【チュックボール】
●概要
弾力のあるネットに、ボールをシュートし合うゲームです。ハンドボールによく似ていますが、シュートしただけでは得点になりません。ネットからはね返ったボールは、守備側がダイレクトキャッチしなければなりません。キャッチに失敗すれば、シュート側の得点となります。
ボールのパス、キャッチ、シュートの技術は、ハンドボールに似ていますが、ドリブルはありません。また、パスカットなど、相手チームへの妨害も一切禁じられているため、球技に不慣れなプレイヤーでも楽しむことができます。
攻撃や守備の際に、妨害行為が全くないので、ゲームはシュートとキャッチの攻防に集約されます。
●チュックボールの歴史
チュックボールは1970年、スイスの生物学者Hermann Brandt氏により考案され始まったスポーツでその特徴はハンドボール、ペロタの要素を深く取り入れたと言われています。
現在では発祥の地スイスはもちろん、イギリス、イタリア、フランスなどのヨーロッパやブラジル、カナダ、アメリカ、アルゼンチンといったアメリカ大陸にも広がりを見せています。アジアにも普及しきており、台湾をはじめインド、パキスタンにも普及してきています。
日本には1980年に紹介され、群馬県、東京都を中心に年々競技人口は増加しています。
●用具
ボール:重さ450gのハンドボール3号球を使用。
空気圧をやや高めにしています。
ネット:トランポリンを小型にしたような形状、
100cm×100cmほどの大きさのものを使用。
※体育館では、ガムテープやマットなどで、屋外ではペグ(杭)
でしっかりと固定します。
●コート
ワンネットの場合:20m×20mの正方形
ツーネットの場合:20m×40mの長方形
※一般的には、ハンドボールコートのゴールライン、サイドライン、センターラインを利用するとよいとされています。バスケットボールのコートラインを利用する方法もあるようです。ネット前に半径3mの半円立ち入り禁止区域があります。
●競技方法
① チームの人数は、ワンネットの場合4~6人、ツーネットの場合7~9人。
② 競技時間は、15分の3ピリオドで行う。状況に応じて1ピリオドの時間を短縮して行う場合もある。
③ ジャンケンで先攻を決め、先攻チームはシュートするゴールの反対側にあるエンドラインの外から
スローインして始める。
④ 先攻チームは、スローインされたボールを3回以内でパスをしながらネットにシュートする。
このとき、相手チームは絶対に妨害してはならない。
相手チームは、シュートされてはね返ってくるボールを予測して、そのボールを落さないよう捕球する。捕球した相手チームは、ただちにシュートするか、3回パスする間にシュートして、
お互いに得点を争う。
⑤ 得点は、下記のとおりですべて1点。
再開は、得点されたチームがエンドラインの外からスローインを行う。
・シュート側の得点
(1)ネットにシュートしたがボールが、はね返ってグランドについた場合。
(2)シュートし、はね返ったボールを相手チームが取り損なった場合。
・相手側の得点
(1)シュートしたボールが、ネットに当たらなかった場合。
(2)シュートしたボールが、コート外やゴールエリア内に落ちた場合。
⑥ 反則は下記の場合で、その場で相手チームのフリースローになる。
(直接シュートはできないが、ツーネットの場合攻撃方向は自由でパスの回数は0からとなる。)
<反則>
(1)パスを4回以上したとき。
(2)ボールがコート外に出たとき。
(3)パスを失敗してボールを落したとき。
(4)相手のパスやボールを持っている相手を妨害したとき。
(5)ボールを3秒越えて持つか、3歩越えて歩いたとき。
(6)シュートする際、ゴールエリアに入ったとき。
(7)シュートしたボールを味方が捕球したとき。