その日、深夜のコンビニに一人の青年がいた。 彼は未成年だが酒は悪い事と思った事はなかった。煙草は吸った事がなかった。 無愛想で割と無口なので、友達は少なかった。でもそれでいいと思っていた。 今日コンビニに来たのは、ここでバイトをしている友達の顔を見るのと、好物のプリンを買う為だった。 彼は19歳だった。 名をゾロと言った。 その日、深夜のコンビニに一人の青年がいた。 彼は未成年だが、煙草を常用していた。酒は料理用以外はあまり呑まなかった。 美人で口説きも好きなので、不特定多数の彼女はいるが、友達は少なかった。 今日コンビニに来たのは、デート費用の為にここでバイトをしているからだった。 彼は19歳だった。 名をサンジと言った。 その日、深夜のコンビニに一人の少年がいた。 彼は未成年だが煙草や酒の常習犯だった。ついでに無気力だった。 持ち前の比較的中性的な童顔と華奢な体を使って、売春をしていた。友達はほとんどいなかった。 今日コンビニに来たのは、喉が渇いて眠れない所為だった。 彼はまだ17歳だった。 名をルフィと言った。 プリンと二才差 ルフィはコンビニで雑誌を立ち読みしていた。 今日発売日の、とある漫画雑誌だ。 別に毎週読んでいる訳ではないけれど、悪友のウソップが、今週のなんとかという漫画が面白いと言っていたからだ。 (題名には確か『ピュー』だか『ジャー』だかがつく気がしたが、よく思い出せない。) 今流行りの漫画をぱらぱらと捲る。海賊の話だった。麦わら帽子を被った少年―主人公だ―が、馬鹿みたいに必死な顔で叫んでいる。 思わず笑ってしまって、雑誌を閉じて置いた。 デザートのコーナーに行くと、プリンが何故か目に飛び込んできた。新製品。残り一個だ。なんとなく手を伸ばすと、横から同時に手が出てきた。 顔を上げると、そこにルフィより大分背もガタイもある、緑の短髪の男が居た。ルフィがそうしたように、彼もルフィを見て目を丸くする。 結構男前だな、と、今はどうでもいい事を思った。 「あー・・・・・・・・・・・・・・・・」 彼は行き場の無い手をどうするか迷っているらしかった。別に買う気でも無かったルフィは、自ら手を引っ込める。 「どーぞ。」 短く言うと、男は一瞬迷った顔をしてから、じゃあ、と言ってプリンを取った。割と無愛想というか、どちらかといえば強面だったので、この男がこのプリンAAA 『ふわふわクリームプリン〜特製フルーツキャラメルソース〜』AAAを食べるというのは少し違和感がある気がした。 くるりと踵を返して、そういえば今日はほとんど何も口にしていない事に気付く。 疲れのせいで突然甘い物が欲しくなって、プリンに目が引かれたのはその為だったのだと気付いた。 けれど最近は少し風邪気味で、『仕事』をしていなかったので、金はもう残り少ない。プリンを買う余裕さえない。 まぁ別にひどい空腹だという訳でもないので、明日『仕事』を入れて何か食えばいいだろう、とルフィは思った。 喉が渇くのは放っておく訳にもいかないので、(ルフィの喉は水道水を受け付けず、さらに渇くと睡眠を奪うという厄介な性質を持っている) フリーザーに行って500ml入りのスポーツドリンクのペットボトルを掴んだ。 ふと、話し声に振り返る。さっきの緑の髪の男が、レジで店員と何か話しているのが見えた。 金髪で青い瞳をしたその美人の店員AAA男だがAAAは、しばらく緑の髪の男と会話をした後、突然吹き出した。華が咲いた様な笑顔だった。 フリーザーを閉めて、ルフィはコンビニの中を何とは無しに見て回る。緑髪の男はいつの間にか金髪の男との会話を終えて、コンビニを出て行った。 しばらくしてルフィもレジに向かった。カウンターにペットボトル一本を置くと、金髪の男はペットボトルのバーコードを読み取り、レジを打った。 言われた金額を出し、レシートを受け取る。そのまま袋も受け取ろうとするルフィに、金髪の男は言った。 「お客さん。」 上げた顔が怪訝になったのが自分でも分かった。ルフィは、他人に突然話し掛けられるのがAAA美容師だろうが、道に迷ったおばあさんだろうがAAAひどく嫌いだった。 金髪の男は少しおかしそうな顔をして、カウンターの下から何かを取り出した。 「これサービスするんで、持ってかねェ?」 上が少し広がった短い円筒型のカップに、丸い文字で『ふわふわクリームプリン〜特製フルーツキャラメルソース〜』と書いてあった。 ルフィはさらに顔を怪訝に染めた。 「さっきのお客さんAAAあー、一応俺のダチなんだけど、AAAレジで置いてきやがったんだよな。別に食いたくねェからとか言って。好物のはずなんだけどな、実は。」 素直じゃねェから、と、言って、ルフィの承諾を得ずに男はペットボトルの入った袋にプリンを押し込んだ。ご丁寧に、プラスチックのスプーン付きだった。 「・・・・・金AAA。」 財布をジーパンのポケットから再び出しかけると、金髪の男に制される。 「だから、サービスだからいいって。どーせ賞味期限切れたらゴミ箱行きだしな。得したと思って黙って持ってってくれると助かる。」 何故だか楽しそうに金髪の男は笑みを浮かべながら言う。しばらくその顔を見てから、ルフィは差し出された袋を掴んだ。 「じゃ、遠慮なく。」 金髪の男は笑う。 「うぃーす、クソありがとうございましたー。」 微妙に意味不明な挨拶と共に、ルフィは送り出された。扉を開けると、初夏の風が珍しく涼しかった。 コンビニのビニール袋を見下ろして、ルフィは深夜の帰路を辿る。 少しだけコンビニを振り返り、そして踵を返した。 Hinata様へ、サイト二周年記念にお送り致しますー。 わぁぁぁ短くてすいません。つーか大分遅れてごめんなさい。 リクエストを受けてから5・6回書き直しを繰り返し、やっと出来たマシなのがコレです。 ちなみに現代モノ。黒ルヒ仕様。ほんとはもっと黒かったんですがそれだと極端に長くそしてだるい話になるので止めました。あああ文才欲しい。 2周年という事なので、どうしても『2』という数字を入れたかったのですが全然駄目でした。ううう。 唯一の見所はプリンスキーゾロです。(えっ) ではでは。Hinataさん、こんな駄作ですが受け取ってくださいませ。これからもサイト運営頑張ってください。 (なつめ様、コメント) なつめ様より頂きました!! 2日に貰ったのにアップが9日ってアンタ・・・ 文才欲しいとかホザイテますが、もう無用だと私は確信しております。 これ以上私を置いて逝かないで下さい。 ルフィが大人なのに酷く感動!!なつめ様のルフィはいつも可愛い無邪気なイメージだったので。 そして私のツボ。 プリン喰うゾロ。しかも大好物ときた(笑)大好きです。そんなゾロも可愛くて良いですねv 兎にも角にも、有難う御座いました。 是非また下さい…(厚かましい) (ヒナタコメント) |