桐生市青年大学と桐生市における青年活動について



 
本年の桐生市青年大学は男子36名、女子34名総勢70名の在籍で5月からスタートした。例年に比べて人数が多く、週2回の活動日には駐車場が入り切れなくなるほど青年の家は若者たちでごった返している。

 青年大学(略して青大)は1967年より行政指導型の総合的な青年活動として実施され本年で32年目を迎えた。その間の修了生は千名を越え、たくさんの修了生の方々が桐生の中枢として活躍している。現在の青大は月曜にバドミントンやエアロビクス等のスポーツ、木曜にアウトドア講座や世界の料理作りなどの実習・講義等を行ない年間の総合活動時間は200時間を有に越え、常時40名位の若者が活動している。
 全国的に青年活動が衰退している中で桐生市においてもその傾向は否めない。かつては各公民館にあった青年会や青年団はもはやほとんど残っていない。現在、桐生で活動している青年団体は数えるほどである。
桜木青年会はカップリングパーティーなどを軸としたユニークな活動を展開し、広沢青年苦楽部はスポーツを中心としたアクティブな活動をしている。青年の家では前述の青大のほかインターナショナル・キッズ・キャンプなどを主催するKVC(桐生ボランティアクラブ)、青年の家のイベント等をサポートしたり独自の音楽活動をめざす仲町食堂、土曜喫茶という音楽ライブを実施しているチャイムなどいくつかの青年団体が活躍している。その他では桐生VYSが目立った活動を行なっている
 そもそも、青年活動の退潮が叫ばれ始めたのは大学への進学率が飛躍的に伸び始めた頃からだった。が、その頃はまだ青年たちに『集まって何かやろう』という意識があった。さらに青年団体の減少化に拍車がかかったのは「ファミコン」等のゲーム機と個人主義の発達に伴ってであると考えられる。「ファミコン」の登場は子供の世界の遊びにも多くの変革を起こした。〃みんなで集まって何かをしよう〃とか〃外で遊ぼう〃という意識をなくしてしまったのである。しかし、最近、青年たちが『群れる』ことを欲し始め、その傾向はここ数年の青大への受講希望者の増加に如実に反映されている。そういえば、ゲームセンターやファミコンでも多人数でできる対戦ゲームが増えている。個人で遊ぶことの限界が見えてきたのだろうか。『群れる』という経験をあまり積んできていない若者達は「集まる方法」や「集まってからどうするのか」が良くわかっていない。簡単に言うとリーダーシップをとる人間がいないのである。そこで、青大は「何かしたい」という青年たちに集まる場を提供し、その中でリーダーを養成していくことを大きな目的としている。
 青年の家の最大のイベントは10月に実施する「第35回桐生市青年祭」である。すでに様々な団体にご協力をいただき実行委員会が動き出している。青年祭も企画、運営を通じて自主的・主体的な若者達を育成することが大きな目的である。本年はミニSLを大きく一周させたり、体験コーナーを作って来場者に様々なを体験してもらったりという企画が進んでいるほか、特に平塚市の青年団体が交流と研修を兼ねて当日来桐し〃ベルマーレ平塚〃のグッズを販売する模擬店を開くという計画も進んでいると聞いている。
 
 特に、人口減や市財政の困窮等の諸問題が山積する本市において、少しでも明るい未来を望むために必要不可決なのは、青年層の奮起であると思う。各企業や学校等様々なところにご協力をいただきながら、青年たちの活動を支援し、行動的・リーダー的な桐生を愛する青年たちの養成を進めていかねばならないと考えている。
 
付け足し・・・
なお、とりあえず最後に現代青年を理解するための3つのキーワードを紹介しておく。
『喪失感』…自分自身に自身がなかったり、夢や希望が持なかったり家族や友達との連帯感・共有感を見いだせなかったり、倫理観・道徳観・貞操観を失いかけていたり、自己防衛本能さえ希薄になっている。
『両極化』…16歳の有職少女と某有名付属の進学高校の性交経験率を比較するとダントツの違いがみられたという。性の開放がセンセーショナルに取り上げられる一方、女のコと話すことのできない、話したことのない青年男子も急増している。
『ボーダーレス』…分かり易い例をだす。若い女のコが〃エンコー〃とか〃フーゾク〃とかの言葉の隠れ蓑を使って安易に〃ウリ〃にはしっている。バイト感覚で売春行為を行ない、適当に切り上げて普通の仕事に戻ったり
、母親になったりしてしまう。決してこのことは誇張ではない。