まっていてこれもよかった。ストーリーについてはあまりとやかく言うこともないが、西郷隆盛のことをアレンジして描いてるのかもしれないと思った。渡辺謙の勝元にいたっては何故英語がしゃべれるのか?だけれど、小雪はすっごいもうけ役でこれで国際女優の仲間入りかもね。あいかわらず、真田広之はいい味出してる。 久々にA級の三つ星。 |
A | ☆☆☆ | |||||
あずみ | 上戸 彩 | 原作は小山ゆうの連載まんが。漫画の方は「あずみ」の心の成長や女としての哀しさや性についてかなり深く踏み込んで描いていたけれど、主演が上戸彩ではどうしても品よく健全に作らねばいけないやなあ。どうしても制限がでてきてしまう。まあ、そうしたマイナス面を差し引いても予想外によかった。小栗旬、オダギリジョー、金子俊隆、成宮和寛、瑛太等若手の売れセン俳優勢揃いの、歯切れの良いチャンバラ青春映画。 ただし、上戸彩の立ち回りはぎこちなく、それを補うためにストップモーションやCGを多用している感じは払拭できない。北村一輝も若手と言えなくもないが、存在感があってこれからきっと邦画を支えていくような俳優になっていくのではないだろうか。でも、ともかくこの映画の中心は主演の上戸彩であって、彼女のキリッとした魅力的な表情は思わずそれだけでも「イイナァー」と思ってしまうボクはおじさんなんだろうか? 海外でもけっこううけていてもうVOL.2の制作が決まっているらしい。サムライブームの影響か、それとも上戸彩の魅力かなあ。 |
B | ☆☆☆ |
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ロード・オブ・ザ・リング 〜王の帰還 |
オーランド・ブルーム その他 |
ロード・オブ・ザ・リング3部作の完結編。一言で言うと「よくできている」なんだけれど、じゃあ、何が良くできているかというとCGと脚本等々である。この映画自体が一作目から戦いばかりでとてもファンタジーとは言えない部分があったんだけれど、今回も戦いに継ぐ戦い。こんなに戦いばかりやってると疲れてしまうよ。なんといってもいいとこどりはアラゴルンとサムだろう。まあストーリーと結末は分かっている。そう思いながら、どういうように終わるのかあるいは終わらせるのかと興味を持たせるのが映画なんだけれど、アラゴルンたちが連れてきた幽霊の戦士たちはちょっと安易すぎたかな。最後にフロドが旅に出るのも納得できなかった。 ミナス・ティリスの街など、映像は最高だと思うが。 |
A | ☆☆☆☆ | |||||
マトリックス レボリューションズ | キアヌ・リーブス | 完結編というのは、ま、だいたい「チャンチャン」という感じのつまらんものが多いんだけれど、結局、マトリックスも残念ながら例外ではなかった。 @ワイヤアクションはもう飽きてしまった。空中決戦はもう笑ってしまうね。 Aロボットの造形がちゃち。ミフネ船長たちの操作するロボットだけど、どうしてカバーがないわけ?あれでカバーつければガンダムか。 B大量増殖したエージェント・スミス。「マトリックスも制御できなくなった」というのは力ではなくそのゴキブリのように増えた数のことかい? 予言者とかもあまりでてくる意味がないよな。ネオが金色の光に包まれるのはまったくナウシカだよな。とか、他にも疑問点や納得のいかないところがいくつもある。戦闘シーンは、まあ、良くできていたと思うけれど、1作目があまりにもよくできていたから、ま、しょうがないか。 |
A | ☆ | |||||
木更津キャッツアイ 日本シリーズ | TVドラマの「木更津キャッツアイ」は面白かった。クドカンがいい意味でクドカンらしさを出すことのできた近来の傑作ドラマの1つだったと思う。(その後のTVドラマはヒットしていない)で、その映画版後日譚。出演者と役どころは全て同じで、出演者自身がリラックスして楽しんでいる様子が伝わってくる。前作のTVシリーズで死んだはずの「ぶっさん」「おっじー」が復活する。と言っても「オッジー」の復活にはちょっとしたカラクリがあるんだけれど。面白いは面白いけれど、後半になって無人島に流れ着いたり怪獣ゴミラーの出現、うっちゃんの偽札作りの登場にいたると、もうちょっとふざけすぎ、お粗末といった感は免れない。せっかくのドラマがドタバタになってしまった。いつものクドカンの冴えがない。駄作と言い切れる、それだけの作品。ビデオ、それもファミブの日の半額レンタルだと見て損をしたという感じはない。 |
C | −★ |
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着信アリ | 柴咲コウ | 「呪怨」等の流れを組むジャパニーズホラームービー。「リング」の原作の良さからは数段劣るが、今の怪談、言い方を変えると都市伝説系の新しい恐怖である。ただ、それが成功しているかというとそうはいえない。あまり意味無く人を殺している感じがする。ケイタイからケイタイへ移っていく怨念が中途半端だし、この怨念の根本には「虐待」といういかにも現代的な問題があるわけなんだけれど、だったら殺さなくたっていいじゃないかと思ってしまうのは筆者だけだろうか。最後にヒロイン自身も幼児期に虐待された経験があって、それ故、魂を怨念に乗っ取られてしまい、もう一人の主人公である男を虐待の対象として得られたことであめ玉を与え、無情の喜びを冷たい微笑みに表して、(男にとっては)閉塞した絶望的な中で終わるんだけれどよくわからん「一人一人に違った青空がある。」という言葉とエンディングの柴咲コウの歌の歌詞が重なって不十分な納得のままなんとなく終わる。、中学生とかじゃ意味が分からないよな。 でも柴咲コウはTVで見る演技とはひと味違った感じですっごくよかった。 |
C | ☆ | |||||
シルミド | ソル・ギョング | 実際の事件を映画化したという韓流、韓国でしか作れない映画。 嫌味な見方をすれば、最近の韓国製の超大作映画は国家分断やそれに伴う哀しみをウリにしている感じがある。確かに他の国では決してないことだし、分からなくはないけれど。原作も読んでいたけれどだいぶかけ離れていた気がする。あれだけの厚い本を2時間ちょっとにまとめるんだから分かりやすくしなくてはいけないのはよく分かる。でも、事実を曲げてはいけないし、人物の描き方も直線的である。 ま、そこら辺はおいといて。映画自体は面白かった。女房に「見る?」と聞くと「あたしの趣味じゃない。」と返ってきたが、その通り。歴史的な背景理解も必要だし、戦争ものに通じるところがある。心情的には「ブラックホーク・ダウン」とかに近いかもしれない。男の世界というのかな。生と死の極限におかれたときの男どおしの友情、仲間という連帯感である。ちょっと、お涙ちょうだいの「巨人の星」的なわざとらしい場面もあったけど。 ただ、どうも気にくわないというかバカだよなと思うところは、全員でバスを乗っ取ってソウルに向かったことである。「生きぬく」というなら(また一人一人が特殊訓練を受けたエキスパートなら)バラバラになって潜入すればいいじゃないか。その間にかつての恋人等にも会ってこられるよなとか思ってしまう。それもま、いっか。「よかった」「涙が止まらなかった」「感動した」というように純粋にみればいいんだろうな。 |
B | ☆☆ | |||||
ブラザーフット | ウォン・ビン チャン・ドンゴン |
「シルミド」にも近い韓流映画。こちらは朝鮮戦争を舞台に兄弟の絆を描いた。戦闘シーンの迫力は(特に戦争は最後は肉弾戦なんだという強烈なインパクト)「プライベート・ライアン」とか「フルメタル・ジャケット」あたりから引き継がれている迫真路線。血しぶきがカメラにも飛び散り足が吹き飛び内蔵が飛び出すスプラッター映画顔負けのシーンが次々と。物語自体はいつものお涙頂戴だけれど、まあそれなりによかった。朝鮮戦争の時は理不尽な理由で殺されたり暴行されたりいろいろあったんだろうなあと思った。そういう意味で韓国の(朝鮮の)人たちは日本人にはない強さや憤りを胸に秘めて生きているのかもしれないと思った。 | A | ☆☆☆ | |||||
ホーンテッドマンション | エディ・マーフィー | TDLのホーンテッドマンションが映画になった。主演はエディ・マーフィー。パイレーツ・オブ・カリビアン」も良かったし・・・。と、過剰な期待はけっこう裏切られることも多いんだよね。子供だましと言ってしまえばそれまでだけれど、ホーンテッドマンション大好きな筆者はそれなりに楽しめた。一つ一つのゴーストが忠実に描かれていて(しかも音楽や声までほとんど変わらずに!!!)それをみるだけでもこの映画を見る価値はあったと思う。ラストはいかにもディズニーチックなハッピーエンド。しかもマンションをお城風に見せてまるで「リトル・マーメイド」や「美女と野獣」とかを踏襲するようなシーンじゃないか。TDLにまた行きたいと思わせるための映画かな? | B | ☆ |
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ドーン・オブ・デッド | ザック・スナイダー監督 | 言わずとしれたゾンビ映画の原点大大傑作A・ロメロ監督「ゾンビ」のリメイク。そんな大傑作を簡単にリメークするんじゃねえよ。という見本のような作品だった。 | C | −★★ |
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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 | ダニエル・ラドクリフ | 監督が替わったけれどあと出演者等ほとんど全てそのまま。1作目からの予告編も特典映像でついているんだけれど、ハリー役のラドクリフ君の成長にはビックリ。物語も登場人物もなんの破綻もなく落ち着いて見られる。そこが長所でもあるし短所でもある。原作に忠実によくできていた。しかし、だ。狼男のCGがちゃちぃ。20年も前のCGだね。金かけてるんなら ちゃんとそういう大事なところにも使えよっていうじゃない。ヴォルデモートの影が薄くなってしまってディメンターとハリーの闘いになってしまった感がなきにしもあらず。もう一つ言うと、 原作ではホグズミートの街がとても楽しそうに描かれていたけれど、映画では必要最小限にしか描かれていなかったのが残念。 |
A | ☆☆ | |||||
スターシップ・トゥルーパーズU | フィル・ティペット監督 | 最悪。よく見たら監督が違うんだね。前作のCGのすごさと青春群像編のような明るいばかばかしさがなくなって、「エイリアン」とか「惑星からの物体X」をパクったような密室劇でスケールが格段にちいさくなってしまった。ストーリー自体もつまらんC級ホラーになってしまって、もはや別モノ。制作資金も集まらなくてプロデューサーが力がなかったのかも? がっかりもがっかり。「スターシップ・・・」と冠することが間違っている。 |
C | −★★ | |||||
デイ・アフター・トモロゥ | ローランド・エメリッヒ監督 | まったくのご都合主義。「インディペンデンスデイ」の監督と聞いて納得。スケールの大きさは認めるが、ヒトの命は屁とも思ってない大国主義の映画である。あれだけの竜巻、大寒波、大雨、大雪、大津波・・・と、これでもかと大災害が起きながら救急車が出てこないし、人命救助に自衛隊も派遣されない。 ついでにいうと、断絶した父子関係が出てきていかにもいかにもの黴くさいヒューマニズムが描かれているのである。そういうときにお父さんは決して死なない。天変地異を予測したその中心人物なら大事な気象庁からは出て行けないだろう。ということでストーリー自体にもこの監督の特徴が色濃く出ている。グラフィックは「おっ」というところもあるけど、ただそれだけの作品。 |
A | ★ | |||||
ヴァン・ヘルシング | スティーヴン・ソマーズ監督 | 主演はここのところセクシー男優として名高いヒュー・ジャックマン。ヒロインはクールな美女ケイト・ベッキンセール。ドラキュラ役にお似合いのリチャード・ロクスバーグ。簡単に言えば「「バンパイアハンターが宿敵ドラキュラを倒す」という話なんだけど、ユニバーサルのモンスター総出演でUFJの宣伝みたいだった。個人的にはモンスター系の映画は好きだから楽しく見られた。ストーリー等あまがする)ムービーだね。 | B | ☆ | |||||
アンダーワールド | ケイト・ベッキンセール | ケイト・ベッキンセール主演なので思わず見てしまった。ヴァンパイア(吸血鬼)とライカン(狼男)の宿命的な闘いを描いたモンスター作品。「ブレイド」や「マトリックス」の女版を目指してるんだろうなというのが見え見え。切れのよさ、アクションのかっこよさ、スケールの大きさ等々でそれらの作品には数段劣るけれど、そこを補っているのが主演のケイト・ベッキンセール、ブルーと黒を基調としたフィルム・ノワールを思い出させるようなスクリーンプレイである。ストーリー自体はもう少し整理が必要かなあと思うが。どこかで見た本作品の批評に「Part3位でブレイドとぜひ戦わせたい」というのがあって思わず笑ってしまった。確かに。そしたら、やっぱり、引き分けなんだろうな。とにかく、ケイト・ベッキンセールがあっての作品。いいよねえ、美人は。 | B | ☆☆ |