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■家庭用血圧計の世界トップメーカー 日本精密測器株式会社は小型配電盤用指針計、携帯照度計のメーカーとして昭和25年に操業を開始した。 その後各種測定機器の開発・製造の分野を歩み続け、製品の開発においてもその最先端の技術力が高い評価を受けている。 特に主力である家庭用血圧計・脈拍計のOEMメーカーとしては世界のトップメーカーであり、その他にもカメラの絞り部分の精密部品(アイリス)のメーカーとしても知られている。 同社におけるIT化の萌芽は、給与・経理関係の電算化に始まり、後に生産管理等のシステム化に及んでいる。 ■生産管理と基幹システムの一元化 同社のシステムは人事、給与、財務、受注・販売管理、顧客管理関連など、基幹業務と生産管理とが2系統のシステムで動いている。 生産管理システムは、Windows NTサーバーをホストとしてネットワークが組まれているが、一方、基幹システムはオフコンを継続したシステムであり、メーカーのシステムサポートにも時期的な限界があるとの予想もあり将来はオープン形システムに移行していく必要がある。 早い時期にシステムを導入したのは、同社の製品はOEM製品が主体でありその数は1,000種類にも及ぶため、システマティックな在庫管理はデッドストックの発生防止や納期管理など、OEM供給メーカーとして必須条件となる。 さらに製品管理も重要で、形状その他はほとんど同じだが一部分だけが違っていたり、色だけが違っていたりと、システム化は不可欠だ。 管理の基本は製品コードによるが、システム化した当初は5桁だったナンバーが、現在では何と18桁の製品コードに変えているという。 また、基幹システムと生産管理システムの統合・一元化という課題と共に、将来的には紙の伝票等を無くしていくことも目標のひとつ。 それには生産計画表等のデータ上での承認システムの構築や、受注伝票その他伝票を起こしてからシステムに入力するという手段そのものの根本的な見直しが必要となる。 ■インターネット活用の重要性を視野に入れて そしてインターネットの活用もいよいよ視野に入ってきた。 それは販促活用がひとつにあるが、在庫状況、受注状況のネット上での確認が、取引先など社外から安全に実現できれば、同社の営業部隊にとって受注活動がよりスムーズになる。 また、中国、インドネシアに生産工場をもつ同社にとって、より高度なインターネットの活用による情報のフィードバックや共有化が想定されている。 まだ具体的な計画段階ではないが、間接部門での端末機器はインターネット接続され、セキュリティー用のプロキシサーバーの導入も既に行われているなど、環境は着実に整いつつある。 また、技術情報の収集をはじめ、技術開発部隊においてインターネットは不可欠なツールとなっている。 そして、外部的な要素ではあるが通信インフラの整備が待たれる。 現在では、専用線対応をしているものの、データ転送量に比較してコスト高の感は否めない。 特に海外の工場の他、ドイツをはじめとしたヨーロッパ、アメリカ等の海外の取引先と三次元CADのデータ通信が日常的にあり、「データ量がある場合、転送途中でタイムアウトし、シャットダウンなんてことも」と担当者が語るように、世界とネットワークをもつ企業にとって通信インフラもまた重要なポイントとなっていることがうかがえる。 ■ネットを通じて世界からの引き合いが そしてインターネットにおけるもうひとつの柱である、販促ツールとしてのWebサイト活用である。 ホームページ製作および独自ドメインの取得も早く、日本語版の他に英語版とドイツ語版のページがあり、特に医療機器メーカーの多いドイツ営業所で作成したサイトは内容・質ともに充実している。 その効果もあってか、サイトを通じての、海外からの問い合わせが毎日のようにくるという。 日本精密測器株式会社が世界を舞台としてダイナミックな独自製品の供給を続けるかぎりITはもはや不可欠な要件となっている。 それは、納期管理や在庫管理など世界に存在する顧客に対して高品質な製品を安定して供給するにとどまらず、さらに同社が飛躍するために不可欠な、重要な戦略ツールとして定着し始めている。 |
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