向島(東京都墨田区) 迷路のような路地を歩くとアートに出会う
向島は関東大震災、東京大空襲からも全焼失を免れ、大正時代からの住宅や戦前に建てられた木造住宅が多く残っているまちです。
小さな路地が蜘蛛の巣状に巡り、迷路となって訪問者を眩惑する不思議なまちです。
そんな魅力的なまちの古い木造住宅に、最近若いアーティストたちが移り住んでいるそうです。
彼らは、路地裏を歩くと様々なアートシーンに出会えるイベント「向島博覧会」を2000年から開催しています。
2001年11月の2回目の博覧会を訪ねました。
路地の奥にある則武撚糸工場(廃業しています)では、「机上の理」というイベントが行われていました。古い工場は若いアーティストたちにとってシンボル的な存在のようです。 則武撚糸工場の内部。実際は中は真っ暗で異様な雰囲気です。天井からは雫が落ちてきたりして、不気味さ倍増です。「桐生再演」を彷彿させるこの個展の主は森脇環帆さんという若くて美人のアーティストでした。
この木造住宅はアーティストが移り住み工房として使われています。ここも博覧会会場(赤い提灯が目印)ですが、まだ準備中で見ることが出来ませんでした。 かつての隅田川堤防沿い(墨堤通り)の古い木造長屋、染物屋さんの跡でしょうか。ここでミチハタヨシタカさんの空間演出展が開催されていました。
染物茶屋WABISUKE と名付けられた「流派・文化・人種を超えた交流スペース」。塗創人と名乗るミチハタさんが演出した心休まる和の空間でした。 桐生だったら、路地の奥は裏通りか表通りなのですが、向島は路地の奥はまた路地で、自分がどこにいるのか分からなくなりそう。ここは「鳩の街通り」という路地商店街。古い家並みと車一台がやっと通れる道幅、なぜか心が安らぎます。

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