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■昭和45年、 汎用コンピュータ導入から始まったIT化 向田会計事務所は、顧客の試算表、決算書、申告書等々の作成業務に携わる会計事務所。 株式会社に改組・創立は平成4年だが、開業は昭和45年になる。 数値を扱う業務の性質上、従来からコンピュータとはなじみが深く、開業から1年後の昭和46年、会計業務計算用にオリベッティの汎用コンピュータを導入、同時にTKCのセンター利用を開始している。 「当時、『コンピュータ会計』なんていうコピーを名刺に入れると、先生のとこはコンピュータでやられているんですね、と話題にも」とセールスポイントにもなったという。 その後、業務活用のために個別的にパソコンを導入、平成10年頃から徐々にパソコンベースでのネットワーク構築へと展開し、現在はLAN構成下パソコンの一人一台体制を築いている。 もちろん個々のパソコンからインターネットへの接続も可能となっている。 ■ネットワークを組むメリット LAN構築の最大のメリットは、情報の一元化にあるという。 例えば顧客担当者が作った汎用性の高い帳票類は、会社全体のボトムアップのためにも、そこに込められたノウハウがスタッフ共有となるのが望ましいが、どうしても困難であったという。 それがサーバーとクライアントによるネットワーク環境の中では比較的容易に事務所の共通のツールとして使えるようになったとのことだ。 ■顧客との コミュニケーションツールとしてのIT ITは、スタッフ間だけではなく、顧客とのコミュニケーションのツールとしても力を発揮しているとのこと。 同社は、TKCとともに会計処理システムであるミロク情報システムにも加盟していて、これは、顧客にパソコンを導入していただきネットワークでデータのやり取りをするシステム。 現在導入企業は、顧客の4割程度ということだが、試算表上における現状の課題や検討事項を経営トップと直接モニター上、またはプリントアウトされた帳票類でその場でやりとりできるメリットは大きいという。 つまり、経営環境の変化激しい現在にあって、P/L、B/Sは単に税務処理上必要ということを越えて、経営に活用していくことで本当にその威力が発揮できると向田会計は指摘する。 確かに、銀行からの融資を受ける場合にも、事業計画・資金計画や例えば月次の売上実績等を銀行サイドから要求される場合も多く、その場合自社の資金状況とその運用についての明確な方針は必要不可欠になる。 そのためには専門的なノウハウであった会計処理業務を顧客もある程度把握していることが必要になってくる。 コンピュータ技術はそうした知識やノウハウを共有する「場所」と「方法」を提供しつつあるといえるかもしれない。 「例えば、先月の実績はこうだったと。それに対してどんな手をうったらいいのかと。今後どうしたらいいのかという、相談といいますかね、そちらの方が多くなってきていますね」と、向田会計事務所では、実際、経営課題の検討や提案をするケースが増えてきているそうだ。 こうした経営コンサルティング的な業務が今後ますます要求されてくると向田会計事務所は見ている。 ■競争の中でIT技術は不可欠 一方、会計事務所を巡る環境も変化の只中にある。 昨年(平成14年4月)、税理士法が22年ぶりに改正され、従来個人の税理士にしか認められなかった税理士の資格が法人にも認められるようになった。 つまり組織的に税理士業務が行えるようになったということで、例えば支店展開なども可能になってくる。 事実東京では税理士法人が徐々に増えつつあるそうだ。 さらに国は会計士や弁護士も増やしていく方針で、それぞれの業界から税理士業界への参入も行われてくると見られている。 つまり会計事務所間の競争が激しくなってくることが予想される。 こうした流れの中、コンサルタントとしての力をより一層強化するために、投資計画の評価、資金回収までの運転資金繰りまで含めた経営計画のシュミレーションを背景に、納得のいく計画提案が出来る体制構築を推進したいと語る。 もちろんシュミレーションにはコンピュータの技術は、不可欠だ。 「お客様の発展がなければ、われわれの発展もない」と言い切る向田会計にとって、コンピュータやネットワークの技術は、業務の展開と否応もなく深く結びついていることが見て取れた。 |
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