(あー、オレって愛されてるんだなぁ〜。よし!子供つくんの頑張ろう!) 「あら、おめでとうサンジ君にゾロ。子供はどーすんの?」ナミがサンジに聞く。 「もちろん毎晩頑張って作ります!」サンジが宣言した。そのとたんに、 <ブハッ> ゾロの鼻から血が噴きだした。 「うわっ!大丈夫ゾロ?はは〜ん、この様子だとあんたたちまだヤってないわね?」ナミが何か企んでいるような目つきで二人を見る。 「実はそうなんですよ。オレはヤる気満々なんすけど、こいつが・・・。」 「オ、オイ、ゾロ鼻血止まんねーぞ!」ウソップが慌てて言う。 「あーあ。こんなんじゃ結婚しても当分は無理だな。結婚したら何か変わると思ったのによ。」サンジがつまんなそうに言う。 「まぁ、そう気を落とさないで。いつかきっと記念すべき日が来るわよ。」ナミがサンジを励ます。 「その日がなるべく早く来るといいけど・・・ってそういえばルフィはどこ行った?さっきから姿が見えねーぜ。」サンジが辺りをキョロキョロと見回しながらナミに聞く。 「あー、ルフィなら今はお風呂。一日中潮風にあたってたから無理矢理入れたのよ。ほら、ルフィってお風呂キライでしょ?だから大変だったみたいよ・・・ウソップ。」 「おーい、ウソップー!オレの服はー?」 <ブハッ> 「きゃーゾロ、鼻血がー!」ナミが悲鳴に似た声でゾロを指差しながら辺りの人間に訴える。 「オ、オレはもうダメだ・・・。」 <パタ> 「うああー!ゾロしっかりしてくれー!」サンジが駆け寄る。 「おい、ルフィテメー卑怯だぞ!そんな色仕掛けなんて!」サンジがルフィに詰め寄りながら叫ぶ。 「お前がそんな格好で出て来なきゃ、ゾロは、ゾロは・・・死ぬことはなかったのにー!うわーん!」 「・・・って勝手に人殺すんじゃねーよクソコック!」さっきまで虫の息ほどだった男がもう復活している。 「いや〜んDあなた大丈夫?やっぱこれは愛の力だわ!」サンジが満面の笑みでゾロに抱きつきながら言った。 「あーあ、見せつけてくれるじゃない?」 「うわっ!耳噛むなよ!」 「いいじゃねーか。オレたちもう結婚したんだし。」 「ふざけんな!オイ、コラ、サンジ!」
結婚して3ヶ月が過ぎたある日・・・ 「なぁ、ゾローそろそろヤってもいいんじゃねーの?」サンジが突然言い出した。 「もう3ヶ月だぜ?それなのにオレたち一度もヤってないってどーゆーことだよ?」 (またこの話か・・・。)心の中でゾロがそう呟く。 「あー、頭痛てー。オレ寝るわ。」ゾロが甲板の方へ歩いて行った。 「ちぇっ。」(なんであいつ手ェださねーんだろ?オレは別にいいのに・・・。もうここまできたらムカついてきた!ちくしょー、見てろー、ぎゃふんて言わせてやる!) (あいつはなんであんなにこだわんだろ?オレの気も知らないで・・・。今までは聞かれても何とかかわしてきたが、もうそんなことは出来ねーだろーな。) この日は思いを巡らすのにいい日だった。空は真っ青で雲一つすらない。海のみが柔らかな波の音をたて、全てが静かだった。いや、静かすぎる。この船ってこんな静かだったか?もっとこの時間は騒がしかった気がする。そうだ、今ごろはいつもサンジがオレのところに来て、怒鳴って、一人で怒って、あげくの果てに全員巻き込んで・・・。そうだ。そうなんだ。だが今日はそれがない。まぁ、静かで逆にオレにとっては好都合だけどな。少し寝るか・・・。 「ゾロ!起きて、ゾロ!」 「あ?んだよ、サンジ・・・?」 「何言ってんの。私よ私。」オレがてっきりサンジだと思っていた人物は少々不機嫌といった顔をしたナミだった。 「ああワリィ。ナミか。それで、何の用だ?」 「夕食よ。サンジ君が呼んで来てって。おかしいわね。いつもだったら彼が飛んでくるのに。まさか、あんた、またなんか変なことしたんでしょ?」ナミが疑り深いタチだとは解ってはいるが、やはりここまで疑われると腹が立ってくる。 「何もしてねーよ。しかもなんだよ、『また』って?オレがいつどこであいつに何をしたってんだ、オイ?」 「あら、違った?じゃー、なんだろ?あっ!!何もしないのが悪いんだわきっと!なーんだそーゆーことか。ゾロってやっぱり鈍いのね。(笑)乙女心が解ってないわ。それじゃ、ごはんだからさっさと来なさいよ。じゃーねー!」ナミは自分を置いて一人でさっさと台所へ向かって行った。 (あんだよ。一人で納得してんじゃねーよ。気に入らねーな。乙女心って、あいつのどこが乙女なんだよ。しかしナミが言ってたことは気になるな。何もしてないから悪い?何だよ一体・・・。)オレはそんなことを考えながらゆっくりと台所へ足を運んだ。 先ほどから台所に険悪なムードが漂っているみたいだが、さーてそれは誰のせいでしょーね?(笑) 「ごちそうさま。」ゾロがそう言いながら席を立ち、自分の食器を流しのサンジの所まで持って行く。 「ほらよ、サンジ。」珍しくゾロのほうからサンジの名を呼ぶ。が、しかし、 「・・・。」無言で食器を受け取るサンジ。その場の空気がさらに張り詰める。みんなももうこの二人の様子がおかしいことにはとっくに気がついている。 (ここでゾロが何か言ったら、サンジ君絶対キレるわ。)だが、ナミの心配をよそに、ゾロは何も言わず部屋を出て行ってしまった。 (まったくなんなんだあいつは!)しかし、ロロノア氏は心の中で怒っていたりする。(笑)やつもそこまでバカじゃない。あそこで自分が何か言ったら大騒ぎになることくらい解っている。だから敢えて言うのを我慢して、甲板へ出てきたのだ。少し潮風にでもあたって頭を冷やそうと思ったのだ。 「サンジ・・・。」思わず呟くその名。後に続く言葉はまだ一度もサンジの耳には届いたことはない。 「・・・愛してる・・・。」
そしてまた数週間が過ぎたある日、その事件は起こった。 その日は珍しくサンジは台所のテーブルで居眠りをしていた。そこへゾロがやって来た。 (サンジ?こんなところで寝てるとカゼひくぞ。) 「おい、こんなところで寝てるとカゼひくぞ。起きろ。」ゾロがサンジを軽く揺さぶりながら言う。 「ん?んー?・・・なんだよ?」と、サンジが言いながら上を見上げると、そこにはいつになく心配そうな表情を浮かべたゾロがいた。そして彼を見た瞬間、 「な、なんだ。ゾロかよ。」急に無愛想に振舞う。 (せっかく人が心配してやってんのに・・・。)先ほどの言葉でゾロの怒りは頂点に達した。 「テメー、人が心配してやってんのに、なんだよその態度は?人の気も知らねーで!」 「んだとぉ?人の気も知らないのはそっちの方じゃねーか!この万年寝太郎!」 「なっ!?なんのことだよ!?オレは何もしちゃいねーだろ!」ゾロは本当に鈍いやつである。 「それが悪りィーんだよ!テメー、おれたちが結婚してどれぐらいたってると思ってんだよ!4ヶ月だぜ?もうとっくに何かあってもいい頃だぜ?なんで手ェ出さねーんだよ!?」サンジが半泣き状態になりながら叫ぶ。 一瞬の沈黙。 そしてゾロはサンジを自分の方へ引き寄せ、その華奢な体を抱く。 「・・・お前はオレにとって一番大切なんだ。お前を抱いたら、なんかオレたちの関係が変わっちまうような気がして・・・恐かった。オレの気持ちも少しは解ってくれよ、な?」ゾロがサンジの髪を少しくしゃっとする。 「お前の気持ち、解るよ。オレもゾロが一番大切だと思ってる。お前がいなくなったらオレ、たぶん生きてけない。そんくらい大切なんだ。でも、オレはお前の愛が欲しい。別に今愛されてないなんて思ってない。だけど、なんかの形で示して欲しいんだ。なぁ?これでオレの気持ちも解っただろ?」サンジがゾロの首筋に軽いキスをする。 「・・・サンジ・・・。」 「ん?」 「・・・愛してる。」腕の中にいるサンジを一層ぎゅっと抱きしめる。もう離れて行かないように。手放せないように。
聞きなれた声から聞きなれない言葉が発せられる。オレは一瞬目を見開き、ゾロの目を見る。そこにはいつもより優しい光を灯したゾロの瞳があった。
「オレも・・・。」その後の言葉はキスの嵐に掻き消された。
「ふぅー。今日の夕食はかなり遅くなりそうだわ。」ナミがキッチンに続くドアの前で呟いた。 |
〜コメント〜 はぁ〜。またやっちゃいましたね。(笑)今回は本当に手ェぬいてます!(偉そうに言うなっ!)オレはなんてアホなんだろね。(苦笑)でもでも最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。メルシーです!(今フランス語にちょっとハマってます)これからも一応くだらない小説書いていきますんで、もしよかったら読んでください。それと、この度名前が変わりました。その辺よろしくお願いします。それでは、凍城螺旋でした。 以上、凍城様のゾロ×サンの小説でした。すっごくラブラブで良いですね。 エロもあるとのことで・・・楽しみに待っていましょう。それでは凍城様ありがとうございました。 ――ヒナタ―― |