ぶらり温泉５人旅

今回の設定・・・女⇒ナミ、ルフィ、サンジ　男⇒ゾロ、ウソップ

ゾロ×ルフィ　サンジ←ウソップ

ルフィ＝Ｂ７６，Ｗ５６，Ｈ７７　サンジ＝Ｂ９０，Ｗ５７，Ｈ８８

其ノ壱　そして旅は始まった・・・

「温泉行きたいなぁー。測量で肩こってんのよねー。それにまともにお風呂に入ったのっていつだったか忘れちゃったわ。ここんとこずっとシャワーだったから。」

船のデッキの上でくつろぎながらナミは言った。

「おっ、いいな、温泉。」

この台詞を言ったのは寝ているとばかり思われていたロロノア・ゾロだった。

「あんた起きてたの？」

「起きてちゃ悪りぃーか。」

「ウシシ。温泉かぁー、オレも入りてぇーな。」

突然無邪気な船長のルフィが話に割り込んできた。

「えっ！？」(ルフィと温泉＝混浴＝�D)

「ゾロ、鼻血！」

「また変な妄想でもしてたんじゃねぇーのかぁ？」

この厳しいツッコミを入れたのは船のコック、サンジである。

「そんなことねぇーよ。」

やっと鼻血が止まったゾロが反論するが、

「こんなクソ寒ぃーのに、誰が突然鼻血出すかよ！」

「・・・。」

やはりこの口達者なコックにはかなわないようだ。

「おい、お前ら何の話してんだ？」

みんなより少し遅れてデッキに出てきたウソップが言った。

「温泉よ。温泉に行きたいなぁーって、ね。」

「おおー！温泉なんて懐かしい！オレも行きたいぜ。」

「じゃー、決定だ！温泉に行くぞー！―って温泉てなんだ？」

一瞬にして凍りついた現場には不似合いな無垢な笑顔でルフィが聞いた。

「あのねー、ルフィ、温泉を知らないのにはしゃいでたの？まったくこの子は・・・。―いいわ、説明してあげる。ウソップお願い。」

「えっ、おいナミ！どーしてオレなんだよ！」

突然ふられて困っているウソップにナミは、

「あんたにはちょうどいい役よ。」

「おい、それはないぜ。―まぁ、いいか。あのな、ルフィ、温泉ってのは、よーするにでっかい風呂だ。分かったか？」

「でっけ―風呂？すっげー！で、風呂って食えるのか？」

みんな呆れて物も言えない中、サンジがズカズカとでかい足音を立ててルフィのほうへ向かって行き、

「風呂なんて食えるわけねぇーだろ！このクソゴム！てめーはあんまり風呂にはいんね―からな。―じゃー、改めて教えてやるよ。来い！」

「わっ！どこ行くんだよ、サンジ？」

腕を急に掴まれ、引きずられていくルフィを一行は物珍しそうに見ていた。

「いいか、ルフィ、ここが風呂だ。」

どこに着いたと思えば、そこは船にある唯一の小さな風呂場だった。

「おお！ここか！見たことあるぞ！」

「そりゃ、あるだろ。でも、温泉にあるのはこれよりもっと広いぜ。あと、外にあったりするんだ。」

「すっげー！オレ温泉行きて―！早く行こーぜ！」

またデッキの方に走っていくルフィを、少々呆れた眼差しで見つめるサンジも、

「やれやれ、世話のやけるやつだ。」

と、言いデッキに戻っていった。

其ノ弐　スチーム・タウン

「こ、ここは・・・？」

この町のことは知らないらしく、ウソップがオロオロしていると、

「ここはスチーム・タウン。世界で一番温泉が多い町よ。」

さすがナミだ。よく知っている。

「温泉巡りをするんだったら、やっぱりこの町から始めなくちゃ。」

「あー、懐かしーなー。スチーム・タウンだ。」

と、ゾロが言うと、ナミが、

「あんたここ知ってるの？」

と、驚いた表情で行った。

「おう。言ってなかったか？オレはこの町で生まれ育ったんだ。」

「ふえっ！？」

今度は全員が驚きのあまり見開いた目をゾロに向けた。

「な、何だよ。そんなに変か？」

「い、いや別に変じゃないが、そんなことを聞くのは初めてだったから・・・。」

ウソップはとりあえずウソをつく。本当は誰もが意外と思っているのだが・・・。

次に、すかさずコックが口をはさみ話を進める。

「それじゃ、話は早いじゃねーか。ゾロ、お前ここをよく知ってんならオレたちを一番の温泉に案内してくれ。」

「おう。オレはかまわないぜ。じゃー、ついて来い。」

町の中心街を通り、小さな森を抜け、やがて大きな日本風の屋敷についた。

「名湯桜桃の湯？何だここは？」

サンジが聞くと、

「ここは、オレが小さい頃よくオヤジにつれて来てもらったところだ。オレのオヤジはよく、ここはこの町で一番の湯だと言ってたからな。」

と、ゾロが意外にもあっさりと答えた。

「ふーん、そうだったのか。」（考えてみればオレたちはゾロのこと、あんまり知らなかったなぁー。でも、意外とかわいいとこあるんだな。くすっ。）

「よし！温泉入るぞー！」

はしゃぎながらルフィが温泉の方へ走って行った。

其ノ参　ルフィ、初温泉

「あー、生き返るぜ。」

と、言ったゾロに、

「おい、オヤジくさいぞ。」

と、ツッコムウソップもまんざらではないらしく、

「でも、ホント気持ちいいなぁ。」

と、朗らかな笑みを浮かべいった。

「しかし、女湯はどうなってんだろうな。」

「お、おい、ゾロ！何考えてやがるんだ！」

しかし、あせるウソップをよそにゾロは何を考えているんだかボーってしている。

「ルフィ、お前の、小物だな。」

いきなりサンジが男だったらセクハラとも思えることを言ってきた。

「でも、ゾロはこれでいいって言ってくれるぞ。」

少し拗ねた表情で、口を尖らせてルフィが反論する。

「ふん。オレのを見てみろよ。ほーら。やっぱ女はこー、ナイスなボディじゃねーとな。（笑）」

からかうような笑顔でサンジが自分の胸をルフィに惜し気もなく見せつける。

「そんなの関係ねぇーよ！ゾロはオレが大好きだって言ってくれるからいいんだっ！」

一方男湯のほうでは、女湯の会話が丸聞こえらしく、男二人が流血しながらのぼせていた。朦朧としている意識にもかかわらずゾロが、

「あー、女湯のお湯になりてぇー。（ルフィの周りの）」

と、言った。ウソップは気絶したらしく、湯の中に沈んで行った・・・。

ナミはというと、みんなが入った後に一人で入っていたのだった。

「あ〜、いいお湯。これでたまった疲れが取れるわ。」

本当に気持ちよさそうに言う。

「そうだ！これからもみんなで温泉巡りなんていいかも。やっぱ定期的に疲れを取らないとね。よーし、後でみんなに言わなくちゃ。」

別に誰も悪いとは言わないだろうが、つくづく自分のことしか考えない女である。

其ノ四　そして旅は続く・・・

「ねぇ、みんな、これからも定期的に温泉に入らない？船のお風呂だけじゃ疲れが取れないのよ。狭いし。いいアイディアじゃない？」

ナミに言われちゃ、誰にも反論ができるわけがない。何せ彼女は陰でこの船を仕切っているのだから・・・。

「いいんじゃないか。」

最初に口を開いたのはゾロだった。なぜかと思うだろうが、多分混浴に期待しているのだろう。まったくエロ剣士は嫌だねぇー。私？私は誰かって？私は彼らの旅を見守ってきた、いやこれからも見守っていくだろう。ただそれだけの者ですよ。さー、まだまだ彼らの冒険は続くでしょう。彼らの夢への冒険も温泉の旅もまだ始まったばかり。寄り道だらけかもしれないけど、暖かく見守っていきましょう。

「それじゃー、ゾロ！次は一緒に入ろうな！」

ルフィがゾロの首に抱きつきながら満面の笑みで言った。

「ゾロ！また鼻血！しかも今度は涎もたらしてるし・・・。あー、もうなんて世話のやけるやつらなのかしら！」

ナミが怒り出すのも無理はない。

５人の旅はまだまだ続く・・・。