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群馬大学




群馬大学工学研究科
博士前期課程1年
  高見 満


 
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1. はじめに
2. 今回のタイトルは何を意図していますか
3. コンクリート構造物の耐久性について
4. コンクリート構造物の耐久性向上のために現在取り組んでいる研究
4.1 電気泳動法の適用
4.2 コンクリートの細孔構造 
5. 最後にひとこと
 


群馬大学工学部 建設工学科
  杉山 隆文 助教授

4. コンクリート構造物の耐久性向上のために現在取り組んでいる研究

4.2 コンクリートの細孔構造


 コンクリートは多孔質な材料です。図-2には、水銀圧入法により、コンクリートの細孔構造を調べた結果を示します。これより、コンクリートには、ナノメートルからマイクロメートルのオーダーの微細孔が存在することがわかります。また、意図的に空気泡を混入することがあり、この大きさは通常数mmまで及びます。このことから、コンクリートの細孔構造は、非常に幅広い径の細孔が独立したり連結したりして存在すると考えられます。超長期耐久性を有するコンクリートとは、この微細孔の連結や総細孔量が著しく小さいコンクリートと捉えることができるかもしれません。

図-2   コンクリートの細孔径分布の計測例
(水銀圧入法による):微細組織構造の解明は、名のスケールから始まる

 さらにコンクリート中での物質移動を難解にしていることとして、前述した細孔中には、イオン強度が比較的大きな細孔溶液が存在しています。主なイオン種、Na、K、Ca、OHなどで、濃度は範囲は0.02〜0.5mol/L程度です。そのために、イオン種の移動を考えるときには、MultiComponents-Concentrated-Solutionとして扱わなければなりません。つまり、図-3に示すように、お互いのイオン種の相互作用を考慮しなければいけません。

図-3   コンクリートの細孔溶液中におけるイオン種の相互作用の概念図

 
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